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2018年11月25日、東京競馬場でジャパンカップ(GⅠ/芝2400m)が行われる。年間4つ目のタイトルに向けて視界良好のアーモンドアイ、巻き返しを誓うスワーヴリチャード、カプリやサンダリングブルーの外国馬などが出走を予定するが、この中での注目はサトノダイヤモンドだ。一気にGⅠ制覇まで持っていけるかどうか。

サトノダイヤモンドの前走は京都大賞典だったが、前半はウインテンダネスがややスローで逃げ、サトノダイヤモンドは中団待機を選択する。4コーナーまでにポジションを上げると、最後の直線で抜き出し、そのままレッドジェノヴァ以下を抑え込み、有馬記念以来1年7か月ぶりの勝利を飾った。凱旋門賞挑戦などでリズムが崩れたかに見えたが、なんとかここまで戻してきた感がある。

京都大賞典で復活の勝利を挙げたことでここもなんとかなるだろうと思う人は多いかもしれないが、続けて結果を出していよいよ復調と見るべきであり、まだそれは分からない。そのあたりを探っていきたい。


不安① 京都大賞典のレベルは低かった?

京都大賞典の勝ちタイムを見るとあまりいいタイムではないが、2016年にキタサンブラックがマークしたタイムよりコンマ1秒速い。じゃあ問題はないのかというとそうでもない。キタサンブラックの時は道中のタイムが遅く、最後は11秒1のラップを連発するような上がりの勝負になった。今年の京都大賞典は最後の2ハロンが11秒台だが、あまり速くはない。4ハロンも11秒台が続くようなレースが多い中で今年はどうにも中身に乏しい。

またキタサンブラックの時は58キロを背負ったがサトノダイヤモンドは57キロ。コンマ1秒差は逆転できるので実質的に一番遅いタイムと言える。レッドジェノヴァやアルバートなどが結果を出していればまた違うのだが、京都大賞典の次のレースで結果が出せなかった。そうなってくると、サトノダイヤモンドは復活したのか、一線級で勝負になるかと言われれば人気ほどの走りができるか疑問が残る。

不安② 叩き2戦目がそれほどでもない

競走馬には色々なタイプがいるが、サトノダイヤモンドは意外と休み明けに強い。新馬戦は楽勝、京都大賞典も勝ってみせた。ただ2戦目となるとそこからもう一段上とはならない。菊花賞こそ叩き2戦目で勝ったが、大阪杯や天皇賞春は勝てていない。きさらぎ賞から皐月賞というローテでは皐月賞3着、2戦目のダービー2着とやはりここでも勝てていない。前走で復活だと思っていると拍子抜けをするかもしれない。

叩き2戦目でグッと良くなるのはスワーヴリチャードのように前走で勝負にならなかった馬や多少不利があって消化不良に終わった馬、明らかに2戦目に照準を定めていた馬などが当てはまる。1戦目で勝っているサトノダイヤモンドの場合、このどれにも当てはまらない。有馬記念で勝っているサトノダイヤモンドにとって本当に狙いはジャパンカップなのかという疑問もある。

不安③ 長い直線は得意ではない?

アーモンドアイがなぜ恐れられているかと言えば、末脚が鋭いからである。桜花賞でもオークスでも秋華賞でもびっくりするような末脚で突っ込んできた。びっくりするような末脚がある馬は長い直線でも落ち着いて乗れる。ナリタブライアンがダービーを勝った時のように誰にも邪魔されないように外外を回っても楽勝だった。長い直線の方が活きる馬もいるが、この馬はそのタイプか。

一線級とはギリギリの勝負になりやすく、大事に外に回して差し切れるような馬ではない。ルメール騎手がうまくエスコートして勝ってきたような印象がある。モレイラ騎手が騎乗するのでその点は問題がないにしても、長い直線で突き抜ける感じはしない。早めに抜け出して粘り込むという感じが合う。意外と直線の短いコースばかりを走っているのもそんなイメージを抱かせるのかもしれない。

まとめ

モレイラ騎手が乗る、京都大賞典1着などデータ上はいい傾向にはあるが、それで勝てれば苦労はしない。春競馬でかなりの負け方をしており、あれをノーカウントにできない部分もある。アーモンドアイは明確な武器があるが、サトノダイヤモンドにそれはあるか。アーモンドアイより前で競馬をして、先に抜け出して粘るしか勝ち目はないだろう。注文を付けなきゃ勝てないのが現状ではないだろうか。

有馬記念で最後の最後にキタサンブラックを捉えたのは見事だった。あの時は3番手での競馬でうまく運べたように思う。モレイラ騎手が先入観なくどこまでエスコートできるか。アーモンドアイの鞍上はルメール騎手なので完全に手の内は知られている。そうなると、よほど工夫しないと厳しいように感じる。

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