2019年2月17日、小倉競馬場で小倉大賞典(GⅢ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるタニノフランケル、スティッフェリオ、クロコスミア、マイスタイル、エアアンセムらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
小倉大賞典は2010年に中京で開催されたため、ここでは2008年から2018年までの過去10回分のデータを対象とする。
目次
小倉大賞典の人気馬成績
過去10回のデータを見ると、1番人気は2回勝ち、2着3着もそれぞれ2回ずつと、ハンデ戦であることを考慮すればまずまずか。
ただ2番人気以下は大混戦で成績はかなりバラけている。なぜか6番人気が3勝2着2回と成績がいい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 逃げ馬が残るのはハイペースの時?
小倉競馬場は小回りコースなので、逃げれば前が残ることが時折見られる。
脚質・逃げ( 2- 0- 0-8)
勝率 20.0% │ 複勝率 20.0%
非常に極端なのは逃げ切れば当然1着だが、逃げ切れないと2ケタ着順が多い点だ。まさに三振かホームランかレベルの結果が出ている。
では、どういう場面で逃げが決まるかを見ると、実はハイペースの時に結果が出やすい傾向にある。
2017年、今年も出走予定のマルターズアポジーが制した時は最初の5ハロンが57秒6だった。ハイペースなのに逃げ切ってしまったのである。
58秒台は過去10回で3回あるが、そこでも1勝している。そもそもスローペースになること自体少ないのだが、今年は特に逃げ馬が多く混戦だ。
前がやり合うからバテるだろうなんて思っていると前の馬にやられてしまう可能性は十分に考えられる。
予想参考データ② 斤量での取捨選択
小倉大賞典はハンデ戦なので、斤量面での取捨選択を行っていきたい。
斤量57キロ ( 2- 5- 1-11)
勝率 10.5% │ 複勝率 42.1%
ハンデ戦なので斤量が軽い方がいいのだが、この場合は斤量がそれなりにあった方が走るということであり、58キロでも決して軽視はできない。
57キロ以上の馬の前走の成績を見ると、重賞でコンマ5秒差とそれなりに健闘した馬が目立つ。斤量を克服できるのは格と勢いを兼ねているかどうかだ。
牝馬は去年のクインズミラーグロしか過去10年で来ておらず、斤量53キロだった。クロコスミアは斤量55キロ、どう捉えるかだろう。
予想参考データ③ 年内に1回走っておきたい
ここから始動して大阪杯を狙うようなケースはまずなく、重賞やオープン特別で走るような馬が出てくる。なので、過去10回を見ても去年12月の出走がチラホラ程度だ。
休み明けいきなりここで勝負という馬はあまりいないのがデータからも見て取れる。その証拠に前走のレース別で最も成績を残しているのは中山金杯だ。
前走が毎日王冠だった2009年1着のサンライズマックスというケースもあるが、基本は年内で走った組、許容範囲で去年12月まで、ここをラインにしたい。
2019年の危険な人気馬は?
スティッフェリオは前走福島記念を勝ち斤量57キロなど人気に支持される見込みだが、福島記念以来3か月の休み明けで鉄砲は効かず、2戦目が走る。小倉大賞典の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、クロコスミアは2つ目の消しデータに合致している。香港遠征明けだが、牡馬混合の重賞では結果を出せておらず、斤量55キロはちょっと荷が重いような感じもする。ここは割引か。
反対にエアアンセムは危険なデータに一つも当てはまらない。前走は後方からだったが、元々前目でレースをする。ハンデ的にも十分チャンスがある。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、エアアンセムと言えそうだ。