中山牝馬S2018の競馬予想データ分析…5つの注目点から浮上する激走馬とは?

2018年3月10日、中山競馬場で中山牝馬S(GⅢ/芝1800m)が行われる。フロンテアクイーン、トーセンビクトリー、マキシマムドパリ、ワンブレスアウェイ、カワキタエンカ、ゲッカコウ、エテルナミノルらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

1984年の重賞・グレード制導入時にGⅢに格付けされた中山牝馬Sは、2006年に春の古馬牝馬限定GⅠ・ヴィクトリアマイルがスタートしてからはステップレースの1つとしての位置づけを占めることとなった。

ただし、ヴィクトリアマイルまでは2ヶ月あることもあり中山牝馬Sの勝馬がヴィクトリアマイルで勝った例は過去10年では1回もない。

また、牝馬限定のハンデ重賞は年間でも他に3レース(愛知杯・マーメイドステークス・ターコイズステークス)しかなく、いずれも荒れる傾向にあるレースとして知られている。

それでも三連単の配当傾向を過去10年で見てみると、直近5回では10万円以上の配当が1回しかないのに対し、その前の5回ではすべて10万円以上となっており、近年は多少なりとも人気サイド寄りな結果となっている。

2018年はどのような決着となるのか。

今回は中山競馬場で行われた2007年以降の中山牝馬Sの結果を元としてデータ分析するが、特に過去の穴馬の共通項から激走馬を探っていく(2011年は阪神競馬場で行われたため対象外)。


目次

過去10年の該当馬(2007年以降・単勝6番人気以下で3着以内)

着順馬名
20173クインズミラーグロ
20163メイショウスザンナ
20142ケイアイエレガント
20131マイネイサベル
20121レディアルバローザ
20122オールザットジャズ
20123エオリアンハープ
20102ウェディングフジコ
20103チェレブリタ
20092ピンクカメオ
20093ダンスオールナイト
20081ヤマニンメルベイユ
20082マイネカンナ
20071マイネサマンサ
20073ヤマニンメルベイユ

注目点① 人気薄を狙うなら単勝50倍までを中心に

該当馬のリストを見てもわかるように、過去10年で馬券圏内に入った延べ30頭のうち単勝6番人気以下が15頭と実に5割となっていて高配当傾向を裏付ける結果となっている。

しかし、2012年に3頭ともリストアップされたのを境に2013年以降は1頭ずつ、2015年に至っては1頭もいないなど落ち着きをみせているともいえる。

単勝人気で見ると6番人気から15番人気まで幅広く3着以内に入っているが、単勝オッズで見ると該当15頭中13頭までが50倍以内となっているので人気ではなくオッズを見て検討するのが得策と言える。

人気別集計 中山牝馬S 過去10回

人気着別度数勝率複勝率
1番人気1- 2- 1- 6/ 1010.0%40.0%
2番人気0- 1- 0- 9/ 100.0%10.0%
3番人気1- 1- 1- 7/ 1010.0%30.0%
4番人気3- 2- 0- 5/ 1030.0%50.0%
5番人気1- 0- 1- 8/ 1010.0%20.0%
6番人気2- 0- 0- 8/ 1020.0%20.0%
7番人気0- 1- 1- 8/ 100.0%20.0%
8番人気2- 1- 0- 7/ 1020.0%30.0%
9番人気0- 0- 1- 9/ 100.0%10.0%
10番人気0- 1- 0- 9/ 100.0%10.0%
11番人気0- 0- 2- 8/ 100.0%20.0%
12番人気0- 0- 1- 9/ 100.0%10.0%
13番人気0- 1- 0- 9/ 100.0%10.0%
14番人気0- 0- 0- 10/ 100.0%0.0%
15番人気0- 1- 1- 7/ 90.0%22.2%
16番人気0- 0- 0- 9/ 90.0%0.0%

集計期間:2007年 ~ 2017年

 

馬名人気単勝オッズ
2017クインズミラーグロ714.4
2016メイショウスザンナ15120
2014ケイアイエレガント1026.4
2013マイネイサベル6120
2012レディアルバローザ817.7
2012オールザットジャズ716
2012エオリアンハープ1126.3
2010ウェディングフジコ814.6
2010チェレブリタ915.2
2009ピンクカメオ1545.6
2009ダンスオールナイト1127.5
2008ヤマニンメルベイユ614.7
2008マイネカンナ1336.4
2007マイネサマンサ831.1
2007ヤマニンメルベイユ1240.6

注目点② 人気薄は5歳馬か6歳馬から

過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った15頭中12頭が5歳馬6歳馬となっている。

4歳馬は古馬になったばかりでまだまだ成長過程にある馬も多く、だからこそ戦前評価どおりの実力を発揮していて、人気がない場合には馬券圏外に敗れてしまっていることがわかる。

年齢別集計 中山牝馬S 過去10回

年齢着別度数勝率複勝率
4歳1- 3- 0- 48/ 521.9%7.7%
5歳5- 3- 5- 36/ 4910.2%26.5%
6歳3- 5- 2- 32/ 427.1%23.8%
7歳1- 0- 2- 11/ 147.1%21.4%
8歳0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%

集計期間:2007年 ~ 2017年

馬名性齢
クインズミラーグロ5
メイショウスザンナ7
ケイアイエレガント5
マイネイサベル5
レディアルバローザ5
オールザットジャズ4
エオリアンハープ6
ウェディングフジコ6
チェレブリタ5
ピンクカメオ5
ダンスオールナイト6
ヤマニンメルベイユ6
マイネカンナ4
マイネサマンサ7
ヤマニンメルベイユ5

注目点③ 母父・ロイヤルチャージャー系かナスルーラ系に注目

血統別に集計すると、母父がロイヤルチャージャー系もしくはナスルーラ系の馬が多いことがよくわかる。

サンデーサイレンスやディープインパクトに代表される日本における代表的血統のロイヤルチャージャー系の血を父に持っている馬が多いことは予想しやすいが、種牡馬としては少数派の部類に属するナスルーラ系が入っていることには注意が必要だ。

母父馬系統別集計 中山牝馬S 過去10回

チェック母父馬着別度数勝率複勝率
ロイヤルチャージャー系3- 4- 5-35/476.4%25.5%
ニアークティック系2- 3- 2-32/395.1%17.9%
ナスルーラ系2- 3- 2-23/306.7%23.3%
ネイティヴダンサー系2- 0- 0-23/258.0%8.0%
トゥルビヨン系1- 0- 0- 3/ 425.0%25.0%
その他のエクリプス系0- 1- 0- 9/100.0%10.0%
セントサイモン系0- 0- 0- 2/ 20.0%0.0%
マンノウォー系0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%

集計期間:2007年~ 2017年
ソート:着別度数順

馬名母父・血統分類母父馬
クインズミラーグロナスルーラ系In Excess
メイショウスザンナロイヤルチャージャー系サンデーサイレンス
ケイアイエレガントナスルーラ系A.P. Indy
マイネイサベルロイヤルチャージャー系サンデーサイレンス
レディアルバローザナスルーラ系Tejano Run
オールザットジャズロイヤルチャージャー系サンデーサイレンス
エオリアンハープロイヤルチャージャー系サンデーサイレンス
ウェディングフジコナスルーラ系トニービン
チェレブリタニアークティック系アンバーシヤダイ
ピンクカメオロイヤルチャージャー系Silver Hawk
ダンスオールナイトロイヤルチャージャー系サンデーサイレンス
ヤマニンメルベイユロイヤルチャージャー系サンデーサイレンス
マイネカンナその他エクリプス系サツカーボーイ
マイネサマンサナスルーラ系トウシヨウボーイ
ヤマニンメルベイユロイヤルチャージャー系サンデーサイレンス

注目点④ 前走は4番人気以下

過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った15頭中13頭までもが前走でも人気がなく4番人気以下となっている。

牝馬の場合は一般的に牡馬と比べて調子の波が激しいと言われており、前走で何らかの原因で調子を崩していた馬が春本番を前にして立て直しをはかることができたことを示している。

前走人気別集計 中山牝馬S 過去10回

前走人気着別度数勝率複勝率
前走1人気2- 2- 0- 9/ 1315.4%30.8%
前走2人気0- 1- 0- 11/ 120.0%8.3%
前走3人気0- 0- 0- 8/ 80.0%0.0%
前走4人気1- 1- 2- 13/ 175.9%23.5%
前走5人気1- 0- 0- 11/ 128.3%8.3%
前走6~9人3- 2- 5- 30/ 407.5%25.0%
前走10人~3- 5- 1- 46/ 555.5%16.4%

集計期間:2007年 ~ 2017年

馬名前走人気
クインズミラーグロ6
メイショウスザンナ18
ケイアイエレガント10
マイネイサベル10
レディアルバローザ7
オールザットジャズ1
エオリアンハープ4
ウェディングフジコ2
チェレブリタ6
ピンクカメオ13
ダンスオールナイト4
ヤマニンメルベイユ14
マイネカンナ4
マイネサマンサ7
ヤマニンメルベイユ9

注目点⑤ 鞍上は関東の騎手

過去10回で単勝6番人気以下で3着以内に入った15頭中13頭の鞍上が関東の騎手となっている。

この傾向は関東馬はもちろん遠征してくる関西馬でも見られるが、この時期はクラシックへ向けてのトライアルレースが最も盛んに行われていることもあり、主戦騎手がそちらへの騎乗を優先し、中山牝馬Sでは代打騎乗が多いことがわかる。

騎手所属別集計 中山牝馬S 過去10回

騎手分類着別度数勝率複勝率
美浦7- 9- 7-100/1235.7%18.7%
栗東3- 2- 1- 25/ 319.7%19.4%
地方0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%
外国0- 0- 1- 2/ 30.0%33.3%

集計期間:2007年 ~ 2017年

馬名騎手所属厩舎
クインズミラーグロ蛯名正義関東・和田正道
メイショウスザンナ大野拓弥関西・高橋義忠
ケイアイエレガント吉田豊関東・尾形充弘
マイネイサベル松岡正海関東・水野貴広
レディアルバローザ福永祐一関西・笹田和秀
オールザットジャズ藤岡佑介関西・角居勝彦
エオリアンハープ木幡初広関東・宗像義忠
ウェディングフジコ吉田隼人関東・戸田博文
チェレブリタ蛯名正義関西・荒川義之
ピンクカメオ後藤浩輝関東・国枝栄
ダンスオールナイト三浦皇成関東・加藤征弘
ヤマニンメルベイユ柴山雄一関東・栗田博憲
マイネカンナ吉田豊関東・国枝栄
マイネサマンサ蛯名正義関西・中村均
ヤマニンメルベイユ勝浦正樹関東・栗田博憲

まとめ

ここまでの5つの注目点から、人気薄で激走する可能性のある馬を選定すると次の2頭が該当する。

エンジェルフェイス
キンショーユキヒメ

基本的には今回の該当馬を軸もしくは相手にして上位人気の馬との流しかフォーメーション馬券を検討すると良さそうだ。

なお、本原稿は特別登録の段階で執筆しているため、仮に今回の該当馬が上位人気に支持されたり、出走回避した場合などは、人気薄が上位に食い込む可能性は低いと見て、素直に上位5番人気までの堅い決着を予想する方法もありそうだ。

後は予想時点での単勝人気やオッズも確認の上、検討を加えていくのも、面白いのではないだろうか。

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