2017年11月26日、東京競馬場でジャパンカップ(GI/芝2400m)が行われる。
キタサンブラック、レイデオロ、サトノクラウン、シュヴァルグランらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
今回注目されるのが、各馬の臨戦過程だ。ジャパンカップで最有力となる天皇賞秋組は前走、劣悪な不良馬場の中でレースを行っていた。消耗戦の影響による疲労があるのではないか、という声もある。
では、前走重馬場や不良馬場の中を走った馬はその後どんな成績を残しているのだろうか?
前走天皇賞秋組は?
まずは前走、天皇賞秋に出走した馬をおさらいしていこう。
馬名 | 人気 | 着順 |
キタサンブラック | 1 | 1 |
サトノクラウン | 2 | 2 |
シャケトラ | 11 | 15 |
ソウルスターリング | 4 | 6 |
ディサイファ | 15 | 7 |
マカヒキ | 9 | 5 |
ヤマカツエース | 7 | 11 |
レインボーライン | 13 | 3 |
ワンアンドオンリー | 16 | 17 |
今回、人気上位に支持されることが確実なキタサンブラック、サトノクラウンが天皇賞組。さらにソウルスターリングやマカヒキ、レインボーラインなども天皇賞からここに参戦してくる。
重馬場・不良馬場のその後
今回は重馬場や不良馬場を経験した馬がその後にどんな成績を残しているのか、調査を実施。過去10年、GIに出走してきた馬たちの前走別の成績を見ていくことにしよう。
前走馬場状態 | 着別度数 |
---|---|
芝・ 良 | 168- 158- 153-1728/2207 |
芝・稍重 | 14- 24- 21- 225/ 284 |
芝・ 重 | 12- 7- 9- 82/ 110 |
芝・不良 | 3- 2- 3- 33/ 41 |
前走馬場状態 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
芝・ 良 | 7.6% | 21.7% | 81 | 80 |
芝・稍重 | 4.9% | 20.8% | 66 | 82 |
芝・ 重 | 10.9% | 25.5% | 105 | 122 |
芝・不良 | 7.3% | 19.5% | 81 | 73 |
集計期間:2007. 3.25 ~ 2017.11.12
※単勝100倍未満が対象
※中2〜9週が対象(長期休みを取った馬は疲労を癒やす時間が十分にあるため除外)
データを見てみると、前走重馬場の馬たちは良馬場の馬たちに比べていい成績を残していることが分かる。よって、一概に「重馬場だから疲労が残る」とはいえない。
ただし、不良馬場になると、好走率・回収値ともに他の項目に比べると数値がやや低調なことが分かる。不良馬場までいくと、疲労が残る可能性を示唆するデータということができるだろう。
もっとも、不良馬場だけ明らかに数値がガクンと下がっているわけではなく、誤差の範囲と解釈することもできる。
もちろん、「前走、不良馬場のGIを経験し、今回も最高峰のGIに出走する」という馬のデータは限られているだけに判断が難しいところだが、データ上は「明らかにパフォーマンスを落とす傾向は見られない」と考えていいだろう。