安田記念2018の最終追い切り分析…スワーヴリチャードらの調教評価は?

2018年6月3日、東京競馬場で安田記念(GⅠ/芝1600m)が行われる。スワーヴリチャード、ペルシアンナイト、サングレーザー、リスグラシュー、リアルスティール、レッドファルクスらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

今回は出走各馬の調教にフォーカスしていく。どんなに能力の高い馬であっても、出走した時の状態が良くなければ100パーセントのパフォーマンスを発揮することは難しい。仮に有力馬の状態が100%でないなら、多少実力が劣る馬であっても台頭してくる可能性は十分に考えられる。特に重賞の場合、各馬の実力が拮抗している。このため、状態一つで着順が入れ替わることは珍しくない。

陣営にとっては「いかにいい状態で出走させられるか」が、馬券を買うファンにとっては「いかに状態を見極められるか」がレースのカギを握ってくるのだ。

今週には最終追い切りが美浦、栗東の東西トレーニングセンターで行われた。これを受けて、体調や仕上がり具合を一週前の調教と最終追い切りから考察していく。


目次

最終追いきり診断

今回は上位人気が予想される馬を中心に見ていくことにしよう。

ペルシアンナイト・牡4歳(ハービンジャー・栗東・池江厩舎)

評価A-

5月24日1週前追い切り栗東CWコース(稍重)

6F81秒7―66秒5―52秒2―38秒2―11秒4

本番でも騎乗予定の川田騎手が乗ってサトノノブレス(4歳上オープン),アッシュゴールド(障害未勝利)と併せる。ラスト1Fで気合いを付けると僚馬をあっさり突き放し、2馬身差つけてゴール。2週続けて好タイムをマークしているので疲れが残っているようには見えないが、弱冠腹回りに余裕がある。

5月30日最終追い切り栗東CWコース(良)

6F85秒0―67秒4―52秒6―38秒7―11秒5

川田騎手が強めに押しながらサトノノブレス(4歳上オープン)と併せて3馬身先着、なかなかの伸び脚をみせた。相変わらず掛かり気味に行きたがる素振りをみせているため、本番での落ち着きが好走の条件になる。

リスグラシュー・牝4歳(ハーツクライ・栗東・矢作厩舎)

評価A

5月25日1週前追い切り栗東坂路(良)

4F53秒9―39秒4―25秒5―12秒3

一度ヴィクトリアマイルで仕上げている上にレース間隔も詰まっているため、強い追い切りは行っていない。坂井騎手が騎乗(本番は武豊騎手)した一週前追い切りは馬なりながら動きはよく見えた。気性が激しく入れ込みやすいため短期間で2回の輸送は気になるが、馬体重は回復しているように見える。前走並みの動きはキープされている。

5月30日最終追い切り栗東坂路(良)

4F53秒6―38秒3―24秒4―11秒9

単走馬なりながらの好タイム。テンションが高めの馬のため、リラックスさせるのが目的の最終追い切り。ラスト1Fは力強い動きで仕上がりのよさを感じる。あとは牡馬との力関係だけ。

リアルスティール・牡6歳(ディープインパクト・栗東・矢作厩舎)

評価A-

5月23日1週前追い切り栗東坂路(良)

4F52秒1―37秒9―24秒6―12秒1

ドバイ帰りで一度緩めているため、中間はプールも併用して調整。岩田騎手を乗せて一週前としてはかなりハードに追い切っている。併せ馬でも僚馬を3馬身引き離して優秀なタイムでフィニッシュしており、順調に気合いが乗って来ている印象を受ける。

5月30日最終追い切り栗東坂路(良)

4F51秒7―37秒7―24秒4―11秒9

僚馬タイフーン(3歳未勝利)を徐々にスピードを上げながら追走すると、最後に捕まえて併入となった。稽古はいつもよく走るのでこの程度のタイムは当然のごとく出る。加速力も申し分なく、疲れも見受けられない。一週前追い切りも動き自体はよかったが、最終追い切りの方が素軽さが出て反応もよくなっている。

スワーヴリチャード・牡4歳(ハーツクライ・栗東・庄野厩舎)

評価A+

5月23日1週前追い切り栗東CWコース(良)

6F81秒4―65秒1―50秒5―37秒1―11秒6

ホシルミエール(障害未勝利)を3馬身差追走して約2馬身半先着した。格下相手のため、先着は当然ながら最後の1Fのタイムは秀逸。しっかりと乗り込まれているため太め感もなく、弾力ある走りで好調さを感じさせる。

5月30日最終追い切り栗東CWコース(良)

7F92秒0―77秒2―63秒0―50秒1―37秒2―11秒8

ミルコ・デムーロ騎手が跨がって、単走馬なりだが長めを走らせて終いまで脚色は衰えることなく伸びきり、CWコースの一番時計をマークした。中距離仕様からマイル仕様への転換を図る意図が感じられる追い切りだった。馬体の張りや迫力は前走以上に感じられ状態は万全。

サングレーザー・牡4歳(ディープインパクト・栗東・浅見厩舎)

評価B+

5月23日1週前追い切り栗東坂路

4F59秒3―41秒6―26秒8―13秒8

厩舎の方針で一週前は相当に緩い馬なりでの調整のみ。跨がったのは調教助手で気合い付けもしていない。前走後に短期放牧に出ており、少し馬体にゆとりがあるように見えるが、速い時計は出ている。

5月30日最終追い切り栗東坂路(良)

4F57秒6―41秒6―27秒0―13秒2

単走馬なり、馬が少ない時間帯で落ち着いていた。馬体は仕上がっているように見えるが、一週前,最終ともに馬なりの追い切りだったのは前走の疲れが残っている可能性も否定できない。見た目は仕上がっているが前走から平行線と見た方が良さそう。

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