2020年5月10日、東京競馬場でNHKマイルカップ(GⅠ/芝1600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるサクセッション、サトノインプレッサ、タイセイビジョン、ルフトシュトローム、レシステンシアらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
NHKマイルカップの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は5勝、2着はなし、3着もなし。1倍台後半、2倍台、3倍台、いずれも1着か着外か。きれいに分かれている。
狙い目は4倍台から6倍台まで。このゾーンの信頼度は非常に高い。伏兵馬も飛び込みやすいので、取捨選択は重要だ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① トライアル組の取捨選択
前走NZT組(4- 1- 3-51)
勝率 6.8% │ 複勝率 13.6%
前走アーリントンカップ組(1- 0- 2-10)
勝率 7.7% │ 複勝率 23.1%
過去10年で4勝のニュージーランドトロフィー組だが、頭数の兼ね合いもあり、数字的にはそこまで強調はできない。アーリントンカップよりも劣っている。
ニュージーランドトロフィー組は、基本的に3着以内に入った馬、コンマ3秒負けまでだが、1着だった馬がここでも勝つケースはカレンブラックヒルのみで、1番人気1着、コンマ4秒差の完勝レベルが必要。
着外からの巻き返しはいずれも4番人気だった馬。中にはレインボーラインやリアルインパクトといったGⅠ勝ちを後に経験する馬もいる。
一方、アーリントンカップ組は、3着以内が必須。コンマ2秒の負けまでが水準となる。ここ数年はどちらかの組が何かしら来ているが果たして。
予想参考データ② 前走クラシック組の取捨選択
皐月賞組も桜花賞組もマイルという距離に魅力を感じ、クラシック戦線から離脱してこちらへ進んでくるケースが多い。
分がいいのは断然皐月賞で、桜花賞よりも複勝率はいい。前走の人気や着順は不問で、オープン勝ちや重賞の好走歴があれば意外とどうにかなる。
桜花賞組はコンマ4秒の負けまで。皐月賞組も桜花賞組もそれぞれ1頭ずつがエントリーしており、どちらも基準は満たしている。レシステンシアの場合、前走のダメージがどうか。
予想参考データ③ 派手な末脚で後方一気も
東京のマイルは逃げに厳しい、そんな時代はどこへやら、2012年のカレンブラックヒルを始め、過去10年で3勝を挙げている。
ただここで注目したいのは4コーナーで10番手あたりから後ろでも十分馬券圏内に入りやすく、必ず1頭は3着以内に入っているという現実。33秒台前半なら問題はない。
注意したいのは、今週日曜は天気が崩れやすいという予報が出ていること。1分32秒台の決着になるか、雨を含んでやや遅くなるか、当日そのあたりはチェックしておきたい。
2020年の危険な人気馬は?
ルフトシュトロームは人気になる見込みだが、中山で3戦3連勝で、初の左回り。レーン騎手への乗り替わりは魅力だが、騎手人気が想定される。そこまで信頼できるかは微妙だ。NHKマイルカップの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、サクセッションは3つ目の消しデータに合致している。皐月賞をパスして最初からここを選んだが、近年のクラシックのトライアルはそこまでレベルが高いわけではなく、スプリングステークス3着でもどうか。派手さがなく、堅実ではあるんだろうが、イメージはわかない。
反対にレシステンシアは危険なデータに一つも当てはまらない。かなりの重馬場だった桜花賞は勝ち馬を褒めるべきレースで、この馬は十分やれた。ダメージが心配だが、前走より内に入って前目で先行できるようなら、どうにかなりそうだ。時計の速さは申し分ない。本来はもっと人気がしてもいいぐらいだ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのは、レシステンシアと言えそうだ。