2019年6月23日、阪神競馬場で宝塚記念(GⅠ/芝2200m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるキセキ、レイデオロ、アルアイン、リスグラシュー、エタリオウ、スワーヴリチャード、マカヒキらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
なお、特に明記していない場合は過去10年のデータを対象とする。
目次
宝塚記念の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは2回、2着は3回、3着2回と、信頼度はそれなりにあるが、なんとも勝ち切れないのが微妙なところ。
上位人気もパッとした成績ではなく、伏兵馬の台頭が目立ち、一筋縄ではいかないレースであることは間違いない。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 意外と牝馬が熱い
牝馬(1- 3- 4-11)
勝率 5.3% │ 複勝率 42.1%
過去10年で19頭が参戦した牝馬だが、勝ったのはマリアライトのみであるものの、それなりの複勝率を誇る。面白いのが人気薄でも巻き返しが見られる点だ。
確かに2013年まではジェンティルドンナやブエナビスタのように1番人気に推された牝馬が来ていたが、それ以降は8番人気や10番人気といった伏兵馬が目立つ。
とはいえ、GⅠでの好走歴は必須。同じ距離で行われるエリザベス女王杯で結果を出しているか、牡馬相手に健闘を見せているか、これがポイントとなりそうだ。
今年の牝馬はリスグラシューのみだが、結果的には全く申し分ない。56キロはエリザベス女王杯で克服し心配がなく、有力であることは言える。
予想参考データ② 上がりの脚は鉄板!
上がり3F 1位(6- 5- 0-0)
勝率 54.5% │ 複勝率 100.0%
連対率100%のデータ、見ていて気持ちいいものだが、上がり3ハロンで1位だった馬は過去10年いずれも2着以上だ。
最速といっても33秒台の脚は必要なく、過去10年で最速の34秒3レベルで十分。ここ3年は稍重ばかりで35秒台でも最速の脚になる。
過去10年で上がり最速タイムをマークした馬を見ると、中山実績のある馬や重馬場ではも苦にしない馬が目立つ。
中山で苦戦するような馬、重馬場になると厳しい馬のチャンスは減ると思ってよく、これまでの上がりの脚より、見るべきところはその部分だろう。
予想参考データ③ 血統で分かれる明暗
ステイゴールド産駒(5- 0- 0-9)
勝率 35.7% │ 複勝率 35.7%
オルフェーヴルやゴールドシップがいることを思うとむしろ着外の数も気になるが、連対率的にも10頭以上を送り出す他の種牡馬を上回っており、信用度はある。
ディープインパクト産駒もさすがという複勝率だが、過去10年で1頭しか勝ち馬を出せておらず、勝率がパッとしないのが気がかり。3着が多いのも気になる。
気になるのはハーツクライ産駒。過去12頭を送り出して2着が1頭のみ。10頭以上を出した中では最低の成績、リスグラシューとスワーヴリチャードは克服できるか。
2019年の危険な人気馬は?
スワーヴリチャードは人気になる見込みだが、よほど工夫して乗らないと右回りの小回りでは厳しい馬。天皇賞秋でのアクシデント以降、それなりの成績は残すがややパッとしない。ハーツクライ産駒の相性も悪く、ここは注意したい。宝塚記念の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、アルアインは3つ目の消しデータに合致している。大阪杯は勝ったが、人気が薄くなりマークされなくなったところでの勝利。安定感こそあるが、勝ち切るには少々足りない。前目で粘るまではいいが、そこからの伸びが2200メートルでどこまで見られるか、未知数なので人気なら嫌いたい。
反対にエタリオウは危険なデータに一つも当てはまらない。前走は最後方からの競馬で道中で脚を使ってしまった感がある。今回は横山典弘騎手が騎乗するので、うまく乗ってくれれば十分チャンス。強さは本物、あと一歩に欠ける馬の最後の一押しが横山典弘騎手となるかどうか。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、エタリオウと言えそうだ。