2018年5月19日、京都競馬場で平安S(GⅢ/ダート1900m)が行われる。テイエムジンソク、グレイトパール、ミツバ、サンライズソア、コスモカナディアン、クインズサターン、トップディーヴォ、ナムラアラシらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
元々は中央競馬の1年間で最初のGⅠとなる2月のフェブラリーSへ向けての関西の重要なステップレースとして1994年から重賞となったレースが平安Sだ。
その後、2013年に年間の開催カレンダーが見直された際にそれまで5月に中京競馬場で行われていた東海Sと入れ替わる形で平安Sが5月に行われるようになり、春シーズンのダート路線における大一番、帝王賞に向けてのステップレースとして位置づけられた。
ステップレースではあるものの、2013年の平安S勝馬ニホンピロアワーズが帝王賞で2着となった以外、平安Sの勝馬は帝王賞では好走できていない(昨年2017年平安S勝馬グレイトパールは骨折のため帝王賞未出走)。
ただし、昨年の帝王賞では平安Sで5着だったケイティブレイブが勝利を飾り、平安Sで2着だったクリソライトが帝王賞でも2着という結果になっている。
開催に際し、競馬TIMES編集部では予想の参考になりそうなデータをいくつかピックアップした。では、人気、血統、枠順、ローテーションなどから導き出したデータに合致するのはどの馬なのか?
5つの消しフィルターを通したとき、残る馬を探っていくことにしよう。(対象データ:2013年~2017年に行われた平安S)
消しデータまとめ
今回、ピックアップしたデータは以下だ。
ポイント1 極端な人気薄は消し!
ポイント2 母父・ニアークティック系・ネイティブダンサー系以外は消し!
ポイント3 4歳馬は消し!
ポイント4 前走上がり3F1位は消し!
ポイント5 前走逃げ・後方馬は消し!
※詳細は過去の記事を参照
一つずつ、見ていくことにしよう。
ポイント1 極端な人気薄は消し!
平安Sだけでなく、地方交流重賞も含めたダート重賞では人気も実力も兼ね備えた馬が活躍することが多い。ただし、三連単の配当で万馬券となる年が多いことを考慮すると、上位人気馬が人気実力共に拮抗している中での結果と考えられる。したがって、人気別に集計した場合、単勝9番人気以下になるような馬の成績は奮わない。
| 馬名 | 人気 | 予想オッズ |
|---|---|---|
| アスカノロマン | 9 | 89.6 |
| クイーンマンボ | 5 | 21.6 |
| クインズサターン | 6 | 30.1 |
| クリノスターオー | 10 | 118.4 |
| グレイトパール | 1 | 1.8 |
| コスモカナディアン | 8 | 75.9 |
| サンマルデューク | 15 | 320.7 |
| サンライズソア | 3 | 6.9 |
| テイエムジンソク | 2 | 2.5 |
| トップディーヴォ | 12 | 180.8 |
| ナムラアラシ | 7 | 30.5 |
| プリンシアコメータ | 14 | 296.8 |
| マイティティー | 16 | 641.4 |
| ミツバ | 4 | 12.4 |
| メイショウウタゲ | 13 | 265.1 |
| メイショウスミトモ | 11 | 139.0 |
人気薄・単勝9番人気以下の出走馬は……
アスカノロマン
クリノスターオー
サンマルデューク
トップディーヴォ
プリンシアコメータ
マイティティー
メイショウウタゲ
メイショウスミトモ
まずはこの馬たちが消える。
ポイント2 母父・ニアークティック系・ネイティブダンサー系以外は消し!
血統からポイントを探すと母父・ニアークティック系・ネイティブダンサー系以外の出走馬の成績が奮わない。ニアークティック系といえば現在の代表種牡馬はトランセンドだが、「ダート」「中距離」が得意条件、また、ジェイドロバリーやエルコンドルパサーなどの母父・ネイティブダンサー系も「中距離」適正が高いことから、平安Sでは結果を残せている。
| 馬名 | 母父・血統分類 |
|---|---|
| アスカノロマン | ニアークティック系 |
| クイーンマンボ | ロイヤルチャージャー系 |
| クインズサターン | ニアークティック系 |
| クリノスターオー | ネイティヴダンサー系 |
| グレイトパール | ニアークティック系 |
| コスモカナディアン | ナスルーラ系 |
| サンマルデューク | ロイヤルチャージャー系 |
| サンライズソア | ロイヤルチャージャー系 |
| テイエムジンソク | ネイティヴダンサー系 |
| トップディーヴォ | ニアークティック系 |
| ナムラアラシ | ネイティヴダンサー系 |
| プリンシアコメータ | ニアークティック系 |
| マイティティー | ニアークティック系 |
| ミツバ | ニアークティック系 |
| メイショウウタゲ | ロイヤルチャージャー系 |
| メイショウスミトモ | ニアークティック系 |
母父・ニアークティック系・ネイティブダンサー系以外の馬は……
クイーンマンボ
コスモカナディアン
サンマルデューク
サンライズソア
メイショウウタゲ
ここではこの馬たちが消える。
ポイント3 4歳馬は消し!
年齢別で集計すると古馬となったばかりの4歳馬の不振が目立つ。ダート路線では古馬になっても長い間活躍したり、5歳以降に本格化することも芝路線に比べると多いことが5歳馬や6歳馬が活躍できている主な要因であると考えられる。
| 馬名 | 馬齢 |
|---|---|
| アスカノロマン | 7 |
| クイーンマンボ | 4 |
| クインズサターン | 5 |
| クリノスターオー | 8 |
| グレイトパール | 5 |
| コスモカナディアン | 5 |
| サンマルデューク | 9 |
| サンライズソア | 4 |
| テイエムジンソク | 6 |
| トップディーヴォ | 6 |
| ナムラアラシ | 5 |
| プリンシアコメータ | 5 |
| マイティティー | 6 |
| ミツバ | 6 |
| メイショウウタゲ | 7 |
| メイショウスミトモ | 7 |
4歳馬は……
クイーンマンボ
サンライズソア
ここではこの馬たちが消える。
ポイント4 前走上がり3F1位は消し!
ダート戦のレースだと芝と異なり上がり勝負になることは多いとは言えず、平安Sでは前走で最後の600m/上がり3Fが1位だった馬が結果を残せない傾向にある。
| 馬名 | 前走上がり3F順位 |
|---|---|
| アスカノロマン | 14 |
| クイーンマンボ | — |
| クインズサターン | 1 |
| クリノスターオー | — |
| グレイトパール | 1 |
| コスモカナディアン | 14 |
| サンマルデューク | 1 |
| サンライズソア | 14 |
| テイエムジンソク | 12 |
| トップディーヴォ | 3 |
| ナムラアラシ | 3 |
| プリンシアコメータ | — |
| マイティティー | 6 |
| ミツバ | 6 |
| メイショウウタゲ | 7 |
| メイショウスミトモ | 6 |
前走上がり3F1位の馬は……
クインズサターン
グレイトパール
サンマルデューク
ここではこの馬たちが消える。
ポイント5 前走逃げ・後方馬は消し!
最後に前走の脚質からポイントを探ると前走で逃げや後方などの極端な戦法を取った馬は平安Sでは活躍できない傾向にある。京都競馬場ダート1900mは特殊なコースと言えることから騎手の駆け引きも重要な要素となるが、逃げ馬をじっくり見ることができる先行や中団からレースを進められる馬が好走できていることがわかる。
| 馬名 | 前走脚質 |
|---|---|
| アスカノロマン | 中団 |
| クイーンマンボ | 先行 |
| クインズサターン | 後方 |
| クリノスターオー | 中団 |
| グレイトパール | 先行 |
| コスモカナディアン | 中団 |
| サンマルデューク | 後方 |
| サンライズソア | 中団 |
| テイエムジンソク | 先行 |
| トップディーヴォ | 後方 |
| ナムラアラシ | 後方 |
| プリンシアコメータ | 先行 |
| マイティティー | 後方 |
| ミツバ | 先行 |
| メイショウウタゲ | 中団 |
| メイショウスミトモ | 後方 |
前走逃げ馬・後方待機馬は……
クインズサターン
サンマルデューク
トップディーヴォ
ナムラアラシ
マイティティー
メイショウスミトモ
ここではこの馬たちが消える。
残った激走馬候補とは?
さて、ではいくつかの消しフィルターをくぐり抜け、ここまで残った馬はいるのだろうか? それは……
テイエムジンソク
ミツバ
今回の激走馬候補は2頭。
馬券の軸にするもよし、相手に加えるもよし。どんな扱いにするにせよ、気にかけてみるのがいいのではないだろうか。

