2021年1月10日、中京競馬場で日経新春杯(GⅡ/芝2200m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるアドマイヤビルゴ、ヴェロックス、サンレイポケット、クラージュゲリエ、ダイワキャグニーらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
今年は中京開催のため、去年の神戸新聞杯の結果を参考にしていく。
目次
日経新春杯の人気馬成績
京都開催だった過去10年のデータを見ると、1番人気は4勝、2着は3回、3着は1回。1倍台は素直に信用し、2倍台も着外がない。人気馬は来やすいことを意味している。
テイエムプリキュアの逃げ切りという大穴も今は昔、人気薄が2着以上に飛び込む可能性は減り、まして中京開催となると話は大きく変わりそうだ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 神戸新聞杯の傾向からわかること
2200メートルの重賞は去年の神戸新聞杯が初でオープン特別すらこれまでなかった。その神戸新聞杯はさすがにコントレイルが完勝だったが、ロバートソンキーが大穴を開けている。
そのロバートソンキーは左回りで結果を出していた。あとは35秒台の上がりで十分後方から届いていた。ちなみに3勝クラスのムーンライトハンデで勝ったアドマイヤビルゴは上がりタイムこそいいが、勝ちタイムは神戸新聞杯から3秒も遅い。
結局のところ、前半が流れるかどうかにかかっている。どうしても前に行きたい馬がいないため、35秒台の脚比べのような展開になってしまうかもしれない。
予想参考データ② ハンデや斤量から見えること
ハンデGⅡの傾向なのかもしれないが、斤量減の馬が強く、2キロ台の減少だった馬が6勝挙げている。斤量増だと1キロ台の増加がおすすめだ。
斤量別では、55キロ、52キロ、あとは54キロと56キロ、56.5キロと58.5キロが1勝ずつ。55キロが4勝を挙げているので、57キロから55キロが激熱かもしれない。
あくまでも京都開催の日経新春杯のデータではあるが、これを当てはめると実はミスマンマミーアだけが2キロ減。アドマイヤビルゴは2キロ増でこれは微妙。
予想参考データ③ それぞれの馬の前走レベル
アドマイヤビルゴとクラージュゲリエの前走はアンドロメダステークスだが、過去の勝ちタイムを見ても十分な結果である。武豊騎手が乗れば4戦全勝、中京2200で勝っているのもプラスだろう。クラージュゲリエの場合はクラシック戦線で健闘していた馬だったが、世代が全体的にパッとしないとなるとあまり強調はできないか。
ヴェロックスの前走は中日新聞杯だったが、ここ4年では一番遅い勝ちタイム。前走は位置取りの差だったが、位置取りの差で負けるようなレベルということが言える。
サンレイポケットはアルゼンチン共和国杯に出ていたが、こちらはまずまずの勝ちタイム。ただし、1800メートルから2500メートルの距離延長は乱暴だったか。それでもコンマ4秒差で収めたのだから、ここでもやれる素質はある。
ダイワキャグニーはトップハンデで、天皇賞秋以来だが一線級との大きな壁を感じる。ここには一線級はいないし、非根幹距離に強い。2200メートルは初だが、やれても不思議ではない。
2021年の危険な人気馬は?
クラージュゲリエは人気になる見込みだが、5歳世代は存在感を出せておらず、フィエールマンもサートゥルナーリアもあっさり引退してしまった。全体的にパッとしないとなると、ここで大立ち回りをやれるとは思えない。日経新春杯の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ヴェロックスは3つ目の消しデータに合致している。前走が休み明けとはいえ、力負けな印象すらあった。それでも人気になるとなれば、過大評価といえる。
反対にサンレイポケットは危険なデータに一つも当てはまらない。アルゼンチン共和国杯からの距離短縮で、ここも55キロで乗れるのは大きい。重賞で十分健闘しており、この条件は合っている可能性が高い。はっきり言って不安は鞍上だが、ここ最近はサンレイポケットでしか色気を見せられるケースがなく、ここも狙ってくるはずだ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、サンレイポケットと言えそうだ。