日本ダービー2017の予想データ分析…人気馬アドミラブルの優勝が困難な3つの理由

今週は東京競馬場で牡馬クラシック第2戦の東京優駿・日本ダービー(GI/芝2400m)が行われる。

上位人気に支持されることが確実なのが、青葉賞を制したアドミラブル(牡3)だ。トライアルレースを圧勝したことで、本番での飛躍も期待されている。

しかし、アドミラブルがダービーを制するためには、いくつかの障害をクリアしなければならない。しかも、そのハードルは決して低くない。

今回はアドミラブルがダービーを制する上でパスしなければならない理由に迫っていこう。


目次

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

ディープインパクト
スカーレット
母の父シンボリクリスエス
母の母グレースアドマイヤ
性別
馬齢3歳
生年月日2014年3月23日
毛色鹿毛
馬主近藤英子
調教師音無秀孝(栗東)
生産牧場ノーザンファーム
産地安平町
馬名意味賞賛すべき、立派な

競走成績

レース名距離馬場状態着順人気
青葉賞G2芝24001
アザレア500*芝24001
未勝利芝18002
新馬芝18004

困難な理由その1 青葉賞馬のジンクス

まず最も有名なジンクスを挙げるとするなら“青葉賞馬の呪縛”だ。

青葉賞はダービートライアルとして知られているが、いまだかつてここからダービー馬は一頭も出ていない。

前走レース名着別度数
青葉賞G20- 5- 3- 38/ 46
勝率複勝率単回値複回値
0.0%17.4%087

2着が5回あるものの、制覇は一度もない。

シンボリクリスエス
ゼンノロブロイ
アドマイヤメイン
ウインバリアシオン
フェノーメノ

シンボリクリスエスとゼンノロブロイは年度代表馬、フェノーメノはGI2勝、ウインバリアシオンにしても同世代にオルフェーヴルがいなければGIを複数回勝っていてもおかしくないくらいの力を持っていた。

しかし、どの馬もダービーを勝つことができなかった。

3歳の若駒にとって、2400mは長い。青葉賞をステップにする場合、約1カ月の間に2回も2400mを走らなければならなくなる。となると、どうしても競走馬に負担がかかってきてしまう。

アドミラブルにとって、ローテーションが大きなネックになってきそうだ。

困難な理由その2 血統の壁①

アドミラブルは良血馬である。近親にいる馬たちを見てみると……

リンカーン
アンライバルド
ヴィクトリー

などなど、GI戦線で活躍した馬がいる。血統のスケール感としては申し分ない。

しかし、それでも血統面が懸念されるのは「配合が微妙」という点がはっきりしているからだ。

というのも、「ディープインパクト×母系ロベルト系」という組み合わせは大舞台で結果を残せない傾向にある。同じ配合の馬たちを見てみると……

ディーマジェスティ
ゼーヴィント
サトノラーゼン
ニューダイナスティ
モンドインテロ

ディーマジェスティが皐月賞を勝っているとはいえ、「大成功した」といえるほど活躍した馬はいない。サトノラーゼンがダービーで2着になっているが、全体的な傾向としては中央4場よりローカルの小回りコース、タフなレースを得意としている。

ディープインパクトは瞬発力が最大の武器だが、ロベルトの血が入るとどうしてもスピードが鈍ってしまう。よって、スピードよりスタミナが求められるレースで台頭する傾向があるのだ。

だが、ダービーは瞬発力が求められるレースである。よって、ディープインパクト×ロベルト系の配合馬に向くレースかというと、疑問符がつくのだ。

困難な理由その3 血統の壁②

しかもアドミラブルの場合、母父ロベルト系に加え、母母父にトニービンを持っている。そしてディープインパクト×トニービンの配合も、ロベルト系に負けず劣らず、活躍馬を出せていない。GIにおける成績を見てみると……

母父馬着別度数
トニービン0- 2- 1-12/15
母父馬勝率複勝率単回値複回値
トニービン0.0%20.0%081

ディープインパクト×ロベルト系&トニービンという組み合わせは、考えられる上で最もGIで苦戦しそうな配合……と言えるわけだ。

まとめ

青葉賞でみせたパフォーマンスを見れば、アドミラブルが能力を秘めた馬であることは明らかだ。しかし、ダービーを制覇するために乗り越えなければいけないハードルは、低くないのである。

果たしてアドミラブルは今までの傾向を打ち破り、ディープインパクト産駒として快挙を成し遂げられるのか? その答えは5月28日に出る。

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