2021年3月6日、阪神競馬場でチューリップ賞(GⅡ/芝1600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるメイケイエール、テンハッピーローズ、エリザベスタワー、タダノディアーナ、ストゥーティらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
チューリップ賞の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は5勝、2着は1回、3着は2回。過去10年で単勝1倍台の馬は7頭いたが、そのうち5勝し、3着が2回。負けても3着とすれば、馬連や馬単がおいしいか。
意外と伏兵馬がやってくるのがチューリップ賞。人気で判断せず、中身で判断して高配当をつかみたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 阪神JF組の取捨選択
前走阪神JF組(8- 3- 6-10)
勝率 29.6% │ 複勝率 63.0%
桜花賞トライアルのチューリップ賞だが、阪神JF組が断然強く、ここを無視するのは無謀と言わざるを得ない。とはいえ、傾向は必ずある。
阪神JFで3着以内が大条件で、4着以下だった場合はコンマ6秒までの負けか2人気以内。基本的には阪神JFの馬券圏内馬だけでいいだろう。
メイケイエールは阪神JF3番人気4着とやや怪しいが、一応コンマ2秒負け。ソダシが桜花賞ぶっつけ本番のため、今年はやや手薄感があり、それが幸いするか。
予想参考データ② 別路線組の取捨選択
阪神JF組はメイケイエールのみなので、必ず別路線組の台頭はある。傾向を見ると前走はマイルだった馬が多い。重賞やオープン特別で3番人気まで、もしくは馬券圏内、コンマ2秒までの負け、これらに該当することが多い。
テンハッピーローズはフェアリーステークス1番人気、エリザベスタワーはエルフィンステークス1番人気とそれなりといえばそれなりだが、着差がはっきりしていて不安がある。
前走だけを見るとめぼしい馬がさほどおらず、そうなってしまうとメイケイエールがどれだけの差をつけて勝つかがポイントのレースになってしまうが。
予想参考データ③ それぞれの馬の前走レベル
メイケイエールの前走は阪神JFだったが、レシステンシアのレコードが破格で、ソダシもサトノレイナスも十分のタイムを残した。メイケイエールはあともう1つ届かなかった。桜花賞ではまだ届かないかもしれないが、このメンツならあっさり届くかもしれない。
テンハッピーローズの前走はフェアリーステークスだったが、ペースがやや速く流れ、道中で動いた馬が最後伸びず、4コーナーまで我慢した馬が馬券に絡んだ。テンハッピーローズはまさに前者。展開が合わないとみるか、合わない展開を打破する力がなかったとみるか。
エリザベスタワーの前走はエルフィンステークスだったが、マイル戦の割にスローで流れ、後方待機のエリザベスタワーには厳しかった。逃げたルージュグラースの上がりが34秒5、エリザベスタワーは33秒8.これでは捕まえきれない。もう1段速い脚が欲しかったが、そこまではなかったとみるべきか。
タガノディアーナの前走は阪神1800の条件戦つばき賞だったが、実は翌日の未勝利戦より勝ちタイムは遅かった。未勝利戦より遅いとなるとレベルが高かったとはなかなか言えない。
ストゥーティの前走は条件戦の菜の花賞だったが、ここ最近の勝ちタイムと比較すると遅め。ただペースが遅い中でそれなりに脚を見せたのは収穫。新馬戦で勝った際、2着はレッドベルオーブだったから、この手薄なメンバーならば一発があってもおかしくない。
2021年の危険な人気馬は?
テンハッピーローズは人気になる見込みだが、前走はちょっと力量不足だったか。好枠を活かしきれなかったのも大きく、いくら手薄なメンバーでも狙いにくさがある。チューリップ賞の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、エリザベスタワーは3つ目の消しデータに合致している。逃げたい馬が少ない状況だとここでも前々の競馬になりそう。展開が向くとは思えない。
反対にメイケイエールは危険なデータに一つも当てはまらない。正確に言えば距離の不安は感じるのだが、他の馬とのレベルを見ると1枚も2枚も上で、さすがにひっくり返すほどではない。面白いのはストゥーティだ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、メイケイエールと言えそうだ。