遂に今年もこの時が来た。待ちに待った牡馬クラシックの第2弾、日本ダービーが今週末いよいよ行われる。前哨戦となる皐月賞では3連単37万2080円の決着を皮切りにトライアルの青葉賞でも6番人気ゴーフォザサミットが勝利する波乱決着、また京都新聞杯でも人気薄のステイフーリッシュが勝利を挙げ、波乱が続いている。
確固たる馬が見付からず戦国ダービーとも呼ばれているが、そのような中で今回、注目するのは皐月賞7着馬のワグネリアンだ。前走の皐月賞では、本来の瞬発力を活かすことができず、キャリア初の着外という結果であった。果たしてワグネリアンは皐月賞7着からは巻き返すことができるのか?過去のデータから検証していこう。
目次
注目点① 前走の結果
例年、中盤のラップが極端に緩みスローペースからの瞬発力勝負になりやすい弥生賞。今年もその傾向は顕著に表れており、レースラップが11秒台を記録したのは最後の3Fと前半の2Fのみである。
弥生賞のレースラップ
【12.5―11.0―12.5―12.8―12.7―12.4―12.8―11.7―11.0―11.6】
↓↓↓
皐月賞のレースラップ
【12.6―11.0―11.9―11.5―12.2―11.9―12.4―12.4―12.7―12.2】
皐月賞のレースラップと比べると分かりやすいが、同じコースで行われているとは思えない極端なレースラップを計時している。弥生賞で2着に入線したワグネリアン、同レース3着ジャンダルムが共に皐月賞で着外になった理由として、持ち前の瞬発力が活かせる展開でなかったことが挙げられる。その点からも前走の敗北は度外視しても全く問題だろう。瞬発力が問われる東京コースに舞台が変わることもワグネリアンに大きなプラスに働きそうだ。
注目点② 前走、皐月賞組
過去10年の日本ダービーにおいて、3着入線した30頭のうち19頭が皐月賞組である。過去10年で、実に8勝を挙げている最重要ステップレースだ。なお、3着以内に入線した皐月賞組のうち、皐月賞で1着馬~5着馬もしくは皐月賞で1番人気~5番人気に支持されていた馬であった。
そのデータから考察できることは、皐月賞で敗北を喫したとしても皐月賞が行われる時点である程度の評価が下されていれば、問題ないといえる。その点、ワグネリアンは皐月賞で3.5倍の1番人気に支持されていた背景から、日本ダービーで巻き返すだけの下地があると判断できるだろう。皐月賞の敗北により馬柱が汚されて人気が落ちるようであれば、なおさら面白い。
注目点③ 東京コースとディープインパクト産駒
着度別数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
11-5-9-49/74 | 14.9% | 21.6% | 33.8% |
今開催の東京コースで秀逸な戦績を残すのが、ディープインパクト産駒だ。勿論、ディープブリランテ、キズナ、マカヒキのダービー馬3頭を輩出しているだけに、ディープインパクト産駒と東京コースとの相性の良さは誰でも知っている事実であろう。しかし、今開催では、その傾向が顕著に表れているといえる。馬場状態も良く、ディープインパクト産駒の最大の長所である瞬発力を活かせる舞台は整っているといえるのではないだろうか。
まとめ
如何だったろうか?皐月賞で1番人気に支持されながらも7着に敗れたワグネリアンだが、本来の実力さえ発揮することができれば復活は十分にありえるだろう。また、騎乗する福永騎手にとっても悲願といえる日本ダービー制覇に向けて人馬共に最高の状態で日本ダービーを迎えて欲しいものだ。その結果を楽しみに今週末の競馬開催まで待つことにしよう。