桜花賞2018の最終追い切り分析…ラッキーライラックらの調教評価は?

2018年4月1日、阪神競馬場で大阪杯(GⅠ/芝2000m)が行われる。アルアイン、スワーヴリチャード、サトノダイヤモンド、シュヴァルグラン、ミッキースワロー、ダンビュライト、ペルシアンナイトらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

今回は出走各馬の調教にフォーカスしていく。どんなに能力の高い馬であっても、出走した時の状態が良くなければ100パーセントのパフォーマンスを発揮することは難しい。仮に有力馬の状態が100%でないなら、多少実力が劣る馬であっても台頭してくる可能性は十分に考えられる。特に重賞の場合、各馬の実力が拮抗している。このため、状態一つで着順が入れ替わることは珍しくない。

陣営にとっては「いかにいい状態で出走させられるか」が、馬券を買うファンにとっては「いかに状態を見極められるか」がレースのカギを握ってくるのだ。

今週には最終追い切りが美浦、栗東の東西トレーニングセンターで行われた。これを受けて、体調や仕上がり具合を一週前の調教と最終追い切りから考察していく。


目次

最終追いきり診断

今回は上位人気が予想される馬を中心に見ていくことにしよう。

ラッキーライラック・牝3歳(栗東・松永厩舎)

評価A+

3月28日1週前追い切り栗東CWコース (良)

6F82秒7―66秒5―51秒9―38秒3―11秒6

調教助手騎乗で最後の一追いのみ強めでの調整。ウォルビスベイ(3歳500万下)を1.8秒差追い掛けて半馬身先着。時計も優秀で1週前の仕上がり具合としては全く問題なく、動きも無駄なくほぼ完璧といえる内容。

4月4日最終追い切り栗東CWコース(良)

6F84秒6―67秒1―52秒3―38秒2―11秒6

フェルメッツァ(4歳上オープン)を0.4秒差追走し、直線で内に入って余裕を持って0.1秒先着。道中はやや手綱を引き気味で折り合いに専念しているように見えた。ゴーサインを出すと古馬オープン相手にあっさりと追い付いて楽な手応えのまま追い抜いていった。タイムも優秀で文句のつけようがない。冬毛も抜けて毛づやもよく500㎏もある馬体はより大きく見せている。

アーモンドアイ・牝3歳(美浦・国枝厩舎)

評価A-

3月28日1週前追い切り美浦南Wコース (良)

靄のためタイム計測できず。ダノングレース(3歳500万下),オウケンムーン(3歳オープン)と3頭併せ、馬なりのまま1馬身半先着した。細かい動きは見えなかったが、先着するからにはそれなりに仕上がってきていると判断はできる。

4月4日最終追い切り

1週前追い切り同様、濃霧のため計測不能、動きの確認もできず。調整助手の話では先行するマンハイム(4歳上500万下),ノチェブランカ(3歳未勝利)を追いかけて内に入り込むと約2馬身突き放したそうだ。馬体の雰囲気や仕上がり具合は当日のパドックと返し馬、馬体重で判断するしかない。

リリーノーブル・牝3歳(栗東・藤岡厩舎)

評価A

3月28日1週前追い切り栗東坂路(良)

4F52秒3―38秒1―24秒4―12秒1

調教助手を背にして一杯に追われての調整、坂路でのベストタイムを更新した。ここまで負荷を掛けれるので体調は相当に上向き、絶好調といえる状態。

4月4日最終追い切り栗東CWコース(良)

6F84秒4―66秒9―51秒3―37秒0―11秒3

本番でも騎乗予定の川田騎手を背にして単走強めの追い切りで調整。力強いが軽快な動きで加速しており落ち着きもある。スタートはゆっくりでて徐々に加速する走りで、課題になっている頭の位置も改善しつつあるようだ。リラックスして走れており体調は万全。当日テンションが上がらず落ち着きがあれば力を出しきることも出来そうだ。

マウレア・牝3歳(美浦・手塚厩舎)

評価A

3月29日1週前追い切り栗東CWコース(良)

6F82秒4―66秒4―51秒2―37秒7―11秒7

関東所属ながら現在は栗東に滞在中。嶋田騎手騎乗でヤングマンパワー(4歳上オープン)を1.0秒以上追走して強めに気合いを付けて1馬身先着、好タイムを記録。前走がピークかとも思ったが、まだまだ上向いているよう。毛づやも良く、気合いを入れてからの加速も抜群の反応を見せている。

4月5日最終追い切り栗東CWコース(良)

6F81秒4―66秒1―51秒8―38秒0―12秒0

一週前同様、ヤングマンパワー(4歳上オープン)と併せ馬。武豊騎手が跨がって3馬身先行したヤングマンパワーを追い掛けて内に入り込むとしぶとく粘り、半馬身先着してフィニッシュ。カリカリとした落ち着きのない様子は全く見せず、しっかりと折り合った状態で追走して、徐々に加速すると格上の古馬オープンに並びかけて本番さながらの追い比べとなった。合格点の時計も出ており栗東での調整はうまくいっている。

リバティハイツ・牝3歳(栗東・高野厩舎)

評価A

3月28日1週前追い切り栗東坂路(良)

4F53秒5―39秒4―26秒2―12秒9

2頭併せラスト1Fは気合いを付けての強め調整、1馬身半先着してフィニッシュ。タイムは前走の調整時と変わらない時計が出ているので前走並みの体調は維持出来ていそう。走りそうな雰囲気を持っている馬で、軽く気合いを入れると一瞬でトップギアに入る反応の良さを見せている。

4月4日最終追い切り栗東坂路(良)

4F54秒2―39秒4―25秒5―12秒0

単走で北村友騎手が跨がって二本追い。一本目はほぐす程度の73秒4でゆったりと駆け上がり、二本目は前半は折り合いを付けてじっくりとためる形で走り、ラスト1Fでの鞍上のゴーサインに応えて末脚を爆発させ12秒0でフィニッシュ。ゴーサインには機敏に反応、脚捌きもスムーズで前走の疲れは微塵も感じさせない。

まとめ

最終追い切りが行われた4日、美浦トレセンは深い霧におおわれて走っている馬を確認することができないアクシデントがあったものの、全体的には順調な仕上がり具合に見える。調教の動きを見る限りでは人気上位馬だけでの決着も十分に考えられそうだ。

おすすめの記事