NHKマイルカップ2018の最終追い切り分析…タワーオブロンドンらの調教評価は?

2018年5月6日、東京競馬場でNHKマイルカップ(GⅠ/芝1600m)が行われる。ギベオン、タワーオブロンドン、ケイアイノーテック、テトラドラクマ、カツジ、プリモシーン、ミスターメロディ、ルーカスらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

今回は出走各馬の調教にフォーカスしていく。どんなに能力の高い馬であっても、出走した時の状態が良くなければ100パーセントのパフォーマンスを発揮することは難しい。仮に有力馬の状態が100%でないなら、多少実力が劣る馬であっても台頭してくる可能性は十分に考えられる。特に重賞の場合、各馬の実力が拮抗している。このため、状態一つで着順が入れ替わることは珍しくない。

陣営にとっては「いかにいい状態で出走させられるか」が、馬券を買うファンにとっては「いかに状態を見極められるか」がレースのカギを握ってくるのだ。

今週には最終追い切りが美浦、栗東の東西トレーニングセンターで行われた。これを受けて、体調や仕上がり具合を一週前の調教と最終追い切りから考察していく。


目次

最終追いきり診断

今回は上位人気が予想される馬を中心に見ていくことにしよう。

カツジ・牡3歳(ディープインパクト:栗東・池添厩舎)

評価A

4月26日一週前追い切り栗東坂路(重)

4F52秒6―38秒2―24秒8―12秒1

松山騎手騎乗、単走でラスト1F一杯に追われる。重馬場発表だが時計はそこそこ出ていて、脚捌きも軽く好調をキープ。

5月2日最終追い切り栗東CWコース(良)

6F83秒6―66秒9―51秒4―37秒8―11秒9

単走馬なりの追い切りを松山騎手を背にして行った。途中はゆったりと歩様を確かめる様に走らせ、最後だけ気合いをつけてタイムを出しにいった。一週前が坂路で負荷をかけての追い切りだったため、最終は体調確認程度で終わらせている。軽めの動きだが機敏で仕上がり具合は万全に見える。

ギベオン・牡3歳(ディープインパクト:栗東・藤原厩舎)

評価A-

4月25日一週前追い切り栗東CWコース(不)

6F82秒5―67秒1―54秒4―39秒7―12秒0

デムーロ騎手が騎乗、フランドル(4歳上500万下)と併せ馬で一杯に追われる。馬場の外目を通って直線3馬身追走、1馬身先着する素軽い動きを見せる。かなりの負荷をかけているが、馬はしっかり走れている。

5月2日最終追い切り栗東芝コース(良)

5F68秒4―52秒2―37秒6―11秒8

最終は岡田騎手が騎乗して単走馬なり。一週前に長めを一杯に併せたために今週は軽く流して終了。気楽に走らせ過ぎてスピード感には欠けているが仕上がりは良さそう。

タワーオブロンドン牡3歳(Raven’s Pass:美浦・藤沢厩舎)

評価B+

4月29日一週前追い切り美浦南坂路(良)

4F53秒8―39秒4―26秒3―13秒3

前走のアーリントンCから中2週のため坂路で馬なり、かなり軽めの調整。ルメール騎手が騎乗したが追うそぶりは見せなかった。前走が仕上がり途上に見えたので今回は上積みも十分有りそう。

5月2日最終追い切り美浦坂路(良)

4F53秒0―38秒0―24秒6―12秒0

今週は杉原騎手が騎乗して併せ馬で調整、アルトリウス(4歳上1000万下)を10馬身差ほど馬なりで追走して併入した。レース間隔が詰まっているため強い追い切りはしていないが、迫力ある動きで前走なみの出来はキープされている。自分から走る気を見せているのは良いが、本番で力む可能性があることには注意が必要。

テトラドラクマ・牝3歳(ルーラーシップ:美浦・小西厩舎)

評価B+

4月25日一週前追い切り美浦南坂路(不)

4F54秒7―39秒6―25秒6―12秒2

桜花賞をパスして短期放牧明け、外厩でも乗り込まれているはずだが、田辺騎手が乗っての馬なりでの調整。時計は標準以上だがもう少し力強さが欲しい。

5月2日最終追い切り美浦坂路(良)

4F52秒6―38秒1―24秒7―12秒1

田辺騎手が乗って先行したフクサンローズ(4歳上1000万下)を馬なりで追いかけ、最後まで田辺騎手が手綱を動かすことなく併入。3ヶ月程度の休み明けになるが動きに切れがあり、休み明けの雰囲気はない。ただ、もともとテンションが上がりやすいため注意は必要だが、力みさえしなければ能力は発揮できそう。

パクスアメリカーナ・牡3歳(クロフネ:栗東・中内田厩舎)

評価A-

4月29日一週前追い切り栗東CWコース(良)

5F71秒4―53秒9―37秒9―11秒4

川田騎手が跨がってサナコ(3歳未勝利)を0.4秒先行して直線かなり強めに追って粘ったものの、ゴールでは半馬身程度遅れた。ただ動き自体は悪くなく歩様に堅さもない。

5月2日最終追い切り栗東芝コース(良)

5F68秒6―53秒0―38秒1―11秒9

開門直後に川田騎手を背にして、単走馬なりだが脚を良く伸ばして、豪快なスライドで好タイムをマーク。中間もしっかりと負荷をかけた乗り込みを行っており調子は良さそう。

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