「レコード勝ち」、「新星現る!」、「怪物の誕生」――。
7月25日に中京競馬場で行われた未勝利戦でディープインパクト産駒のシルバーステート(牡2)が初勝利を挙げた。
圧倒的な1番人気に支持されると、他馬を寄せ付けずに5馬身差の圧勝。1分34秒7はレコードタイム。衝撃的な勝ち方に将来を期待する声が多く挙がった。
もっとも、シルバーステートにはいくつかの課題があることが分かる。今回は彼の将来性と課題について考察していこう。
重賞級の実力
まず今回の走りは素直に評価していい。重賞級の力を持っている。
中京のマイルは2歳馬にとってかなりタフなため、素軽さだけで乗り切れない。言い方を変えると、切れ味に加えて底力を持ち合わせていないと勝ち切れない。
そんな舞台を好タイムで走破するというのは能力を証明したことになる。
例えば過去、中京マイルを2歳時に1分36秒9より速いタイムで走破した馬は9頭いる。うち、3頭は今年の2歳であるため評価は今後の活躍次第となるが、残りの6頭を見ていくと……
タイセイドリーム→準オープン馬
ピークトラム→OP馬
ペイシャフェリス→OP馬
ヌーヴォレコルト→GI馬
6頭のうち4頭が準オープン以上まで勝ち上がり、ヌーヴォレコルトはGI馬になった。普通に行けば、シルバーステートも重賞路線に乗ってくることだろう。
ただし、血統面を見ると「GIを勝ちきれる血統なのか?」という疑問がわいてくるのも事実だ。
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