函館スプリントS2017の予想データ分析…人気馬セイウンコウセイの優勝が困難な3つの理由

今週は函館競馬場で函館スプリントステークス(函館スプリントS/GIII/芝1200m)が行われる。

上位人気に支持されることが確実なのが、春のスプリント王セイウンコウセイ(牡4)だ。高松宮記念を制した乗りに乗る4歳馬、しかも56キロで出走ということで、圧倒的な人気に支持されることが予想される。

しかし、セイウンコウセイが函館スプリントSを制するためには、いくつかの障害をクリアしなければならない。しかも、そのハードルは決して低くない。

今回はセイウンコウセイが函館SSを制する上でパスしなければならない理由に迫っていこう。


目次

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

アドマイヤムーン
オブザーヴァント
母の父Capote
母の母PatentlyClear
性別
馬齢4 歳
生年月日2013年3月8日
毛色栗毛
馬主西山茂行
調教師上原博之(美浦)
生産牧場桜井牧場
産地新ひだか町
馬名意味冠名+恒星

競走成績

レース名距離S着順人気
高松宮記G1芝12005
シルクロHG3芝12004
淀短距離芝12005
渡月橋H1600芝140011
白秋S1600芝1400138
さくらん1000芝12001
500万下*芝14004
500万下*芝14004
未勝利ダ12001
未勝利ダ12002
未勝利ダ14006
未勝利*ダ14003
未勝利*芝16009
未勝利*芝1800124
新馬芝18009

困難な理由その1 血統の壁①

まずはアドマイヤムーン産駒という点が引っかかる。

というのも、アドマイヤムーン産駒は今まで、一度も休み明けで重賞を勝ったことがないのだ。

間隔着別度数
連闘0- 0- 0- 1/ 1
2週3- 1- 0- 14/ 18
3週1- 3- 3- 24/ 31
4週1- 0- 2- 22/ 25
5~ 9週3- 1- 2- 38/ 44
10~25週0- 6- 4- 20/ 30
半年以上0- 0- 0- 0/ 0
間隔勝率複勝率単回値複回値
連闘0.0%0.0%00
2週16.7%22.2%133144
3週3.2%22.6%110128
4週4.0%12.0%820
5~ 9週6.8%13.6%3838
10~25週0.0%33.3%090
半年以上

重賞勝ちは間隔が2〜9週に集中している。2カ月半以上、間隔が空いた中で挑んだ重賞では(0−6−4−20)。複勝率は高いものの、勝ち切るまでには至っていない。

例えばアドマイヤムーンの代表産駒、ハクサンムーンは休み明けの戦績が(0−4−0−4)と未勝利。2着には4回来ているが、うち2回が1番人気、2回が2番人気と、上位人気に支持されながら勝つことができていないのだ。

セイウンコウセイも3回の休み明けで2着が1回、2回は着外となっている。

まずは休み明けという関門をクリアする必要があるわけだ。

困難な理由その2 血統の壁②

もう一つ血統的な懸念点があるとすれば、函館芝1200mでアドマイヤムーン産駒が不振という点だ。

種牡馬着別度数
アドマイヤムーン3- 3- 1-42/49
勝率複勝率単回値複回値
6.1%14.3%2731

こちらは2014年以降に出走したアドマイヤムーン産駒全馬の成績だが、50頭近く走って勝ったのは3頭のみ。回収率を見ると、散々な数字になっている。人気馬はかろうじて走っているが、穴馬は全く走っていないことが分かる。

穴馬が走らないということは、コースにハマっていないということ。適性が高いわけではないため、適正の高い馬に足元をすくわれかねないといえる。

困難な理由その3 1番人気の信頼性は…

さらに、函館スプリントS自体の傾向も気になるところだ。

というのも、函館SSでは一番人気に支持された馬があまりいい成績を残せていない。

日付馬名S性齢着順
2016オメガヴェンデッタセ5
2015コパノリチャード牡514
2014ストレイトガール牝511
2013ドリームバレンチノ牡6
2012ロードカナロア牡4
2011カレンチャン牝4
2010ビービーガルダン牡6
2008キンシャサノキセキ牡5
2007アドマイヤホクト牡312

勝ったのはカレンチャン、キンシャサノキセキという歴代屈指のスプリンターのみ。ストレイトガールやコパノリチャードは人気を裏切り、最強のスプリント王ロードカナロアも勝ちきれなかった。

理由はいくつかあるが……

・始動戦として使われることが多いため、本気度が高くない
・小回りコースで内に馬が殺到しやすく、前が詰まりやすい

といった要因がある。セイウンコウセイもこのパターンに該当する可能性は十分にあると考えられるのだ。

まとめ

いかがだっただろうか? セイウンコウセイが有力馬の1頭であることは間違いないが、勝ち切るためにクリアしなければならないハードルは決して低くないのだ。

果たしてセイウンコウセイは今までの傾向を打ち破れるのか? そういった観点から出走のときを待つのも面白いだろう。

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