2017年12月17日、中山競馬場でターコイズステークス(ターコイズS/GIII/芝1600m)が行われる。ラビットラン、ワンブレスアウェイ、ディープジュエリー、サザナミらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
開催に際し、どのような血統の馬がいい成績を残しているのか、同コースでどのような血統の馬が台頭しているのか、過去のデータをもとに見ていくことにしよう。
なお、好走血統は過去10年、コース種牡馬成績は2014年以降(精度を高めるために1、2番人気の人気馬、および単勝100倍以上の人気薄、新馬戦、長期休み明けなどの不確定要素が多いレース=血統意外の要因で決着した可能性が高いレースは、集計から除外)を参考に考察していく。
目次
過去10年好走馬血統
着順 | 人気 | 種牡馬 | 母父馬 |
---|---|---|---|
1 | 1 | ハーツクライ | ブライアンズタイム |
2 | 6 | キングカメハメハ | マーベラスサンデー |
3 | 3 | ブライアンズタイム | Caerleon |
1 | 11 | マンハッタンカフェ | シンボリクリスエス |
2 | 16 | サクラバクシンオー | エルコンドルパサー |
3 | 15 | ハーツクライ | トウカイテイオー |
1 | 9 | スズカマンボ | ウォーニング |
2 | 3 | ダイワメジャー | エリシオ |
3 | 6 | アグネスデジタル | サンデーサイレンス |
1 | 2 | キングカメハメハ | Caerleon |
2 | 3 | フレンチデピュティ | サンデーサイレンス |
3 | 6 | タニノギムレット | Kingmambo |
1 | 1 | アグネスタキオン | Caerleon |
2 | 16 | アグネスタキオン | エルコンドルパサー |
3 | 2 | ダイワメジャー | Silver Deputy |
1 | 14 | アグネスデジタル | トニービン |
2 | 4 | ゼンノロブロイ | トニービン |
3 | 8 | キングカメハメハ | サンデーサイレンス |
1 | 3 | キングカメハメハ | Silver Hawk |
2 | 2 | ゼンノロブロイ | ヘクタープロテクター |
3 | 4 | マンハッタンカフェ | Storm Cat |
1 | 3 | フジキセキ | トニービン |
2 | 1 | アグネスデジタル | サツカーボーイ |
3 | 13 | ファルブラヴ | フジキセキ |
1 | 6 | ダンスインザダーク | Zafonic |
2 | 10 | タヤスツヨシ | エリシオ |
3 | 1 | シンボリクリスエス | Fairy King |
1 | 6 | フジキセキ | Nijinsky |
2 | 5 | ダンスインザダーク | Zafonic |
3 | 4 | ダンスインザダーク | Caerleon |
集計期間:2007.12. 2 ~ 2016.12.17
解説・分析:注目血統は?
ターコイズステークスは波乱の要素が満載のレースだ。
・開催時期が師走
→強い馬は休養か、有馬記念へ
→牝馬は冬場にパフォーマンスを落とす
これらの要素が重なっているため、基本的に固い決着になることは少ない。上位と下位の力の差が小さいため、展開一つ、枠順一つで結果が変わるからだ。
そんな中で注目されるのが、タフな血統の馬だろう。
・欧州のノーザンダンサー系
・キングマンボ系
・ロベルト系
過去の好走馬を見てみると、こういったタフな血統の馬が台頭していることが分かる。例えば大波乱となった一昨年の勝ち馬シングウィズジョイは父が天皇賞春馬のマンハッタンカフェ、母父が有馬記念を勝ったシンボリクリスエスと、どちらも2500m以上でGI勝鞍があった種牡馬の産駒だった。
3年前のミナレットの父スズカマンボは天皇賞春の勝ち馬。スズカマンボ自身がキングマンボを内包しているタフな血統の馬だ。
面白いのが、いずれも16番人気という超人気薄ながら好走したダンスアミーガとオメガハートランドがいずれも母父エルコンドルパサーだったこと。父のサクラバクシンオーとアグネスタキオンの産駒はいずれも短距離で高いパフォーマンスを発揮する傾向にあるが、母父にスタミナの血を内包していたことで、タフな競馬を乗り切ることができたと考えられる。
他にも母父にトニービンやカーリアン、エリシオにブライアンズタイムと、多くの馬がスタミナの血を持っていたことが分かる。母系のスタミナ量が、一つのポイントになってきそうだ。
出走予定馬・種牡馬コース成績
種牡馬 | 着別度数 |
---|---|
キングカメハメハ | 5- 2- 4-27/38 |
ディープインパクト | 5- 2- 3-42/52 |
ハーツクライ | 3- 1- 0-25/29 |
ダイワメジャー | 2- 3- 4-31/40 |
ブラックタイド | 2- 2- 2-14/20 |
スペシャルウィーク | 2- 2- 1- 6/11 |
メイショウサムソン | 1- 4- 1- 8/14 |
ステイゴールド | 1- 3- 3-32/39 |
デュランダル | 1- 0- 1- 6/ 8 |
エンパイアメーカー | 0- 0- 0- 5/ 5 |
Makfi | 0- 0- 0- 1/ 1 |
種牡馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
キングカメハメハ | 13.2% | 28.9% | 164 | 107 |
ディープインパクト | 9.6% | 19.2% | 104 | 58 |
ハーツクライ | 10.3% | 13.8% | 132 | 50 |
ダイワメジャー | 5.0% | 22.5% | 35 | 56 |
ブラックタイド | 10.0% | 30.0% | 283 | 169 |
スペシャルウィーク | 18.2% | 45.5% | 353 | 168 |
メイショウサムソン | 7.1% | 42.9% | 43 | 187 |
ステイゴールド | 2.6% | 17.9% | 27 | 72 |
デュランダル | 12.5% | 25.0% | 101 | 197 |
エンパイアメーカー | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
Makfi | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2013. 1. 5 ~ 2017.12. 3
※牝馬のみで集計
※良馬場開催が対象
※3番人気〜単勝100倍未満が対象
※長期休み明けなど、明らかなマイナス要素を持つ馬は除外
解説・分析:注目血統は?
好調なのはまずキングカメハメハ。やはりキングマンボの血を持つ馬が強い。
ディープインパクトは悪くないものの、複勝の回収値は低い。あまり穴馬は走っていないことが分かる。一方、ディープインパクトよりパワー型のブラックタイドが好調、というのが当コースの性質を表している。
キングカメハメハも、ディープインパクトと同じクラシック血統だが、ダートGI馬を輩出するほどのパワー型。さらに言えば、スペシャルウィークもダービー馬ながらダートGI馬を輩出している。
一定のパワーを持っていることが、一つのポイントになってきそうだ。