2019年1月5日、中山競馬場で中山金杯(GⅢ/芝2000m)が行われる。ヴィクトリアマイル以来久々の勝利をマークしたアドマイヤリード、中山と相性がいいウインブライト、ホープフルステークス以来の勝利が欲しいタイムフライヤーなどが出走を予定する。金杯で乾杯、そう笑顔で言いたいものだ。
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは4回、2着1回で3着3回となっており、ハンデ戦ながら信頼度は高い。一方でヒモ荒れが目立つなど、上位は信頼しつつもどこか一角は崩れるものだと思って競馬を見るべきだろう。
もう競馬が始まるのかと思うものだが、今年はすんなり土曜日の開催。リズムがあまり崩れずに新年の競馬が迎えられるのはめでたい。危険な人気馬を見つけていこう。
目次
データ① 少しでも差をつけて勝とう!
ハンデ戦ながらハンデ戦らしくない状況になりやすい中山金杯だが、前走1着馬の成績が素晴らしい。オープン特別以上に絞れば過去13頭出て、3勝2着2回3着3回とまずまずの結果だ。着差を見ると、コンマ1秒の差を付けて勝っているケースしかなく、タイム差なしは着は拾うが勝ちはない。またタイム差なしの負けの組を含めると、1頭を除いてすべて重賞1着もしくは2着の馬が2着3着を拾っているから面白い。
タニノフランケルはタイム差なしの1着だったが、3歳重賞で全く勝負にならなかったところを見るといきなり戦えるかは疑問だ。ハンデの件で後述するが、色々と狙えない部分がある。着順より着差をこの場合は見るべきだが、そうなると3着ながらコンマ7秒負けのステイフーリッシュとストロングタイタンはどうか。マウントゴールドはコンマ5秒負けでこれもどうか。それならGⅠで9着ながらコンマ4秒差と肉薄したウインブライトがいい。
データ② 上がりの脚は通用しない舞台
中山金杯ではとにかく前目にいるのが一番だ。後方にいた馬は過去10年で44頭いたが、2着と3着が1回ずつであとは着外、マクリを見せる馬も不発に終わった。先行した馬がそのまま残りやすく、上がり3ハロンのタイムが1位だった馬の成績は10頭中1勝2着0回、3着1回で不振。7枠と8枠の馬が過去10年で42頭いながら1頭も馬券に絡んでいないこともこれに関係するかもしれない。
タイムフライヤーは上がりの脚が武器であり、菊花賞ではようやく2歳GⅠを制した時の雰囲気を醸し出した。ホープフルステークスと同じ舞台ならチャンスだが、歴戦の古馬相手に初挑戦というのも心許ない。また位置取りも安定しないのが更なる不安材料だ。アドマイヤリードも後ろで競馬をしやすい。横山典弘騎手も気まぐれのところがあるのでそれも不安だが、牝馬が過去10年1頭も馬券に絡んでいないことも厳しい。
データ③ ハンデデータあれこれ
ハンデ戦は軽ハンデの逃げ残りが面白いなど色々と言われるが、子のレースに限っては軽ハンデは信用できない。53キロ以下だった馬は過去10年で28頭出走しているが1頭も馬券に絡んでいない。今年はクレッシェンドラヴ、タニノフランケルが該当する。特にタニノフランケルは母ウオッカの良血で前走は準オープンを勝った。ただ前走も同じハンデ戦、セントライト記念では1秒以上の負けでは狙いにくいか。
さらに面白いのは前回を斤量増の馬が9勝もしており、斤量減は1勝しかしていない。1キロ台の増加で6勝しており、ちょっと斤量が増えるぐらいがちょうどいいということか。ハンデ戦で低く見積もられた馬は警戒すべきだ。コズミックホース、タイムフライヤー、ナスノセイカン、マイネルハニー、ランガディアがいずれも1キロ減。斤量減で人気を少し集めそうだがブービートラップということか。
まとめ
人気上位馬にかなり傷が入った形だが、面白そうなのはウインブライトだ。明らかな中山巧者であり、中山記念ではペルシアンナイトやアエロリットなどの有力馬を倒した。遠征慣れがなくマイルでの勝ち星もない中でマイルチャンピオンシップでコンマ4秒差なら十分すぎる大健闘だろう。適鞍に戻り、ここで勝たずにどこで勝つという環境になる。58キロだが、十分勝負になるはずだ。
あとはエアアンセムも面白い。函館記念で勝ったように力のいる馬場の方が向いている。この馬もまたオープン特別時代のホープフルステークスを勝っており、この時期の中山に問題はない。重賞ウィナーとなり安定感がさらに増した状態なら充実の4歳馬相手にも戦えるはずだ。