2020年2月23日、小倉競馬場で小倉大賞典(GⅢ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるヴェロックス、ジナンボー、カデナ、タニノフランケル、エメラルファイトらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
中京開催だった2010年を除く過去10回のデータを参考に予想を進めていく。
目次
小倉大賞典の人気馬成績
過去10回のデータを見ると、1番人気が2勝、2着が2回、3着も2回。ハンデ戦ではあるが、2倍台は複勝率100%、しかし、3倍台、4倍台はパッとしない。
ハンデ戦なので伏兵馬の台頭が目立っており、ヒモ荒れも狙える。今年はヴェロックスが参戦するが、データ的には面白そうだ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 逃げ残り想定で
脚質・逃げ (3- 0- 1-7)
勝率 27.3% │ 複勝率 36.4%
今年はイレギュラーな展開が続くローカルの第三場、今のところは通常営業といってもいいだろうが、相変わらず逃げれば粘れるという状況にある。
逃げ馬が残りやすい環境では、同じように前目の馬も残りやすい。例外があるとすれば4コーナーまでにまくって押し上げる馬などで、小回りで同じような競馬をしていたかどうか。
今年は明確に逃げる馬がおらず、スタート次第でコロコロ変わりそうだ。あっさりとり切ってペースが落ち着くとみるか、はたまた激しくなってペースが速まるか、そこがポイントだろう。
予想参考データ② 前走GⅡ以上からの参戦が面白い
この時期の中距離重賞、大阪杯を見据えるのか、リステッドに近いような重賞と考えているのか、色々と思惑は交錯していそうだ。
GⅡ以上からの参戦の馬が目立ち、特にGⅡがいい。AJCCや毎日王冠、12月時代の金鯱賞、未勝利だが複勝率のいい日経新春杯。GⅠは有馬記念組のみ。
AJCC組は明らかに中山が合わなかったという成績でよく、全体的に力及ばず完敗だった馬がここで息を吹き返すケースが多い。
逆にGⅢからの参戦は、勝ち負け、せめてコンマ5秒負けまでにとどめたい。特に前走2000メートルの同距離組はその数字は守りたいところだ。
予想参考データ③ 斤量は、増減なしもしくはわずかなプラスで
ハンデ戦なので斤量の増減は確認すべき部分だが、増減なしやプラスマイナス1キロの増減など、どちらかといえば斤量を大きく減らしたから来るというレースではない。
面白いのは1キロ台のプラス、サンプル数は少ないが、複勝率は優秀。1キロ程度増えるのがいいだろう。55キロと57キロが結果を残しており、54から55、56から57が良さそう。
2キロ増のヴェロックス、過去10年で1頭だけ該当馬がいたが、こちらは勝利。2キロ減のジナンボー、2勝はしてるものの複勝率はパッとしない。さて、本番は?
2020年の危険な人気馬は?
タニノフランケルは人気になる見込みだが、前走の中山金杯が負けすぎ。去年は金杯3着からの、ここは2着。それが前走は15着なんだからどうにもならない。1秒負けが続くとなれば、ここは厳しいか。小倉大賞典の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ジナンボーは3つ目の消しデータに合致している。上位人気想定の時点でこのレースの層の薄さが懸念されるが、東京など広いコースでのびのびと走らせる方が合っていそうだ。中山でも勝利しているが、こちらは格の違いと見るべきで、重賞ではどうか。
反対にヴェロックスは危険なデータに一つも当てはまらない。久しぶりのGⅢ、賞金の兼ね合いだろうが、いくらなんでもここは勝っておかないといけない。相変わらず中内田厩舎は2000メートルまでのレースにしか勝てないが、距離短縮はヴェロックスにとっても厩舎にとってもプラスしかない。ここでやむなしだろう。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ヴェロックスと言えそうだ。