今週は函館競馬場で函館スプリントステークス(函館スプリントS/GIII/芝1200m)が行われる。
上位人気に支持されることが確実なのが、春のスプリント王セイウンコウセイ(牡4)だ。高松宮記念を制した乗りに乗る4歳馬、しかも56キロで出走ということで、圧倒的な人気に支持されることが予想される。
しかし、セイウンコウセイが函館スプリントSを制するためには、いくつかの障害をクリアしなければならない。しかも、そのハードルは決して低くない。
今回はセイウンコウセイが函館SSを制する上でパスしなければならない理由に迫っていこう。
目次
プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜
父 | アドマイヤムーン |
---|---|
母 | オブザーヴァント |
母の父 | Capote |
母の母 | PatentlyClear |
性別 | 牡 |
馬齢 | 4 歳 |
生年月日 | 2013年3月8日 |
毛色 | 栗毛 |
馬主 | 西山茂行 |
調教師 | 上原博之(美浦) |
生産牧場 | 桜井牧場 |
産地 | 新ひだか町 |
馬名意味 | 冠名+恒星 |
競走成績
レース名 | 距離S | 着順 | 人気 |
---|---|---|---|
高松宮記G1 | 芝1200 | 1 | 5 |
シルクロHG3 | 芝1200 | 2 | 4 |
淀短距離 | 芝1200 | 1 | 5 |
渡月橋H1600 | 芝1400 | 1 | 11 |
白秋S1600 | 芝1400 | 13 | 8 |
さくらん1000 | 芝1200 | 1 | 1 |
500万下* | 芝1400 | 1 | 4 |
500万下* | 芝1400 | 2 | 4 |
未勝利 | ダ1200 | 1 | 1 |
未勝利 | ダ1200 | 2 | 2 |
未勝利 | ダ1400 | 2 | 6 |
未勝利* | ダ1400 | 2 | 3 |
未勝利* | 芝1600 | 6 | 9 |
未勝利* | 芝1800 | 12 | 4 |
新馬 | 芝1800 | 8 | 9 |
困難な理由その1 血統の壁①
まずはアドマイヤムーン産駒という点が引っかかる。
というのも、アドマイヤムーン産駒は今まで、一度も休み明けで重賞を勝ったことがないのだ。
間隔 | 着別度数 |
---|---|
連闘 | 0- 0- 0- 1/ 1 |
2週 | 3- 1- 0- 14/ 18 |
3週 | 1- 3- 3- 24/ 31 |
4週 | 1- 0- 2- 22/ 25 |
5~ 9週 | 3- 1- 2- 38/ 44 |
10~25週 | 0- 6- 4- 20/ 30 |
半年以上 | 0- 0- 0- 0/ 0 |
間隔 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
連闘 | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
2週 | 16.7% | 22.2% | 133 | 144 |
3週 | 3.2% | 22.6% | 110 | 128 |
4週 | 4.0% | 12.0% | 8 | 20 |
5~ 9週 | 6.8% | 13.6% | 38 | 38 |
10~25週 | 0.0% | 33.3% | 0 | 90 |
半年以上 |
重賞勝ちは間隔が2〜9週に集中している。2カ月半以上、間隔が空いた中で挑んだ重賞では(0−6−4−20)。複勝率は高いものの、勝ち切るまでには至っていない。
例えばアドマイヤムーンの代表産駒、ハクサンムーンは休み明けの戦績が(0−4−0−4)と未勝利。2着には4回来ているが、うち2回が1番人気、2回が2番人気と、上位人気に支持されながら勝つことができていないのだ。
セイウンコウセイも3回の休み明けで2着が1回、2回は着外となっている。
まずは休み明けという関門をクリアする必要があるわけだ。
困難な理由その2 血統の壁②
もう一つ血統的な懸念点があるとすれば、函館芝1200mでアドマイヤムーン産駒が不振という点だ。
種牡馬 | 着別度数 |
---|---|
アドマイヤムーン | 3- 3- 1-42/49 |
勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|
6.1% | 14.3% | 27 | 31 |
こちらは2014年以降に出走したアドマイヤムーン産駒全馬の成績だが、50頭近く走って勝ったのは3頭のみ。回収率を見ると、散々な数字になっている。人気馬はかろうじて走っているが、穴馬は全く走っていないことが分かる。
穴馬が走らないということは、コースにハマっていないということ。適性が高いわけではないため、適正の高い馬に足元をすくわれかねないといえる。
困難な理由その3 1番人気の信頼性は…
さらに、函館スプリントS自体の傾向も気になるところだ。
というのも、函館SSでは一番人気に支持された馬があまりいい成績を残せていない。
日付 | 馬名S | 性齢 | 着順 |
---|---|---|---|
2016 | オメガヴェンデッタ | セ5 | 6 |
2015 | コパノリチャード | 牡5 | 14 |
2014 | ストレイトガール | 牝5 | 11 |
2013 | ドリームバレンチノ | 牡6 | 7 |
2012 | ロードカナロア | 牡4 | 2 |
2011 | カレンチャン | 牝4 | 1 |
2010 | ビービーガルダン | 牡6 | 2 |
2008 | キンシャサノキセキ | 牡5 | 1 |
2007 | アドマイヤホクト | 牡3 | 12 |
勝ったのはカレンチャン、キンシャサノキセキという歴代屈指のスプリンターのみ。ストレイトガールやコパノリチャードは人気を裏切り、最強のスプリント王ロードカナロアも勝ちきれなかった。
理由はいくつかあるが……
・始動戦として使われることが多いため、本気度が高くない
・小回りコースで内に馬が殺到しやすく、前が詰まりやすい
といった要因がある。セイウンコウセイもこのパターンに該当する可能性は十分にあると考えられるのだ。
まとめ
いかがだっただろうか? セイウンコウセイが有力馬の1頭であることは間違いないが、勝ち切るためにクリアしなければならないハードルは決して低くないのだ。
果たしてセイウンコウセイは今までの傾向を打ち破れるのか? そういった観点から出走のときを待つのも面白いだろう。