2019年11月16日、東京競馬場で東スポ杯2歳ステークス(GⅢ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるアルジャンナ、オーロラフラッシュ、コントレイル、ラインベック、リグージェらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年間のデータを参考に予想を進めていく。
目次
東スポ杯2歳ステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは5回で、2着、3着はともに1回。オッズに関する信用度はあまり差がなく、3倍台でもそれなりの信頼度を誇る。
人気サイドで決まりやすい一方で、時折とんでもない穴馬が飛び込んでくることもある。良血馬だけで判断をするのは何かと危険だろう。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 結局は上がりの勝負に
上がり3F 1位(5- 5- 2-4)
勝率 31.3% │ 複勝率 75.0%
少頭数になりやすい東スポ杯、今年も8頭という少なさだが、逃げ残りを考えるのはこの場合筋が悪く、過去10年で見れば3着以内に1回しかない。
それ以外の脚質、先行、中団、後方はそれぞれ信頼度は同じようなモノで、その中では先行馬がやや数字がいい。後方でも数字を残しているので、逃げ以外は位置取りは不問でいいだろう。
上がり3ハロン6位以下となると未勝利で複勝率も3%を切るような状況。求められるのは上がりの脚、前走どんな状況でそれが繰り出されたのかを見ておきたい。
予想参考データ② 新馬未勝利組の取捨選択
実はこれといってステップレースの傾向がつかめない東スポ杯。やはりそうなると新馬未勝利組、このあたりの取捨選択が大事になる。
新馬組は1800メートルでの勝利が目立つ。これに関してはコースは関係ない。差をつけて勝利したいところだが、コンマ2秒を上回るタイムで勝ったのはディープブリランテのみ。コンマ2秒程度でいい。
未勝利組は、差をつけて勝つことが絶対条件。ほとんどの馬は前走1番人気だった。こちらもコースは問わないが、東京マイルからの延長と京都2000からの距離短縮が来やすい傾向にある。
予想参考データ③ 少なくとも夏には使っておきたい?
場所別の成績を見ると、前走函館や福島、小倉はゼロ、中京は1頭だけと夏競馬の舞台となった競馬場から休み明けで参戦するケースは少ない。
新潟に関しても21頭参戦し、1頭しか連に絡んでいないところを見るとちょっと厳しいか。有力馬は基本的に中央4場の新馬戦で走らせるか、7月8月に使って休ませるかのいずれか。
その中で札幌が2勝挙げているのは明らかに札幌2歳ステークスのおかげ。クラシックに向けた試金石となるレース、休み明けで勝てるのはそれなりの馬で、伏兵馬がこれで勝てるほど甘くない。
2019年の危険な人気馬は?
ラインベックは人気になる見込みだが、中京2歳ステークスからのぶっつけがどうか。この時の2着馬は未勝利の身で2着になり、いまだに抜け出せていない。前走のレベルは極めて微妙、そうなると、ここで勝つというのはしんどそうだ。東スポ杯2歳ステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、リグージェは3つ目の消しデータに合致している。新潟1800メートルでは勝ったが、相性はそこまでいいわけではない。前走新潟で来たのは新潟2歳ステークスで連対した馬だけ。マーフィー騎手でどこまでいけるかだが、ちょっと展望が読めない。
反対にオーロラフラッシュは危険なデータに一つも当てはまらない。新馬戦は5着だったが、札幌1500メートル、1番枠で出遅れ最後方という普通に考えて絶望的なところを、他馬を凌駕する脚で5着にした。未勝利脱出にてこずったが、だからこそ、人気も控えめで狙うならここか。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、オーロラフラッシュと言えそうだ。