2018年2月25日、阪神競馬場で阪急杯(GⅢ/芝1400m)が行われる。レッドファルクス、モズアスコット、ダイアナヘイロー、ディバインコード、モーニンらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
人気はスプリンターズS連覇の短距離王レッドファルクスに集まりそうだが、もう1頭のGⅠ馬モーニンも侮れない。
前走の阪神カップで芝に初めて挑戦したが、直線で鋭い伸びを見せ芝適性を示した格好だ。ここでは、モーニンが再度の芝挑戦で期待ができる3つのポイントについて掘り下げたい。
目次
ポイント① 前走の上がりは秀逸
芝初挑戦となった前走の阪神カップでは、道中の追走に戸惑いが見え後方からの競馬となったが、上がり3Fを33.7でまとめるレースで6着にまで追い上げた。
レース全体を見るとこの上がりは3番目であり、最速の上がり(33.5)を記録したのは3着のサングレーザーと12着のシュウジである。
サングレーザーはGⅠでも好走(マイルCS・3着)するレベルを持つディープインパクト産駒であり、シュウジはDDSPの影響で直線しか追っていない状況であった。
そういった点を鑑みると、初の芝で置かれる展開、キャリア初となる追い込みでの競馬でこの2頭の上がり時計にコンマ2秒と迫ったモーニンの末脚は評価できると考える。
ポイント② 血統背景は芝もOK
モーニンはヘニーヒューズ産駒であり、イメージ的には条件戦のダート短距離という印象が拭えないものの、重賞クラスの産駒になると芝でも健闘できる地力があるのではないかという仮説を立ててみた。
<ヘニーヒューズ産駒の中央重賞ウィナー>
・ヘニーハウンド(ファルコンS……芝1400m)
・ケイアイレオーネ(シリウスS……D2000m)
・アジアエクスプレス(朝日杯FS……芝1600m、レパードS……D1800m)
・モーニン(根岸S……D1400m、フェブラリーS……D1600m)
以上の4頭がヘニーヒューズ産駒の重賞ウィナーだが、意外なことにダートに極端に寄っている訳ではない。
今年のヘニーヒューズ産駒の勝鞍が全て未勝利戦もしくは条件戦、かつダートのマイル以下に集中していることを考えると、重賞級の馬に関しては芝もこなせるスピード能力が内包されているという仮説はあながち間違っていないように思う。
距離適性的にもモーニンはヘニーハウンドやアジアエクスプレスに近い印象もあり、芝をこなせる余地は十分にあるのだ。
ポイント③ 慣れが見込め位置を取れる
最後は単純なポイントで、芝2戦目で慣れが見込め前走よりは位置を取りにいけるのではないかという部分である。
モーニンの勝鞍を見ると、全て4角3番手以内からの競馬で押し切っているように、本質的には持続的なスピードタイプである。
前走の後方からの競馬は上がりこそ上に書いたように秀逸で能力の証明にはなるが、必ずしもモーニンにとって本意なレースぶりだったかは疑問が残る。
芝でいきなり前に行くまでの変わり身があるかはわからないが、少なくとも前走よりは前目の位置を取ってレースが出来るはずで、それにより本来の持続的なスピードが発揮できれば面白いのではないか。
まとめ
開幕週の馬場は若干気になるものの、砂を被らないでレースが出来る芝はかえって良い可能性が出てきたモーニン。
脚力はこれまでのレースぶりからもこのメンバーに入っても見劣ることはないだろう。
芝2戦目で慣れがあればアッサリもあっても不思議ではない。