日本ダービー2018の競馬予想分析…ステイフーリッシュ、GⅠ初制覇への3つの着眼点

2018年5月27日、東京競馬場で日本ダービー(GⅠ/芝2400m)が行われる。ステイフーリッシュは前走の京都新聞杯で重賞初制覇。ダービーへの最終切符をもぎ取った。今回は、通算5勝を挙げた母カウアイレーンの主戦を務めた横山典弘騎手を鞍上に迎えて、さらなるビッグタイトルを狙う。

騎乗する横山典弘騎手はダービージョッキー(2009年ロジユニヴァース、2014年ワンアンドオンリー)で、管理する矢作芳人調教師はダービートレーナー(2012年ディープブリランテ)。さらに、父ステイゴールドは2011年の3冠馬オルフェーヴルを出しており、強調材料は多い。

重賞初制覇からわずか1か月足らずで、一気に世代の頂点まで駆け上がることはできるのか。その可能性について掘り下げていく。


目次

ポイント① 京都新聞杯組

過去10年のダービーで連対馬を見ると、20頭中15頭の前走が皐月賞と、いわゆる王道路線を歩んできた馬が圧倒的に強い。京都新聞杯組は【1・1・1・18】。2013年にキズナが勝っているが、同馬の場合は皐月賞に出走できるだけの十分な賞金を持っていたが、あえて皐月賞を自重してダービー一本に絞ったローテーションが組まれ、京都新聞杯でもダービーを見据えた競馬ができたことが大きかった。

一方でステイフーリッシュは、京都新聞杯のレース前の時点で本賞金400万円。ダービーに出走するためには勝利が絶対条件だった。そのため、かなり高いレベルで仕上がっていたはずで、勝ちを強く意識した競馬を試みた。結果的にそれまでの差す競馬ではなく、2番手から抜け出して新たな面を見せたが、そこで全力の競馬をしたことが本番に影響してきそうだ。

ポイント② 長距離輸送

関東圏への遠征競馬は、今回で3度目となるが、2走前の共同通信杯はマイナス12kgと大きく馬体重を減らし、パドックでもテンションが高めだった。そのことも影響してか、レースでは2番人気に支持されながら本来の力を発揮することができず、10着と大敗した。

前走時でも馬体重454kgと、もともと小柄なタイプで、大幅な馬体減があると厳しくなる。今回は、前走から中2週と間隔が詰まっており、共同通信杯時と同じ東京への長距離輸送が控えているだけに、当日の馬体重はもちろん、パドックや返し馬でのテンションはしっかりとチェックしておいた方がいいだろう。

ポイント③ トップクラスと未対戦

京都新聞杯の走破タイムは2.11.0と優秀だが、メンバーのレベルには疑問符が付く。2着だったアドマイヤアルバは、500万下を勝ったばかりで当時重賞初挑戦。3着だったシャルドネゴールドは、その約1か月前の毎日杯で7着に敗れていた。

また、新設GⅠのホープフルSでの3着が強調されるが、同レースを勝ったタイムフライヤーはその後、若葉S5着、皐月賞10着と不振。2着だったジャンダルムも皐月賞で9着と、ともに歯が立たなかった。

ステイフーリッシュは当時と比べればかなり力を付けていることは間違いないが、本当の世代トップクラスとは未対戦であり、力関係は未知数だ。上昇度で王道路線組を上回ることができるか。

まとめ

スティーブ・ジョブズがスピーチで発した言葉から名付けられたステイフーリッシュ。裏街道から力を付けてきた上がり馬が、常識を覆すような走りを見せることができるか。

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