2018年11月25日、東京競馬場でジャパンカップ(GI/芝2400m)が行われる。シュヴァルグラン、アーモンドアイ、キセキ、スワーヴリチャード、サトノダイヤモンドらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
今回はジャパンカップにまつわる“鉄板データ”を紹介していこう。
以前の考察で「ジャパンカップでは牝馬が好成績を残している」と書いた。そのデータをさらに掘り下げていくと、好走率100パーセントの条件にたどり着く。
特にアーモンドアイがこのデータに該当しているかどうかに注目が集まるところだ。果たして3冠牝馬は「鉄板」と呼べる存在なのだろうか?(※特に注釈がなければデータは過去10年、10番人気以内が対象)
目次
ジャパンカップと牝馬
前提として、ジャパンカップは牝馬が結果を残しているレースだ。
牝馬( 5- 2- 2-12/21 )
勝率 23.80% │ 単勝回収値 118
複勝率 42.90% │ 複勝回収値 86
これだけでも十分優れているが、さらに日本馬だけに絞ると、成績はより跳ね上がる。
牝馬 ※外国馬を除く ( 5- 2- 2- 7/16 )
勝率 31.30% │ 単勝回収値 155
複勝率 56.30% │ 複勝回収値 113
様々な理由が考えられるが、大きな理由は以下に合致する馬がである可能性が高いからだろう。
・エリザベス女王杯ではなくジャパンカップに出て勝負になるレベルの馬
・調教師のお墨付きをもらった馬
牝馬限定GIで距離も200mしか違わないエリザベス女王杯に「使わない」という選択をするのは通常なら難しい。ジャパンカップのほうが賞金は高いが、相手関係は難しくなり、制覇の難易度は何倍も高い。
それでもジャパンカップを選択してくるのだから、上記に合致している馬がほとんどなのだ。
アーモンドアイを後押しする鉄板データ
今回出走してくるアーモンドアイにしても、条件に合致していると考えていいだろう。歴史的名牝であることはクラシック3戦で証明済みだ。秋華賞からエリザベス女王杯はローテーションの面でも力関係の面でも難しい選択ではない。
しかし、国枝調教師はジャパンカップを選択した。これはアーモンドアイの力を信じているからにほかならない。
また、データ面でもアーモンドアイは「鉄板」と表現できる条件に合致している。
・日本の牝馬
・10番人気以内
・前走上がり3位以内
この条件に合致する馬の成績はなんと、
( 5- 2- 0- 1/ 8 )
勝率 62.50% │ 単勝回収値 311
複勝率 87.50% │ 複勝回収値 176
ご覧の通り、驚異的な成績となっている。また、内訳を見てみると、好走条件がより明確になってくる。
2015.11.29 ショウナンパンドラ 1着
2014.11.30 デニムアンドルビー 11着
2013.11.24 ジェンティルドンナ 1着
2013.11.24 デニムアンドルビー 2着
2012.11.25 ジェンティルドンナ 1着
2011.11.27 ブエナビスタ 1着
2010.11.28 ブエナビスタ ①着
2009.11.29 ウオッカ 1着
唯一の凡走となったデニムアンドルビーは他の牝馬たちに比べて明らかに力で劣っている。事実、このメンバーの中でデニムアンドルビーだけがGI馬ではなかった。
要するに、上記のデータに「GI馬」という条件を加えると……
2015.11.29 ショウナンパンドラ 1着
2013.11.24 ジェンティルドンナ 1着
2012.11.25 ジェンティルドンナ 1着
2011.11.27 ブエナビスタ 1着
2010.11.28 ブエナビスタ ①着
2009.11.29 ウオッカ 1着
という驚異的な成績になるのだ。2010年のブエナビスタは斜行によって降着となってしまったが、斜行がなくとも1着が揺るがなかったと言って差し支えないほどの差がついていた。少なくともゴール板を一着で駆け抜けたのは彼女だった。
つまり、
・日本の牝馬
・10番人気以内
・前走上がり3位以内
・GI馬
この条件に合致する馬の成績(ゴールの通過順)は(6−0−0−0)なのだ。
アーモンドアイはデータに合致する?
ではアーモンドアイの場合はどうかというと……
・日本の牝馬 → 該当
・10番人気以内 → 1番人気が確実
・前走上がり3位以内 → 前走含めキャリア6戦すべてで上がり1位
・GI馬 → 史上5頭目の3冠牝馬
ご覧の通り、すべての条件に合致している。まさに非の打ち所がないというわけだ。
無理に3冠牝馬を持ち上げるわけではないが、少なくともデータ上は「鉄板」と呼ぶに値するだけの材料があるのである。