2017年12月10日、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF/GI/芝外回り1600m)が行われる。
ロックディスタウン、ラッキーライラック、ベルーガ、マウレア、リリーノーブルらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
今回は、2012〜2016年のラップタイム、および阪神外回り1600mのコース形状から、このレースを分析していく。
目次
過去5年のラップ傾向とコース形状
黄色は前半3Fを除いた11.5以下の地点、ピンク色は12.0以上の地点を表す。
年度 馬場 〜1F 〜2F 〜3F 〜4F 〜5F 〜6F 〜7F 〜8F 前半4F 後半4F
2016 良 12.4 11.0 11.3 12.0 12.1 11.5 11.5 12.2 46.7 47.3
2015 良 12.5 10.9 11.4 12.1 11.8 11.7 11.5 12.6 46.9 47.6
2014 良 12.5 11.0 11.5 12.2 12.0 11.4 11.5 12.3 47.2 47.2
2013 良 12.2 10.6 11.4 12.1 12.1 11.7 11.6 12.2 46.3 47.6
2012 良 12.4 10.5 11.2 11.8 11.9 12.2 11.5 12.7 45.9 48.3
過去5年間、すべて前傾ラップになっているのが特徴の一つに挙げられる。これは、短距離路線組も参戦することが原因として考えられる。
ただ、前半3Fは速くても中盤に息が入ることが多い。4〜5Fで12秒台まで落ち込んでいることが表からわかるだろう。これは前半飛ばした馬が最後の直線に入る前に息を入れたがるためだ。
中盤に息が入るが、ラストには阪神の急坂が待っているうえに、この時期の阪神は時計がかかる。そのため比較的差しが決まりやすい。
求められる能力・注目馬は?
前半がある程度流れるので、まずはそのペースを追走しても脚を削がれないスピードが求められる。
そしてラストまで差し込む末脚の持続力が必要だ。4コーナーの下り坂を利用して勢いをつけ、脚を出し切ることが大事になってくる。キレッキレの末脚は必要ないが、ラストの急坂でもバテないでパワフルに駆け上がれる脚が求められる。
今年の有力馬の中ではラッキーライラックの好走が期待される。前走のアルテミスステークスは平均ペースの中、好位外から長く良い脚を使って差し切り。今回出走する重賞馬の中で唯一、直線に坂があるコースでの快勝であった。坂の位置は違えど、上り坂で他馬を置き去りにする脚を見せた。これをペースがある程度流れる中で使えたのは非常に大きい。
次いでベルーガを挙げる。ファンタジーステークスは例年なら直線での切れ味勝負のウエイトが大きく、33秒台の末脚を複数頭が記録する。しかし今年は馬場がいつもよりタフ、そんな中で唯一の33秒台を繰り出してきた。阪神の坂をこなせるかはやってみないとわからないが、例年のファンタジーステークス勝ち馬よりはチャンスがあるはずだ。
ロックディスタウンはマイルの厳しいペース・坂への対応が未知数だが、札幌2歳ステークスの内容は非常に強いものであった。
まとめ
いかがだっただろうか?
今年も重賞馬3頭を中心に激戦が予想される。また、今後のクラシック戦線を盛り上げる馬が誕生するレースでもあり、目が離せない。
2歳女王に輝くのはいったいどの馬だろうか?