2018年10月28日、東京競馬場で天皇賞秋(GⅠ/芝2000m)が行われる。出走予定馬には、札幌記念を快勝したサングレーザー、大阪杯勝ち馬スワーヴリチャード、宝塚記念優勝のミッキーロケットがいる。三世代のダービー馬対決は叶わなかったが、超豪華メンバーが集結し、わくわくするレースになることは確実だ。
過去10年の天皇賞秋のデータを見ると、1番人気が勝ったのは10年で5回と相性がよく、2着2回3着2回と安定感抜群だ。その昔は1番人気が勝てないジンクスがあったが、過去の話だ。反対に2番人気から4番人気までが未勝利と信頼度が一気に落ちる。危険な人気馬はかなり多く、伏兵の一発も期待できる。
メジロマックイーンの降着の要因となった1コーナー、2コーナーのカーブのきつさは改修工事以降はあまり聞かれず、内と外の有利不利はそこまでない。ましてフルゲートにならないのは決まっており、気にしなくていいだろう。秋競馬最初の山場、天皇賞秋、なんとかモノにしたい。
目次
データ① 充実の4歳5歳におまかせ!
過去10年の年齢別成績を見ると、5歳馬が強く、6勝を挙げている。4歳は3勝2着5回と堅実で4歳と5歳だけで9勝2着8回と圧倒的な成績を見せる。3歳馬は過去10年で15頭出走して2着2回3着2回だが勝ち星がない。ワグネリアンが本来なら出走の予定だったが、状態が万全ではなく回避したのは大英断であったと言える。
6歳は過去10年31頭出て、2012年覇者エイシンフラッシュが2013年に3着になった時だけですべて着外、7歳は42頭出て2009年カンパニー1着の1頭のみですべて着外だ。エイシンフラッシュやカンパニーレベルならわからないが、少なくとも今年そうした馬は見当たらない。ここは全消しで問題ない。
データ② 牝馬がデータを惑わせる?!
牝馬は過去10年で13頭出ているが、2勝2着3回とそこそこの勝率、連対率を誇る。ところが、ここに出てくる牝馬はいずれも最強牝馬論争で必ず出てくる馬ばかりで、ウオッカやジェンティルドンナ、ダイワスカーレットにブエナビスタがいる。逃げ馬は基本的に壊滅的な成績なのに、ダイワスカーレットが驚異的な粘りを見せて2着に入ったことで可能性があるように思わせるが、他の9年は掲示板にすら残っていないことが証明する。
牝馬はヴィブロスとディアドラがいる。確かにヴィブロスはドバイターフを勝ったしかし、日本では牡馬混合戦で馬券圏内に入れない。ディアドラは牝馬限定戦では強いが、牡馬相手はどうか。世界で強かった牝馬は日本でも強かった。その要素が不足する2頭は苦戦する可能性が高い。
データ③ その他データあれこれ
毎日王冠組に次いで宝塚記念組がよく来るが、宝塚記念で結果を出せない、適していない馬が天皇賞秋では馬券になる。無類の強さを見せたキタサンブラックは宝塚記念だけ勝てなかった。ブエナビスタもジェンティルドンナもその口だ。去年のサトノクラウンは宝塚記念1着からよく来たが、これは馬場が悪すぎたこともあって、参考にならない面がある。関東遠征で全くいいところがないミッキーロケットには苦しい。
レイデオロ潰しのデータがある。レイデオロはオールカマーを制したが、まず過去10年で前走オールカマーを走った馬は1頭も3着以内に入っていない。さらに過去を見ると、オールカマー1着馬が優勝したことは長い歴史でも1頭もいない。あのオグリキャップもビワハヤヒデもサクラローレルもダメだった。2着が精いっぱいと見るべきか。レイデオロにとっては名馬への挑戦と言える。ここで勝てたら名馬を超える。
まとめ
ワグネリアンの回避は残念だったが、それでもメンバーは揃った。ダービー馬よりもスワーヴリチャードが上となりそうだ。左回りでの無類の強さ、今回は2000メートルで競馬がしやすい。マイルからの参戦は勝ち星がないが、明らかにマイルは合っていないだけにむしろこの場合は関係ないとみていい。
穴馬の出番は今年を見る限りなさそうだが、ようやく復活したキセキの逆転劇は見たい。1分56秒9のスピード、説明するまでもないパワーがある。毎日王冠での競馬も悪くなかっただけに、これが本当の「キセキの復活」というものを見せてほしい。