(C)MAZIMICKEY

一発があるならこの馬か――。

2018年6月24日、阪神競馬場で宝塚記念(GⅠ/芝2200m)が行われる。菊花賞をそれぞれ制しているサトノダイヤモンドとキセキ、2年連続ドバイの地で好走したヴィブロスなどが参戦予定だ。その中で人気を落としながらも、力量的には決して劣っていない馬と目されるのがゼーヴィントだ。

ゼーヴィントの前走は目黒記念だったが、9番手あたりに陣取り、手ごたえよく回ってきたが、57.5キロのトップハンデもあってか、突き抜けるまでには至らず、コース取りもごちゃついた。上がり3ハロンのタイムがトップタイでもコンマ2秒のところに7頭がひしめくような状態ではなかなか9番手からの巻き返しは難しく、コンマ3秒差の6着に終わった。位置取りの差といえばそれまでだが、決して力負けとは言えない内容であった。

日経賞、目黒記念となかなか結果を出していないように思われるが、いずれも芝2500メートルのレースだ。この馬からすれば少し距離が長かった可能性がある。そんな中でも一定の成績は残しており、春の2戦は決して力量不足だったとは言い切れない。若干メンバーが手薄になるここなら一発があってもおかしくない。


要素① 間隔を詰めて出走できる状況

目黒記念までのゼーヴィントは、レース間隔が短くても2ヶ月程度となっているケースが多い。1ヶ月間隔になっている時期は未勝利戦から山藤賞、プリンシパルステークスの時期だけで、あとは2ヶ月の間隔を空けることが多い。そんな中、久しぶりに1ヶ月間隔で出走することになる。もちろんそうせざるを得ない事情はあったにせよ、1ヶ月間隔で走れるということはまずまず体調はいいということだろう。

七夕賞を制するなどサマー2000シリーズで出たとしてもそこそこの活躍は見えている。決してバカにできない優勝賞金をもらえるチャンスは大きい。それでも宝塚記念をチョイスしたということは、それなりの自信があってのことだろう。ゼーヴィントの唯一の連勝も1ヶ月間隔で走った未勝利戦と山藤賞の時だ。ここ2戦は陣営としても思ったようなデキにはならなかったようだが、宝塚記念が近づくにつれて段々と変化が見られる。前走も不利があってのことなので、さらなる上積みが期待できる。

要素② 一発がある池添謙一騎手

ゼーヴィントには戸崎圭太騎手が騎乗してきたが、戸崎騎手がパフォーマプロミスを選んだ関係でポッカリと騎手が空いた。そこに飛び込んだのが池添謙一騎手である。池添騎手といえばここ一番での一発、腹をくくる覚悟がある。例えば、今回の宝塚記念でどうしても前に行きたい馬はあまり見受けられない。それなら前に行って粘りこみを図ろうとするのが池添騎手の真骨頂だ。

先週の函館スプリントステークスではセイウンコウセイにテン乗りで騎乗し、見事に逃げ切って見せた。去年の高松宮記念を制しながらあまりいい結果を出せていなかったセイウンコウセイには待望の勝利であり、それをもたらしたのが池添騎手の手腕だ。去年の桜花賞のレーヌミノルも池添騎手はテン乗りで勝利した。いずれの馬もやや人気落ちが見られる中での勝利だった。ゼーヴィントも境遇としては似ている。新たなパートナーを背に変わり身を見せる可能性は十分にある。

要素③ 重賞での安定感

競馬には、相手なりという言葉がある。これはどのクラスで走っても同じような結果になる状態を指す。1000万条件で好走したから500万条件に降級して突き抜けるかといえば突き抜けないし、昇級したから苦しくなるかと思ったらきっちり好走する。どんな相手にもそれなりに走る馬は存在するが、ゼーヴィントもその可能性は高い。

新馬戦こそ大敗だったが、重賞で7回走り、もっともタイム差があったのは日経賞のコンマ4秒負けだ。一方勝利したケースではラジオNIKKEI賞でコンマ2秒勝ちが最高だ。前走はトップハンデでコンマ3秒負けなので、決して力負けではない。どんな相手にもそれなりに走るという仮定に立てば、相手が多少強くなったとしても十分にチャンスはあると見ていい。馬自身は相手が強くなったかどうかはわからない。相手なりに走れるということは、それだけ安定した走りができる証拠でもある。

まとめ

馬場状態が心配であり、唯一の大敗は雨の中行われたレースだった。それでも芝2200メートルのレースで結果を出している。中山2200メートルは外回りコースであり、いったん坂を上って、それから4コーナーあたりまで下って、最後の直線で坂が待ち構える大変タフなコースだ。そこで2着2回の実績がある。阪神芝2200メートルでも心配はいらない。

状態は上がり、騎手も一発を秘める騎手になっている。元々は期待された馬であり、2戦続けて6着だがタイム差的にはそこまで悲観すべきものではない。ここでなんとか形を作って、サマーシリーズや秋競馬につなげたいところだ。

おすすめの記事