5月28日に東京競馬場で行われた東京優駿・日本ダービー(GI/芝2400m)で、2番人気のキングカメハメハ産駒レイデオロ(牡3)が、3番人気のスワーヴリチャードを押さえて勝利した。1番人気のアドミラブルは3着だった。
レイデオロの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。
目次
プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜
父 | キングカメハメハ |
---|---|
母 | ラドラーダ |
母の父 | シンボリクリスエス |
母の母 | レディブロンド |
性別 | 牡 |
馬齢 | 3歳 |
生年月日 | 2014年2月5日 |
毛色 | 鹿毛 |
馬主 | (有)キャロットファーム |
調教師 | 藤沢和雄(美浦) |
生産牧場 | ノーザンファーム |
産地 | 安平町 |
馬名意味 | 黄金の王(西)。父名、母名より連想 |
血統評価は?
レイデオロは父キングカメハメハ、母ラドラーダ、母父シンボリクリスエスという血統だ。
キングカメハメハはダービー馬、シンボリクリスエスはダービー2着と、ダービーに縁のある血統をしている。
興味深いのは今回と同じ、超スローペースの決着となった2010年のダービーも、キングマンボの系統の馬が勝ったということだ。
2010年
1着 エイシンフラッシュ 父キングズベスト
2着 ローズキングダム 父キングカメハメハ
特にキングカメハメハは芝・ダートの両方でGI馬を輩出しているように、瞬発力にも持続力にも秀でた馬だ。超スローペースになった今回のダービーでもキングカメハメハ=キングマンボの血を持つ馬が勝ったというのは偶然ではないだろう。
もっとも、キングカメハメハ産駒ということだけが勝因ではない。何といっても母系が超良血なのだ。3代前の母ウインドインハーヘアはディープインパクトの母として知られている。
2代前の母レディブロンドはデビュー戦が1000万条件という驚くべき戦績を持つ。しかも5連勝でGI出走まで登りつめたのだから、才能の塊だったというほかない。スプリンターズステークスでは4着だったものの、繁殖牝馬としても活躍馬を輩出している。
レディブロンド全戦績
レース名 | 距離 | 馬場 | 着順 |
---|---|---|---|
スプリンG1 | 芝1200 | 良 | 4 |
セプテH1600 | 芝1200 | 良 | 1 |
TVh賞1000 | 芝1200 | 良 | 1 |
長万部H1000 | 芝1200 | 良 | 1 |
下北半島500 | 芝1200 | 良 | 1 |
TVh杯1000 | 芝1200 | 良 | 1 |
集計期間:2003. 6.21 ~ 2003.10. 5
レイデオロの母でもあるラドラーダはOP馬となり、ゴルトブリッツ(父スペシャルウィーク)は帝王賞を制してGI馬となった。
レイデオロがGIで活躍できる血統的な裏付けは十分すぎるほどあったということだ。
なお、この一族は晩成型の馬が多いことで知られている。前述の通りレディブロンドはデビューが1000万条件になるほど初出走が遅れた馬だし、ゴルトブリッツは3歳のうちにJRAで勝てず、地方で初勝利を挙げてからGI馬になったという経緯を持っている。ラドラーダにしても、3歳のクラシックには間に合わなかった。
母系を見れば見るほど、成長力のある馬であることが分かる。レイデオロのさらなる成長にも期待が集まるところだ。
次走は?
無事に春のクラシックを制したため、今後は休養に入ることになる。秋は通常であればダービー馬として最後の1冠である菊花賞の路線を歩むことになる。
しかし、藤沢和雄調教師は馬に適性のないレースを無理に使うようなことはしない。例えばシンボリクリスエスはダービー2着の実績がありながら、秋は神戸新聞杯をステップに古馬3冠レースへの出走を決断した。
過去の事例を見れば、レイデオロが秋古馬3冠に挑戦する可能性も十分に考えられそうだ。