2021年5月15日、東京競馬場で京王杯スプリングカップ(GⅡ/芝1400m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるタイセイビジョン、ラウダシオン、エーポス、ミッキーブリランテ、エアアルマスらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考に予想をしていく。
目次
京王杯スプリングカップの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は2勝、2着はなし、3着もなし。意外と一本被りをしないレースで人気がバラける分、信頼度もその程度になったか。
伏兵馬もチラホラと来ているが、勝ち馬は単勝1ケタオッズに集中している。中穴狙いがよさそうか。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 高松宮記念組の取捨選択
前走高松宮記念組(4- 1- 3-25)
勝率 12.1% │ 複勝率 24.2%
安田記念のトライアルレースになっている京王杯スプリングカップ。高松宮記念組の中で安田記念に色気を見せる馬たちはまず京王杯スプリングカップで実力を試す。去年は高松宮記念組が上位独占だ。
傾向を見ると、人気を背負って大敗を喫した馬が多い。人気より大きく着順を落とし、1秒前後負けている馬がこの舞台で巻き返すことが目立つ。
ラウダシオンは高松宮記念は5番人気14着ながらコンマ9秒負け。重馬場が響いた形で、いかにも巻き返しそう。高松宮記念組で狙うならこの馬か。
予想参考データ② 同距離と距離延長馬に注意
距離別成績を見ると、距離延長が4勝、距離短縮が6勝と意外と拮抗している。同距離は未勝利だからわかりやすい地雷なのだが、実は距離延長の4勝もすべて高松宮記念組で、それ以外の距離延長組は過去10年で1頭も3着以内に入っていない。
同距離組の傾向を見ると前走1着、もしくは重賞で2着まで。かなり高いハードルだ。距離短縮組だと東京新聞杯組が複勝率100%だが、今年はいない。
エングレーバーは3勝クラスの1400メートルで1着だが、傾向からみれば2着までか。グルーヴィットは高松宮記念以外の1200メートル戦なので消しということになる。
予想参考データ③ 人気馬たちの前走レベル
タイセイビジョンの前走は京都金杯だった。エントシャイデンが58秒で逃げ、少々ペースも速かったが、意外と前は止まらず、ペースとは裏腹の前残り決着。タイセイビジョンは3番手から追走したが、エントシャイデンまでも届かず4着。久しぶりの1400メートルは2戦2勝だが、一線級との対戦以降上がりの脚が目立たず。
トゥラヴェスーラやラウダシオン、ミッキーブリランテらの前走は高松宮記念だった。重馬場ながらモズスーパーフレアが果敢に逃げた。ペースは速かったが、モズスーパーフレアも粘る。それを上回ったのは実力馬たちで、重馬場でも関係ないところを見せている。逃げたモズスーパーフレアは5着で3番手のラウダシオンは14着。重馬場適性がないわけではなく、単純にGⅠで足りないだけか。東京との相性がいいだけに前走を度外視してもいい。
エーポスの前走は阪神牝馬ステークスだった。イベリスがやや早めに逃げたところをエーポスは2番手に。位置取りは悪くなかったが、ラスト3ハロンでさらにスピードアップ、これに耐えられなかったか。32秒台の脚を上位陣に使われたらどうしようもない。しかし、1年の休み明けを考えると十分責任は果たしている。使い詰めは苦にしない馬で叩き2走目、意外と狙えるか。
エアアルマスの前走はフェブラリーステークスだった。ワイドファラオが芝のマイル戦並に飛ばしていくが、エアアルマスもそれに付き合った形。その後ろにいたカフェファラオからすればマイペース逃げで、気持ちよく走り切った。それでもエアアルマスはあのハイペースを粘り通し、最後方にいた馬たちの強烈な末脚をしのいで5着。元々芝で走っていたが、良績はマイル。なかなかダートのマイルで適したレースがこの時期は乏しいだけに活路を見出したのだろうがさすがに厳しい。
2021年の危険な人気馬は?
エアアルマスは人気になる見込みだが、芝の実績は2勝クラス勝利まで、しかもマイルばかりが多く、一線級相手にこの条件は厳しい。京王杯スプリングカップの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ミッキーブリランテは1つ目の消しデータに合致している。突然激走し、突然凡走し始める馬だが、凡走モードに入ったか。
反対にラウダシオンは危険なデータに一つも当てはまらない。4歳世代は牡馬も牝馬もいまだに序列が定まらず、ラウダシオンもその1頭だが、東京コースの相性を素直に評価したい。高松宮記念組のデータがいかにもで、巻き返しても不思議ではない。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ラウダシオンと言えそうだ。