伝統の長距離戦、第157回天皇賞春が4月29日(日)京都競馬場で開催される。昨年はキタサンブラックが優勝を果たし、2連覇を達成したことでも記憶に新しいレースではないだろうか。
今年は低調なメンバー構成ともいわれ、昨年のジャパンCを制したシュヴァルグランが唯一のGI馬ということで混戦模様が漂っている。その中で、強いと評される4歳世代からクリンチャー、チェスナットコート、サトノクロニクルの3頭が出走を予定している。
今回は、今走が得意条件への条件好転となるサトノクロニクルに焦点をあてて天皇賞春を紐解いてみよう。
目次
条件① ハーツクライ産駒
サンデーサイレンス系の種牡馬の中でもステイゴールドと並んで、長距離戦で良績を残しているハーツクライだが、天皇賞春でも圧倒的な成績を残している。初年度産駒がデビューし、出走条件となる4歳以上古馬となった2012年以降でハーツクライ産駒が馬券内に入線した馬がこちら。
2012年ウインバリアシオン(2番人気)⇒3着
2014年ウインバリアシオン(3番人気)⇒2着
2015年フェイムゲーム(7番人気)⇒2着
2015年カレンミロティック(10番人気)⇒3着
2016年カレンミロティック(13番人気)⇒2着
2016年シュヴァルグラン(3番人気)⇒3着
2017年シュヴァルグラン(4番人気)⇒2着
ご覧の通り、6年間で7回も馬券に絡んでおり、天皇賞春において活躍が顕著に目立つハーツクライ産駒。瞬発力への比重が傾く中距離戦では、決め手不足を露呈していた馬であっても、スタミナが要求される長距離戦に変わって、血統的なポテンシャルが発揮されているのだろう。
まずハーツクライ産駒であるサトノクロニクルを考察する上で、血統面がなによりも評価することのできる条件といえる。
条件② 京都3200m
天皇賞春が行われる京都3200mは、向正面半ばからスタートして最初の3角までは約417m。京都特有の丘を2度上り下りし、2回目の坂の上りあたりから徐々にペースが速くなってゴールまで流れ込むことが多くみられるレースである。その為、先行力を持ち合わせている馬にとって非常に競馬がし易く、自らのタイミングで前目の位置取って押し上げることのできる機動力が必要になってくる。
サトノクロニクルにおいては、昨年阪神競馬場で行われた2000mの重賞チャレンジCを3番手から先行して勝ち鞍を挙げていることもあり、好走条件に合致しているといえる。
また不良馬場で行われた菊花賞を除けば、京都コースで2勝2着1回と連対パーフェクトを達成していることからも、京都コースに変わるアドバンテージが他馬よりもプラスに働く馬であるだろう。
条件③ 前走の3角位置
昨年の1~3着馬すべてに共通していること。それは天皇賞春の前走において4角位置が5番手以内という競馬であったことが挙げられる。条件②の章でも既に伝えたが、コース・レースの特質上、先行馬が有利に働くことが多く、昨年だけに限らず、先行馬が好走を繰り返してきたのが天皇賞春というレースである。
無論、サトノクロニクルも条件をクリアしていると付け加えておこう。
前走の阪神大賞典では、自ら番手を押し上げる強気の競馬で4角4番手につけて競馬を行い、試走としては充分な内容であった。好走条件の必須ともいえる持ち前のダッシュ力と機敏さを天皇賞春でも発揮すれば、おのずと結果はついてくるのではないだろうか。
まとめ
大混戦ゆえに、どの馬にもチャンスがある天皇賞・春。それ故に過去の好走条件に合致する馬を探し出すことが重要になってくる。
過去のデータと重なる点が多いサトノクロニクルが、果たしてどんな競馬をみせ、鞍上の川田将雅騎手がどのようなエスコートをするのだろうか。
様々な情景を思い浮かべながら今週末の天皇賞・春を待つことにしよう。