2021年1月31日、東京競馬場で根岸ステークス(GⅢ/ダート1400m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるレッドルゼル、タイムフライヤー、アルクトス、テイエムサウスダン、ステルヴィオらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にする。
目次
根岸ステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着は3回、3着はなし。2倍台の成績は微妙だが、3倍台は複勝率パーフェクト。少し信用されていないぐらいがちょうどいいのか。
チラホラと穴馬もやってきており、取捨選択はしておきたいところ。特に初ダートの馬の取り扱いは重要である。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前走チャンピオンズカップ組の取捨選択
前走チャンピオンズカップ組(2- 1- 2-7)
勝率 16.7% │ 複勝率 41.7%
距離短縮か距離延長か、1400メートルのレースでは常に注目されるが、少なくともこのレースでは距離短縮優勢、距離延長はカペラステークス組だけ。
その中で面白いのがチャンピオンズカップ組。結構絡む機会が多いが、1秒以内の負けがポイントだ。前走の人気は不問。
タイムフライヤー、アルクトスは共に1秒負け。傾向から微妙に外れている。レッドルゼルがカペラステークス2着で条件を満たしていることを思うと、少し怖いか。
予想参考データ② 初ダート馬で大事なのは母親の血統
根岸ステークスはフェブラリーステークスに向けた試金石になりやすいが、ここが初ダートの馬からしても、ダートで通用するかどうか大事な局面になる。
去年モズアスコットが勝ったが、この馬の母親はアメリカのダート重賞で2勝している。いずれも8.5ハロン、1700メートルでの勝利だったが、7ハロンの重賞でも結果を出していた。母親の血統は確認すべきだろう。
今回ステルヴィオが初ダートだが、母ラルケットは芝1400メートルから1800メートルまでで勝っているぐらいで、ダート経験はない。ただ半兄ボルケーゼは東京ダート1400メートルで勝っている。血統的にダートが合わないことはない。あとは大外枠がどうか。
予想参考データ③ 人気馬たちの前走レベル
レッドルゼルの前走はカペラステークスだが、タイム的にはまずまず。ジャスティンより斤量が2キロ軽い中でクビ差2着は完敗といえば完敗だが、前が残りやすい状況なら十分だろう。
タイムフライヤーとアルクトスの前走はチャンピオンズカップだが、こちらのタイムもまずまず。ただ2頭とも見どころがなかったと言えばそれまで。テイエムサウスダンはすばるステークスに勝利。ただ良馬場の中京1400メートルで調べてみると、これより遅いオープン以上のレースは3歳の昇竜ステークスぐらい。勝ちタイムだけを見ればちょっと微妙である。
ヘリオスが勝った霜月ステークスに関しては、過去の良馬場だった時を比較するとなかなかの好タイム。2007年1着だったアドマイヤスバルと同タイムで、単純に考えると中央の重賞でもそれなりのところでやれる可能性はある。ダート短距離での実績を考えれば面白いだろう。
2021年の危険な人気馬は?
タイムフライヤーは人気になる見込みだが、1400メートルはこれが初めて。東京でも実績はあるが、理想は小回りコースだろう。根岸ステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、アルクトスは1つ目の消しデータに合致している。ダート1400メートル自体は問題ないだろうが、59キロがすべてだろう。克服するのは難しいのではないか。
反対にレッドルゼルは危険なデータに一つも当てはまらない。遠征の不安も消え、カペラステークスで2着になった。56キロで乗れるのも大きく、ここは無理に抗う必要もない。人気馬の中で最も不安要素が少ないのは、レッドルゼルと言えそうだ。