なぜサトノアラジンは安田記念を勝てたのか?6歳で花開いた理由

6月4日に東京競馬場で行われた春のマイル王決定戦・安田記念(GI/芝1600m)で、7番人気のディープインパクト産駒サトノアラジン(牡6)が優勝し、GI初制覇を果たした。

サトノアラジンの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。


目次

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

ディープインパクト
マジックストーム
母の父StormCat
母の母FoppyDancer
性別
馬齢6 歳
生年月日2011年2月16日
毛色鹿毛
馬主里見治
調教師池江泰寿(栗東)
生産牧場ノーザンファーム
産地安平町
馬名意味冠名+人名より

血統評価は?

サトノアラジンは父ディープインパクト、母マジックストーム、その父ストームキャットという血統だ。エリザベス女王杯の覇者ラキシスの全弟としても知られている。

ディープインパクト×ストームキャットの配合は活躍馬を何頭も輩出している。現在、最も注目されている“黄金配合”の一つだ。

この配合の重賞ウィナーを見ていくと……

馬名レース名着順
サトノアラジンスワンSG2
サトノアラジン京王杯スG2
エイシンヒカリ毎日王冠G2
エイシンヒカリエプソムG3
ラキシス産経大阪G2
リアルスティール共同通信G3
ラキシスエリザベG1
キズナ産経大阪G2
キズナ東京優駿G1
キズナ京都新聞G2
ヒラボクディープ青葉賞G2
アユサン桜花賞G1
キズナ毎日杯G3

集計期間:2013. 3.23 ~ 2016.10.29

キズナやエイシンヒカリといったディープインパクトの代表産駒が名を連ねている。

もともとサトノアラジンも2歳の時から注目を集める馬だった。しかし、3歳春のクラシックに間に合わなかった。そして迎えた菊花賞では出走にこぎつけたものの、不利を受けて6着。不本意なままクラシックシーズンを終えた。

古馬になってから本格化して重賞ウィナーとなったが、なかなかGIには手が届かず、6歳にまでなってしまった。長らく期待されていた馬だけに、関係者の喜びもひとしおだろう。

もっとも、血統的には“遅すぎる”というわけではない。

全姉のラキシスも春のクラシックには間に合わず、秋にようやく力をつけたタイプだった。初重賞も古馬になってから。一般的に牡馬より牝馬のほうが成長が早いと言われているだけに、サトノアラジンが姉よりGIを勝つのに時間がかかったことはむしろ自然の成り行きと言える。

6歳馬ながらキャリア24戦と比較的消耗度は低いだけに、もう少しの間は活躍を期待できるのではないか。

次走は?

安田記念を制したことで、まずは休養に入る見込みとなっている。昨年はスワンステークスからマイルチャンピオンシップへ挑んだが、マイルGI春秋連覇を目指して同様のローテーションを組む可能性は十分に考えられる。

また、2年連続で海外遠征を行っている経緯を考えると、今年も暮れは香港で過ごすことになるかもしれない。

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