(C)MAZIMICKEY

地力は十分、しかし勝ちきれるデータがない――。

2018年10月21日、京都競馬場で菊花賞(GⅠ/芝3000m)が行われる。ブラストワンピース、エポカドーロ、エタリオウ、ジェネラーレウーノ、グローリーヴェイズらが出走する。ダービーでも唯一後方から追い込んで4着、前哨戦の神戸新聞杯ではほぼ最後方からダービー馬ワグネリアンを豪脚で追い詰めたエタリオウ。

ここでも人気を集めそうではあるが、データ的に今ひとつ勝ちきれる材料がないのは事実。ここではその3つの理由について迫っていくことにしたい。


理由①勝ちきれない馬は厳しい?

ここ10年、それまでに重賞勝ちのない馬が菊花賞を制した5例あり、半分を占めることから菊花賞を勝つのにそれまでの実績はそれほど決定的な条件にならないことはわかる。しかし、この5例には共通するデータがった。

2008年 オウケンブルースリ 菊花賞までに3勝
2009年 スリーロールス 菊花賞までに3勝
2010年 ビッグウィーク 菊花賞までに3勝
2014年 トーホウジャッカル 菊花賞までに2勝
2017年 キセキ 菊花賞までに3勝

といったように、重賞未勝利で菊花賞を制した馬は最低でもそれまでに2勝してどこかで権利を取るか、3勝して1600万下条件からの参戦となっているのである。

エタリオウは青葉賞2着、前走神戸新聞杯の2着(+権利)で余裕の出走ではあるものの、出走しているレースで勝ちきれておらず、これまでに1勝(未勝利戦)のみというのは気になる材料である。

理由②意外に相性が悪い神戸新聞杯2着組

菊花賞の最有力ステップが神戸新聞杯で、成績的にも他のトライアルを圧倒しているのは周知の事実。当然、エタリオウも神戸新聞杯でダービー馬ワグネリアン相手に差のない競馬をしているため、ステップ自体に全く問題は無いように思える。

しかし、菊花賞を勝つ馬ということに限れば、神戸新聞杯が2400mになってからというもの、神戸新聞杯1着馬が4勝、3着馬が3勝しているのに対し、2着馬は2回と少し分が悪いという点。

さらにこの2回を見てみると、面白いデータが浮かび上がる。

2007年神戸新聞杯 2着アサクサキングス 走破タイム2:24.8
2017年神戸新聞杯 2着キセキ 走破タイム2:24.9

ともに阪神2400mの時計としてはかなり速い時計で2着に入選している。阪神の2400mというタフな条件でこの時計を出せるということが、スピード対応力の証明と、一つ巻き返して戴冠をするための条件なのかもしれない。

そう考えると、エタリオウの神戸新聞杯の走破タイムは2:25.7で、上がりこそ強烈なものの、ある程度器用さも求められる淀の3000mでの戴冠に明るい材料となっているかどうかは微妙だ。

理由③4角でいい位置にいなければ勝ちはない!

エタリオウは後方からの末脚勝負で持ち味を活かす馬であるが、こういったタイプはあまり菊花賞で勝ちきれていない。近10年の勝ち馬の4角位置取りを見てみると……

2008年 オウケンブルースリ 2番手
2009年 スリーロールス 4番手
2010年 ビッグウィーク 2番手
2011年 オルフェーヴル 3番手
2012年 ゴールドシップ 2番手
2013年 エピファネイア 2番手
2014年 トーホウジャッカル 2番手
2015年 キタサンブラック 8番手
2016年 サトノダイヤモンド 5番手
2017年 キセキ 7番手

となっている。ほとんどが5番手以内であり、例外となったキタサンブラックの菊花賞はかなりインで我慢しており。直線もインにこだわるレースをしての戴冠。去年のキセキはとんでもない不良馬場であまり内外の差がなかった影響もあったか。

とにかく、4角で前目につけるか、インで我慢するかしないと、高速馬場で圧倒的内枠有利な菊花賞を制するのは難しいということだろう。そう考えたときに、外から差す競馬でしか結果を出していないエタリオウのレースぶりは、すこし不器用に映る。勝ち切るという意味では難しいのかもしれない。

まとめ

以上3点、エタリオウの戴冠が難しいデータを説明した。前走でワグネリアンを追い詰めた末脚、唯一後方から追い込んだダービーの内容から、かなり人気を集めそうではあるが、勝ち切るという意味では不安が残っているのが現状だ。枠順も10番枠と微妙であり、思い切ってアタマなしにする手もあるだろう。

おすすめの記事