2017年12月2日、中山競馬場でスポーツニッポン賞ステイヤーズステークス(GⅡ/芝3600m)が行われる。
冬の中山開催初日の風物詩ともいえるステイヤーズステークス。年間およそ3400レースが開催されている中央競馬の中でも平地だけで3600m、コーナーを8回も回るレースは、このレースのみという名物レースだ。
注目されるのは、長距離重賞で実績のあるフェイムゲームだ。現役屈指のステイヤーは意外にもこの舞台初登場である。
人気の一角となることが予想されるが、それに応えることが出来るだろうか。入り混じる期待と不安を紐解いていく。
目次
期待① メンバー随一の実績
フェイムゲームの重賞5勝は今回の出走馬の中でナンバーワンの数字だ。
おそらく人気はこのレースを連覇しているアルバートにいくらか譲ることになるだろう。ただこれまでの戦績ではまったく引けを取っておらず、むしろ天皇賞(春)での連対経験がある分、こちらが上だろう。
また重賞5勝も3歳時から7歳となった今年までにまたがっており、息の長い馬であると同時に能力の衰えも感じられない。
地力の差で他馬を蹴散らすシーンが今回も見られるだろうか。
期待② 別定戦57キロでの出走
今回は57キロでの出走となるのはプラス材料だ。
2015年のダイヤモンドステークス以降、国内では昨年のジャパンカップと前走以外はすべて58キロ以上の斤量を背負っている。もうベテランの同馬にとっては重い斤量も慣れたものかもしれないが、馬格もさほどなく斤量が軽いに越したことはない。
ハンデ戦ではなくフラットな条件であることも実力馬にとってはうれしい設定だ。力を出せる条件は揃っている。
不安① タイトルは府中に集中、中山は??
5つある重賞タイトルのうち4つは府中での勝利。
中山でのタイトルとなると約5年前の京成杯まで遡らなければならない。しかもそれ以降の中山での戦績は5戦未勝利で3着がわずかに1回である。
中山での出走自体が約3年ぶりでサンプルが少ないが、ゴールドシップを追い詰めた春の天皇賞(京都)での走りも物語るように広いコースのほうが向くことは確かだ。
久々の小回りコースに適応できなければ上位への進出は難しい。
不安② ボウマンがどう乗るか
ボウマンは去年の春の天皇賞でこの馬に騎乗し、その時は見せ場なく8着に沈んだ。
この時は上がり3Fでメンバー中2位の脚を使ったものの、時すでに遅し。惜しいと思わせるシーンすらなかった。流れにうまく乗れていればもう少し上位をうかがえた可能性も高い。
しっかり溜めないと直線伸びないが、スパっとキレるわけでもないフェイムゲームは決して乗り易い馬ではない。
当面のライバルであるアルバート陣営は人馬一体だが、2度目のボウマンはしっかり乗りこなせるだろうか。
まとめ
実力上位のフェイムゲームが力を出し切れば上位に食い込むことはそう難しくないだろう。アルバートとの一騎打ちにも期待が高まる。
小回り中山競馬場を2周するスタミナ比べ。フェイムゲームは「初登場第1位」を獲得出来るだろうか。
文=櫻井秀幸