(C)MAZIMICKEY

2018年12月9日、シャティン競馬場で香港スプリント(GⅠ/芝1200m)が行われる。ファインニードル、ビートザクロック、アイヴィクトリー、ミスタースタニング、ホットキングプローンらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

今年は日本からファインニードルが参戦。今年の高松宮記念、スプリンターズSを制した現役最強スプリンターは、香港の強豪を相手に好勝負を演じることができるのか。好走へのポイントを探っていく。


ポイント① 日本馬にとって最難関レース

過去10年で日本馬は【2・0・1・15】。この数字だけ見るとまずまずの成績だが、優勝した唯一の馬が、日本競馬史上最強スプリンターと言って多くの人が賛同するであろうロードカナロア(2012、13年に連覇)。香港国際競走の他の3レースは日本馬が複数頭優勝しているが、スプリントだけはこの1頭しか優勝していない。

他は、高松宮記念とスプリンターズSの両方を制したビリーヴ(2002年12着)、ローレルゲレイロ(08年8着、09年13着)、カレンチャン(12年7着)、スプリンターズSを連覇したレッドファルクス(16年12着)といった名スプリンターでさえ歯が立たなかった。香港は短距離戦線のレベルが非常に高く、香港国際競走4レースの中でも、日本馬にとっては勝つのが最も困難なレースだと言える。

ポイント② 香港現役最強クラスが集結

スプリンターの層が厚い香港勢は、今年も現役最強クラスが顔を揃えた。昨年の覇者ミスタースタニング、同2着後のセンテナリースプリントCでGⅠ初制覇を飾ったディービーピンに加え、前哨戦のジョッキークラブスプリントでその2頭を抑えて逃げ切ったホットキングプローン、GⅠで2着2回、3着1回の実力馬でライアン・ムーア騎手を配してきたビートザクロック、さらにはファインニードルが4着だったチェアマンズスプリントプライズを勝ったアイヴィクトリーなど、非常に強力。イギリスの大手ブックメーカーのオッズを見ても、そのアイヴィクトリーが3~5番人気になってしまうほどハイレベルのメンバーだ。

チェアマンズスプリントプライズでファインニードルが先着を許した3頭はいずれも出走。当時、勝ち馬から4馬身もの差を付けられたファインニードルは、どれだけ差を詰めることができるか。

ポイント③ パワーを要する洋芝

地元スプリンターの層が厚いこと以外に、日本馬が苦戦させられる大きな要因の一つが、パワーを要する洋芝。芝が深く、レース直前に散水もするために、非常に力の要る馬場状態となり、1分7秒台前半での決着が当たり前の高速馬場で行われるスプリンターズSとは求められる適性が異なる。

香港スプリントを連覇し、スプリンターズSも制した歴史的名スプリンターのサイレントウィットネスは馬体重が580kg近い超大型馬だったように、スピードは当然のこと、かなりのパワーがなければ一線級と好勝負を演じることは難しい。他の優勝馬を見ても、そのほとんどが500kgを超える大型馬だった。

ファインニードルは前走の馬体重が470kgで、軽快なスピードを武器とするアドマイヤムーン産駒。重馬場のセントウルS、稍重のスプリンターズSで結果を出したように、重い馬場にも対応可能で、春より力を付けていることは間違いないが、シャティンの馬場でも力を発揮できるかがカギになる。

とはいえ、ジョッキークラブマイルで1.32.64のコースレコードが出たように、今開催のシャティン競馬場は例年に比べて速い時計が出る馬場状態。この点はファインニードルにとって追い風だろう。

まとめ

日本スプリント界の大将として、難攻不落の香港スプリントに乗り込むファインニードル。4月のチェアマンズスプリントプライズは離された4着だったが、国内でのレース内容を見ても、当時より力を付けていることは間違いない。さらに、春は最大目標としていた高松宮記念を勝った後の余力で臨んだが、今秋は早くから香港遠征を視野に入れていた。臨戦過程や条件は、春と比べて好転することは間違いないだろう。香港勢は例年通り強力だが、目下の充実ぶりでどこまで太刀打ちできるか。

おすすめの記事