2017年12月10日、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF/GI/芝外回り1600m)が行われる。
ロックディスタウン、ラッキーライラック、ベルーガ、マウレア、リリーノーブルらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
開催に際し、どのような血統の馬がいい成績を残しているのか、同コースでどのような血統の馬が台頭しているのか、過去のデータをもとに見ていくことにしよう。
なお、好走血統は過去10年、コース種牡馬成績は2014年以降(精度を高めるために1、2番人気の人気馬、および単勝100倍以上の人気薄、新馬戦、長期休み明けなどの不確定要素が多いレース=血統意外の要因で決着した可能性が高いレースは、集計から除外)を参考に考察していく。
目次
過去10年好走馬血統
着順 | 人気 | 種牡馬 | 母父馬 |
---|---|---|---|
1 | 1 | Frankel | Monsun |
2 | 2 | ハーツクライ | American Post |
3 | 3 | ダイワメジャー | タイキシャトル |
1 | 1 | ダイワメジャー | オペラハウス |
2 | 10 | ステイゴールド | アドマイヤコジーン |
3 | 3 | ディープインパクト | サクラバクシンオー |
1 | 5 | ディープインパクト | Elusive Quality |
2 | 2 | キングカメハメハ | マーベラスサンデー |
3 | 4 | ステイゴールド | デインヒル |
1 | 5 | ステイゴールド | Dixieland Band |
2 | 1 | ディープインパクト | ファルブラヴ |
3 | 8 | ネオユニヴァース | Pentelicus |
1 | 5 | ウォーエンブレム | Singspiel |
2 | 15 | クロフネ | トニービン |
3 | 10 | ハーツクライ | Selkirk |
1 | 4 | ディープインパクト | Caerleon |
2 | 8 | ファルブラヴ | エルコンドルパサー |
3 | 1 | アグネスタキオン | Caerleon |
1 | 1 | アグネスタキオン | Highest Honor |
2 | 4 | クロフネ | サンデーサイレンス |
3 | 8 | ソングオブウインド | スピードワールド |
1 | 2 | キングカメハメハ | Salt Lake |
2 | 5 | ゼンノロブロイ | フレンチデピュティ |
3 | 6 | クロフネ | サンデーサイレンス |
1 | 1 | スペシャルウィーク | Caerleon |
2 | 3 | アグネスタキオン | Bering |
3 | 4 | ネオユニヴァース | Marquetry |
1 | 3 | ジャングルポケット | サンデーサイレンス |
2 | 8 | ファルブラヴ | Highest Honor |
3 | 2 | アグネスデジタル | トニービン |
解説・分析:注目血統は?
阪神ジュベナイルフィリーズには、以下のような特徴がある。
1.阪神芝外回り1600mで行われる本格派のGI
2.名牝の登竜門
3.来年のクラシックへ繋がるレース
通常、2歳重賞は早熟性が問われるため、早熟血統が幅を利かせている。しかし、阪神JFは「阪神芝外回り1600mで行われる本格派のGI」であるため、完成度の高さだけでは乗り切れない。
言い換えるなら「クラシックでも好走できるポテンシャルを秘めているかどうか」がとても重要になってくる。
実際、過去の好走馬を見ても、翌年のクラシックで活躍している。昨年は人気3頭の決着となったが、その3頭の後の成績を見てみると……
メジャーエンブレム オークス1着
リスグラシュー 桜花賞、秋華賞で2、3着
レーヌミノル 桜花賞1着
ご覧の通り、クラシックで活躍していた。
要するに、「来年以降も活躍できるポテンシャルを秘めた馬かどうか」を、血統的な観点から見極めることが重要になってくる一戦になる。よって、早熟血統を狙いすぎるより、早熟性を持ちつつ、来年以降も活躍できるようなポテンシャルの高い馬を見つけていくことが求められるわけだ。
出走予定馬・種牡馬コース成績
種牡馬 | 着別度数 |
---|---|
ディープインパクト | 10- 8- 16-108/142 |
キングカメハメハ | 6- 4- 5- 30/ 45 |
ダイワメジャー | 3- 4- 10- 55/ 72 |
ハーツクライ | 2- 2- 4- 35/ 43 |
ヴィクトワールピサ | 1- 1- 4- 4/ 10 |
リーチザクラウン | 1- 0- 2- 2/ 5 |
キンシャサノキセキ | 0- 3- 0- 6/ 9 |
ブラックタイド | 0- 1- 1- 19/ 21 |
ノヴェリスト | 0- 1- 1- 0/ 2 |
ルーラーシップ | 0- 1- 0- 3/ 4 |
アドマイヤマックス | 0- 0- 0- 5/ 5 |
トーセンホマレボシ | 0- 0- 0- 2/ 2 |
オルフェーヴル | 0- 0- 0- 1/ 1 |
種牡馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 7.0% | 23.9% | 78 | 80 |
キングカメハメハ | 13.3% | 33.3% | 192 | 126 |
ダイワメジャー | 4.2% | 23.6% | 74 | 141 |
ハーツクライ | 4.7% | 18.6% | 34 | 43 |
ヴィクトワールピサ | 10.0% | 60.0% | 50 | 118 |
リーチザクラウン | 20.0% | 60.0% | 230 | 190 |
キンシャサノキセキ | 0.0% | 33.3% | 0 | 180 |
ブラックタイド | 0.0% | 9.5% | 0 | 40 |
ノヴェリスト | 0.0% | 100.0% | 0 | 140 |
ルーラーシップ | 0.0% | 25.0% | 0 | 82 |
アドマイヤマックス | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
トーセンホマレボシ | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
オルフェーヴル | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2013. 2.23 ~ 2017.12. 2
※良馬場開催が対象
※3番人気〜単勝100倍未満が対象
※長期休み明けなど、明らかなマイナス要素を持つ馬は除外
解説・分析:注目血統は?
まず目を引くのがキングカメハメハ産駒だ。単複回収値ともに100オーバー、複勝率30%超という極めて優秀な成績を残している。
また、ダイワメジャー産駒もいい。複勝率、複勝回収値ともに高水準で、当レースでも2年連続で馬券に絡んでいることからも、適正の高さがうかがえる。
一方でハーツクライやブラックタイドの産駒は結果を残せていない。特にハーツクライ産駒は晩成血統であるため、(ポテンシャルが問われるレースとはいえ)やや割引が必要そうだ。