2018年4月1日、阪神競馬場で大阪杯(GI/芝2000m)が行われる。サトノダイヤモンド、スワーヴリチャード、シュヴァルグラン、アルアイン、ウインブライトらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
ペルシアンナイトは昨年のマイルチャンピオンシップでGⅠ初制覇。マイル王として迎えた4歳初戦の中山記念は、1番人気に支持されながら5着と敗れたが、叩き2戦目で巻き返しを期す。
皐月賞2着の実績もあり、芝2000mでも好勝負が期待されるが不安もある。ウィークポイントについて言及ししていく。
目次
ポイント① 距離延長
デビューからマイルを中心に使われ、マイルチャンピオンシップ、アーリントンCと重賞2勝はともに芝1600m。2000m以上のレースに出走したのは、皐月賞とダービーの2戦のみだ。
皐月賞でクビ差の2着と好走しているが、当時は速いタイムが出るスピード寄りの馬場状態で、内めをロスなく回ったM・デムーロ騎手の好騎乗もあった。3歳春の時点ではポテンシャルの高さで距離適性をカバーしたが、中距離の古馬一線級が相手となれば話は大きく変わってくる。
母オリエントチャームは全4勝が1800m以下で、2000m以上は5戦して3着が最高だった。母のきょうだいを見ても、のちに種牡馬としても成功したゴールドアリュール(父サンデーサイレンス)は圧倒的な能力の高さで2000mまでこなしたが、芝・ダートを問わず活躍したゴールスキー(父ネオユニヴァース)は根岸Sを含む全8勝が1800m以下。全6勝を挙げたニルヴァーナ(父サンデーサイレンス)は芝1600mで準OPを勝ち、唯一のオープン勝ちは芝1800mだった。近親も1600~1800mでの活躍が目立つだけに、やはり2000mの距離がカギになる。
ポイント② 展開と馬場状態
もともとスタートに課題があり、最近は安定していたものの、前走は出遅れが致命傷となった。それほど器用なタイプでもないだけに、後方からの競馬になってしまうことが多いのがネックだ。
マイルチャンピオンシップは、馬群がバラけやすい京都外回りで稍重だったこともあって、大きく外に広がった馬群の間を縫って後方から差し切った。しかし今回は、馬群がバラけにくい阪神内回りが舞台。同じような競馬を望むのは難しそうで、差し脚を生かす形だと3~4コーナーから直線で外を回される展開になる可能性が高い。
さらに、先週までのレースを見る限り、阪神芝は内回り、外回りを問わず先行有利の馬場状態。傾向が変わらないようなら、後方から競馬をする馬は厳しい戦いを強いられるかも知れない。
ポイント③ ハービンジャー産駒の古馬成績
昨秋にディアドラが秋華賞、モズカッチャンがエリザベス女王杯、ペルシアンナイトがマイルチャンピオンシップと産駒がGⅠを3勝し、種牡馬としてブレイクしたハービンジャー。同産駒はこれまでに重賞を10勝しているが、全てが2~3歳時にマークしたもの。4歳以上は【0・5・2・28】と未勝利だ。
先週も、毎日杯でブラストワンピースが1番人気に応えながら、直後に行われた日経賞では2番人気に推されたトーセンバジルが5着と、3歳馬と古馬で明暗が分かれた。
前述のGⅠ馬3頭も4歳になって、ペルシアンナイトが中山記念で5着に敗れ、京都記念でモズカッチャンが4着(2番人気)、ディアドラが6着(6番人気)と、結果が出ていない。
父自身は4歳時に本格化して4連勝で英GⅠ・キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを制しただけに、早熟型ということはないはずだが、ここまでの産駒成績を見る限り古馬になると積極的には手を出しづらい。
まとめ
マイル王としてさらなる飛躍を目指すペルシアンナイト。2000mの距離を克服し、新たなビッグタイトルを掴むことができるか。