2018年9月29日、阪神競馬場でシリウスステークス(GⅢ/ダート2000m)が行われる。シリウスステークス過去10年を見ていくと、三連単の高額配当は去年2017年の468,950円が最高だが、10万円以上になったのはこの1回だけ。一方で1万円以下で終わったケースは2回あり、去年だけ大荒れで後は平均的といったところか。
単勝オッズは2014年の300円が最低で、最高は2017年の7420円となっているが、こちらも去年を除けば比較的平穏と言える。チラホラと人気薄が絡む程度で、基本的には上位人気馬で決まることが多い。ただ1番人気も鉄板の信頼度ではない。伏兵でも勝利の可能性は十分に考えられる。
ややメンバーは手薄で実力馬がいる状況なので、傾向から見れば堅く決まるかもしれない。ただ、その中でも人気の盲点になった馬を探しておきたい。
目次
データ① 芝での経験が活かされる?
初芝でいきなりシリウスステークスを制したのは、2009年にあのブエナビスタを倒して札幌記念を制覇したヤマニンキングリーだった。初ダートで勝つケースは下級条件で時折あるが、初芝はなかなかない。しかも重賞でそれをやってのけたのだから立派だが、実は穴を開けた馬の中には初芝や元々芝で実績のあった馬が多い。
例えば2008年4番人気3着、2009年8番人気2着のダークメッセージは日経新春杯2着などがあったが、これまで1回しかダート挑戦がなく、シリウスステークスは久しぶりのダート戦だが結果を出した。2014年7番人気3着のトウシンイーグルは2走前に初ダートでいきなり結果を出し、シリウスステークスでも好走を果たした。
この中ではウェスタールンドが該当する。ウェスタールンドはデビューからして芝を使い、青葉賞にも出たことがある。ダートに転向したのは今年の6月だが、1000万条件と準オープンを連勝した。勝ち方も素晴らしく、ダート適性が高い可能性は大きい。いきなりのオープンでどうかだが、軽視するのはもったいない。
データ② キンシャサノキセキ産駒で一発狙い
阪神2000メートルの実績のある種牡馬を見ていくと単勝回収率で実績を残すがキンシャサノキセキ産駒だ。キンシャサノキセキといえば高松宮記念連覇などスプリント重賞で無類の強さを誇った。高松宮記念に勝利して引退という華々しいラストを飾るなど種牡馬としての将来が期待されていた。今のところは2歳重賞での実績が多いが、実は芝よりもダートの方が勝ち鞍が多いというのは意外と知られていない。
今回キンシャサノキセキ産駒は何頭かいるが、ここではヒラボクラターシュを推したい。ここまですべて1800メートルのレースを使われてきたが、レパードステークスで2着、ラジオ日本賞で1着と結果を見せている。常に前目で競馬ができるのはシリウスステークスでは非常にいい。距離延長がどうかだが、血統的には申し分ない。斤量もよく、人気もそこまで上がらない。ここは一発あっても不思議ではない。
データ③ 元々は実績のある馬
2017年に単勝74.2倍で1着という大穴を開けたメイショウスミトモだが、実績は十分にあった馬である。2016年にはオープン特別の阿蘇ステークスとラジオ日本賞を連勝している。たまたま2017年は凡走が続いたことでオッズが下がったわけだが、元々は実績があり、オープン特別で連勝するような馬だった。ダート2000メートルは地方では当たり前だが、中央ではほとんどない。だからこそ、層が薄くなり実績馬ならいくらでも巻き返せる。
そうなるとここはカゼノコか。カゼノコといえば南関東三冠の夢に燃えていたハッピースプリントを最後の最後で交わしてジャパンダートダービーを制覇した。追い込み脚質が仇となることが多いが、ハマるとえげつない。ハマり出すのは重馬場や不良馬場だが、週末の阪神競馬場は雨予報となっている。うまくいけばカゼノコ向きの馬場となりそうだ。元々川崎記念でもホッコータルマエの2着がある。この時も重馬場だった。
まとめ
ウェスタールンド、ヒラボクラターシュ、カゼノコの3頭がいるが、どの馬も当たれば大きい。可能性に賭けるか、若さに賭けるか、それとも実績に賭けるか。どれに賭けるかはまさにその人の競馬観が問われるところだろう。確かに上位の力量は抜けてるかもしれない。しかし、この3頭もまた可能性は十分にある。どうにも秋競馬の前哨戦は堅く決まりがちだが、ここから嵐を起こしたい。