今週は東京競馬場で春のマイル王決定戦の安田記念(GI/芝1600m)が行われる。
開催に際し、競馬TIMES編集部では予想の参考になりそうなデータをいくつかピックアップして紹介する。
人気、血統、枠順、ローテーションなど、予想のポイントになりそうなデータとは?
目次
ポイント1 高齢馬は消し!
まず高齢馬が活躍できていない。安田記念はマイル王決定戦で、最高クラスのスピードが求められる。歳を重ねるごとにスピードはどうしても落ちていくため、若い馬に対抗できなくなっていくのだ。
年齢 | 着別度数 |
---|---|
3歳 | 1- 0- 0- 2/ 3 |
4歳 | 2- 2- 1- 28/ 33 |
5歳 | 3- 4- 3- 46/ 56 |
6歳 | 4- 2- 5- 37/ 48 |
7歳 | 0- 2- 1- 20/ 23 |
8歳 | 0- 0- 0- 8/ 8 |
年齢 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 33.3% | 33.3% | 976 | 236 |
4歳 | 6.1% | 15.2% | 23 | 56 |
5歳 | 5.4% | 17.9% | 13 | 60 |
6歳 | 8.3% | 22.9% | 128 | 143 |
7歳 | 0.0% | 13.0% | 0 | 61 |
8歳 | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2007. 6. 3 ~ 2016. 6. 5
7歳以上で好走したのは3頭のみ。しかもこの3頭を見てみると……
フィエロ ※前年の安田記念4着。その他、GI実績多数
スーパーホーネット GIで3度2着
アルマダ GI実績多数
というよりに、すでにGIで実績のある実力馬だった。このレベルの馬でない限り、安田記念で好走するのは難しいということだ。
ポイント2 キャリア過多な馬は消し!
キャリアが多い馬というのはどちらかのパターンに当てはまることが多い。
・能力が低く、弱いため必要以上のレースに出ている
・キャリアが多くて本質的に消耗している
一つ目のケースなら安田記念で好走するための能力が足りない。対する二つ目は、仮に能力が高くても、消耗戦の安田記念に対応するだけの体力がない可能性がある。よって、いい成績を残すことができていない。
ここではキャリア25戦以内が一つのボーダーラインとなる。
キャリア | 着別度数 |
---|---|
26戦~ | 1- 1- 3- 41/ 46 |
キャリア | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
26戦~ | 2.2% | 10.9% | 30 | 63 |
集計期間:2007. 6. 3 ~ 2016. 6. 5
46頭走って好走したのは5頭のみ。回収率も芳しくない。キャリアが多すぎる馬は、扱いを考えたほうが無難ということだ。
ポイント3 馬体重が軽い馬は消し!
安田記念で最も顕著な傾向が出ているのが、馬体重と言っていい。
というのも、480キロ未満の馬たちはほとんどいい結果を残せていないのだ。マイルGIということで、ポジション争いが激しくなる。馬体重の軽い馬は当たり負けしたり、不利を受けたり、何かと割りを食いやすいのだ。
馬体重 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
~399kg | ||||
400~419kg | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
420~439kg | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
440~459kg | 0.0% | 6.7% | 0 | 45 |
460~479kg | 0.0% | 11.4% | 0 | 69 |
480~499kg | 10.4% | 20.8% | 153 | 86 |
500~519kg | 8.3% | 27.1% | 58 | 140 |
520~539kg | 5.6% | 11.1% | 24 | 17 |
540~ | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2007. 6. 3 ~ 2016. 6. 5
馬体重の軽いほうから、綺麗に成績が下がっていっている。520キロを超えるような巨漢馬も考えようだが(大きすぎると動きが鈍くなり、スピード勝負に対応できないため)、軽い馬はほとんど勝負になっていないのだ。
軸を選ぶときは、最低でも480キロある馬を選んだほうが良さそうだ。
ポイント4 距離延長馬は消し!
安田記念は過酷で体力がいるGIだ。マイルGIではあるものの、中距離で活躍できるくらいのスタミナが求められる。
よって、短距離から参戦してくる馬はどうしても結果を残せない傾向にある。
前走距離 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
同距離 | 5.1% | 18.4% | 77 | 103 |
±200以内 | 5.9% | 17.1% | 67 | 86 |
±400以内 | 5.9% | 17.8% | 63 | 84 |
±600以内 | 5.9% | 17.6% | 62 | 84 |
今回延長 | 3.8% | 11.5% | 20 | 47 |
今回短縮 | 13.6% | 27.3% | 90 | 77 |
集計期間:2007. 6. 3 ~ 2016. 6. 5
距離延長馬の成績は非常に低いものとなっている。
なお、過去10年で距離延長から安田記念で勝ったのは2頭のみ。
ロードカナロア
ストロングリターン
ロードカナロアは距離の壁を超えるだけの力があった。
そしてこれは両馬に共通することだが、父が中距離GIで活躍した実績を持っていた。ロードカナロアの父はダービー馬のキングカメハメハ、ストロングリターンの父は天皇賞秋や有馬記念を勝ったシンボリクリスエスだった。要するに中距離で活躍できるほどの、血統的なスタミナの裏付けを持っていたのだ。
血統的に中距離以上で活躍できそうであれば一考の余地はあるものの、基本的に距離延長は割り引いたほうがいいだろう。
ポイント5 父サンデーサイレンス系は消し!
血統検証で明らかになったように、基本的に安田記念とサンデーサイレンス系の馬の相性は良くない。絶対数が多いため「絶対に走らない」ということはできないが、パーセンテージを見ると買うべきなのかどうなのか、すぐに判断がつくはずだ。
種牡馬 | 着別度数 |
---|---|
サンデーサイレンス系 | 2- 2- 3-50/57 |
ディープインパクト系 | 1- 1- 2-20/24 |
種牡馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
サンデーサイレンス系 | 3.5% | 12.3% | 10 | 45 |
ディープインパクト系 | 4.2% | 16.7% | 122 | 86 |
集計期間:2007. 6. 3 ~ 2016. 6. 5
ディープインパクトを除くサンデーサイレンス系は60頭近く走って馬券に絡んだのは7頭のみ。サンデーサイレンス全盛の時代でこの数字は極めて低いと言わざるを得ない。
なお、ディープインパクト産駒は絶対能力が高く、比較的成績が悪くないため、この項目では除外せずにおく。
まとめ 消しデータを取り除くと?
では、ここまで挙げてきた消しデータを取り除くと、どのような成績になるのだろうか?
着別度数 |
---|
5- 3- 1-23/32 |
勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|
15.6% | 28.1% | 236 | 148 |
集計期間:2007. 6. 3 ~ 2016. 6. 5
なんと、好走率は約30%、回収率も150%オーバーという極めて優秀な成績となっている。
今年はこのデータに該当する馬を軸に添えてみても、いいかもしれない。