2019年11月30日、中山競馬場でステイヤーズステークス(GⅡ/芝3600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるアルバート、オジュウチョウサン、チェスナットコート、メイショウテンゲン、リッジマンらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年間のデータを参考に予想を進めていく。
目次
ステイヤーズステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは6回で、2着はなし、3着は1回。1倍台前半は2勝だが、さすがに今年はそこまでにはならなさそうだ。
比較的上位人気馬が信頼しやすく、特にここ4年は1番人気が勝ち続け、人気サイドでの決着になりやすい。案外紛れが起こりにくいレースである。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① アルゼンチン共和国杯組の取捨選択
前走アルゼンチン共和国杯(6- 1- 6-39)
勝率 11.5% │ 複勝率 25.0%
過去10年で52頭が前走アルゼンチン共和国杯組で、ここを無視して予想を組み立てるというのは少し乱暴だ。
過去にステイヤーズステークスで好走した経験がある馬はアルゼンチン共和国杯での大敗は気にしなくていいが、好走経験がない馬はアルゼンチン共和国杯で1秒以内に負けにとどめることが必要。
今年はオジュウチョウサンただ1頭だが、53キロながら大敗を喫した。いくら中山大障害の舞台とはいえどうか。
予想参考データ② 逃げは残らない
3600メートルのマラソンコース、展開も遅いだろうと普通考えるが、案外前半1000メートルが1分を切るケースが多く、そうなると逃げはほとんど残らない。
上がり3ハロン1位と2位の信頼度がえげつないが、3600メートルとなると、普通の競馬の上がりと考え方を変えた方がいいだろう。
やはりここでもオジュウチョウサンの動向に注目が集まる。大逃げができないようだが、番手に控えるかどうかは名手デムーロ騎手に託された。
予想参考データ③ リピーターレース
アルバートの3連覇があまりにも強い印象として残るが、過去にはデスペラードの連覇、トウカイトリックの大健闘もあれば隔年で走る馬もいる、リピーターレースだ。
特殊といえば特殊なので、ここで適性があった馬はそのまま来ると考えるのが普通で、今年は去年の勝ち馬と3連覇を達成した過去の勝ち馬がいるので面白くなりそうだ。
モンドインテロも地味にリピーターだが、乗るのはビュイック騎手。外国人騎手ほど折り合いがうまく、もしかするとがあるか。
2019年の危険な人気馬は?
オジュウチョウサンは人気になる見込みだが、平地で底が見え、年齢もあるので、ちょっと巻き返しはきついか。ステイヤーズステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、メイショウテンゲンは3つ目の消しデータに合致している。菊花賞からの参戦だが、クラシック三冠はいずれも2桁着順。3歳牡馬のレベルが高いとは言い切れない中でも大敗続きではどうにも厳しいか。
反対にアルバートは危険なデータに一つも当てはまらない。短期免許の外国人騎手が騎乗する際の強さといえばない。今年はジャパンカップの騎乗ぶりが最高だったマーフィー騎手が乗る。4連覇を目指した去年は取り消しとなったが、今年も可能性はある。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、アルバートと言えそうだ。