実績はここでは上位、重賞初勝利からGⅠ路線の主役となれるか---
2018年2月17日、京都競馬場で京都牝馬S(GⅢ/芝1400m)が行われる。春の短距離路線を目指してスプリンター・マイラーが参戦する当レース。その中で飛躍のきっかけとなった当レースに今年も出走してGⅠ獲りを狙っているのがワンスインナムーンだ。
1200m戦を主体に使われるようになり、安定した成績を残せるようになってきた同馬。前走の香港スプリントでは惨敗を喫したが2走前のスプリンターズSで3着に入っており、ここでは実力・実績共に上位の存在と言えるだろう。果たして、前走惨敗から巻き返し今後のGⅠ戦線で主役を張れる存在となりうるかが注目される。
しかし、巻き返しを期する同馬にとって懸念される材料がいくつか浮かび上がってきた。今回はワンスインナムーンの2つの不安要素に注目していく。
目次
不安①距離適正
ワンスインナムーンはデビュー当時より1400-1600mを中心に使われてきて、一昨年末より1200mに距離短縮して頭角を現してきた印象がある。もちろん、昨年の当レース2着と8月の朱鷺S1着の実績があるので今は1200mでなければ力を発揮できないということはないだろう。しかし、朱鷺Sの内容は相手関係と、その後のスプリンターズSで3着に健闘したことを考えるとやや物足りない内容であった。
アドマイヤムーン産駒は1200-1600mの短距離路線で安定した成績を残しているものの
1200m(52-56-34-357)勝率10.4%、複勝率28.5%
1400m(22-16-23-211)勝率 8.1%、複勝率22.4%
1600m(38-29-20-244)勝率11.5%、複勝率26.3% (調査期間:2015年-2017年)
と、1400mでの成績が他と比べて落ちることがわかる。1400mもこなせるが本質としては1200mがベストであるのだろう。
また昨年の当レース以後、脚質が逃げに変わり今回も逃げることが予想されるが、今回同脚質で人気の一角になるだろうソルヴェイグが出走する。昨年より斤量1kg増で1400mへの距離延長や同型馬の存在を考慮すると、すんなりと昨年同様の結果となるとは言えないだろう。
不安②香港帰り初戦
本馬はデビュー以降、昨年の高松宮記念後を除くとほぼ1、2ヶ月毎に出走してきた。今回も香港スプリント後2ヶ月での出走となる。香港スプリントの結果は馬場適正や力関係もあったと思われるが、スプリンターズSの激走後の反動も影響しただろう。海外への輸送も含めて負担の大きいかかるレースであっただけにこれまでと同様の2ヶ月の間隔で立て直されているか疑問に残る。
まとめ
いかがであっただろうか。重賞未勝利ながらスプリンターズS3着と実績上位の本馬であるが、2つの不安要素として今回取り上げた。状態に関して追い切りの状況と当日の馬体重、気配乗りで判断をしていきたいところだ。