2018年4月15日、中山競馬場で皐月賞(GⅠ/芝2000m)が行われる。ワグネリアン、ステルヴィオ、オウケンムーン、ジャンダルム、キタノコマンドール、エポカドーロ、ジェネラーレウーノ、タイムフライヤーらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
今回は出走各馬の調教にフォーカスしていく。どんなに能力の高い馬であっても、出走した時の状態が良くなければ100パーセントのパフォーマンスを発揮することは難しい。仮に有力馬の状態が100%でないなら、多少実力が劣る馬であっても台頭してくる可能性は十分に考えられる。特に重賞の場合、各馬の実力が拮抗している。このため、状態一つで着順が入れ替わることは珍しくない。
陣営にとっては「いかにいい状態で出走させられるか」が、馬券を買うファンにとっては「いかに状態を見極められるか」がレースのカギを握ってくるのだ。
今週には最終追い切りが美浦、栗東の東西トレーニングセンターで行われた。これを受けて、体調や仕上がり具合を一週前の調教と最終追い切りから考察していく。
目次
最終追いきり診断
今回は上位人気が予想される馬を中心に見ていくことにしよう。
ワグネリアン・牡3歳(栗東・友道厩舎)
評価B+
4月5日1週前追い切り栗東CWコース(良)
6F87秒1ー71秒0ー54秒3ー39秒3ー11秒4
福永騎手が跨がって皐月賞に出走予定のジュンヴァルロ(3歳オープン)との2頭併せ。馬なりで終いだけの調整たが、ラスト1Fの動きだけならば文句なし。ただ、全体時計は平凡すぎて物足りなく感じる。トップギアに入ったときのスピードはやはり大物感を抱かせるものがある。
4月11日最終追い切り栗東CWコース(良)
6F86秒1ー69秒2ー53秒8ー40秒0ー13秒0
1週前が併せ馬だったため、最終追い切りは単走馬なりでの調整。折り合いに課題が残るためにテンションを上げないような追い切りだが騎乗した福永騎手がうまくコントロールしているようだ。前走時のような気の悪さを見せなければ、上位争いの有力候補に十分になり得る仕上がり。
ジャンダルム・牡3歳(栗東・池江厩舎)
評価A+
4月4日1週前追い切り栗東CWコース(良)
6F82秒3ー67秒0ー51秒8ー37秒3ー11秒6
水口騎手騎乗で3歳未勝利馬との2頭併せ、外から捉えに行って強めに追われ3馬身ほど先着。1週前追い切りの時計にしては上々のタイム。先週の追い切りでも6F82秒0、ラスト1F11秒4と速いタイムが出ており、前走からの上積みも大きそう。
4月11日最終追い切り栗東CWコース(良)
4F52秒9ー38秒3ー11秒4
武豊騎手が乗って一杯に追われるサトノシャーク(4歳上1000万下)を追いかけて2頭併せでの最終追い切り。ゴーサインが出ると反応良く加速して2馬身近く引き離してフィニッシュ。馬なりではなかなか出ない破格の時計をマークしている。ゆったりした流れでも折り合いに苦労するところは全く見せず前走以上の仕上がりで出走出来そう。
キタノコマンドール・牡3歳(栗東・池江厩舎)
評価A-
4月5日1週前追い切り栗東CWコース(良)
6F84秒5ー68秒4ー53秒3ー39秒7ー11秒8
水口騎手騎乗で未勝利馬との2頭併せ外側を通って強めに追って1馬身先着。強めに追っての全体タイムはもの足りないが、ラスト1Fは好時計をマーク。しっかりと調整出来ていて体調は良さそう。
4月11日最終追い切り栗東CWコース(良)
4F54秒2ー39秒5ー12秒2
M・デムーロが騎乗して先行するスヴァルナ(3歳未勝利)を追走して半馬身遅れ。1週前追い切りが強めに追われているため、最終追い切りは4Fを手綱を持ったままの馬なりでの軽い調整となった。しっかりと折り合っての素軽い余力のある動きには好感が持てる。
オウケンムーン・牡3歳(美浦・国枝厩舎)
評価B+
4月4日1週前追い切り美浦南Wコース(良)
6F81秒4ー66秒2ー52秒2ー38秒4ー13秒0
古馬2頭を1.8秒差先行させての併せ、最内を強めに追われて1頭にはハナ差遅れ、もう1頭にはクビ差先着。最内を通っているので全体時計は速いが、上がり1Fが13秒0は掛かりすぎ。調子は悪くないがまだ仕上がり途上のような雰囲気もある。
4月11日最終追い切り美浦南Wコース(良)
6F85秒3ー69秒2ー53秒9ー39秒11ー12秒6
北村宏騎手を背にしてピラータ(3歳未勝利)、ナイトジュレップ(3歳未勝利)との馬なりでの3頭併せ。標準以上の時計を出して3頭同時にフィニッシュ。馬込みでは少し怯むところを見せるなど、まだまだ幼い面が残るが調教ではゆったりとリラックスして走っている。
ステルヴィオ・牡3歳(美浦・木村厩舎)
評価A
4月4日1週前追い切り美浦南Wコース(良)
ラスト1F13秒1のみ計測。全体時計は濃霧のため計測不能、古馬との2頭併せで同時ゴール。少し時計が掛かっているがゴール時の手応えは僚馬よりは良さそうだった。
4月11日最終追い切り美浦南Wコース(良)
4F53秒7ー38秒7ー12秒8
2馬身先行するアーチキング(4歳上1000万下)を馬なりで追走して頭差抜け出して先着した。ゴール後も気を抜かせず十分な負荷をかけ、中3日とは思えない動きを見せた。馬体を沈めて加速するフォームは非常にスピード感があり、前走よりも迫力ある走りに見えた。