本番へ向けて――。
2018年4月22日、東京競馬場でフローラS(GⅡ/芝2000m)が行われる。3着までにオークスの優先出走権が与えられ、素質がありながらも賞金を加算できなかった馬、デビューが遅かったためになんとか出走してくる馬、桜花賞よりもオークスを目標にしている馬など様々な馬が3枚の切符を賭けて激突する。そういう事情もあるためかたびたび大波乱の結果となり、1番人気に支持された馬が強い勝ち方で本番に向かうというケースは非常にまれである。今年は堅く収まるのだろう?それとも……。
今回の注目馬は前走、ゆきやなぎ賞で牡馬相手に勝利したサトノワルキューレだ。連勝で重賞初制覇を成し遂げ本番に向かうことが出来るのか注目が集まる。
果たしてサトノワルキューレは勝って本番に向かうことが出来るのか?過去のデータからその可能性に迫っていこう。
目次
データ① 距離実績
過去10年のデータを見るとJRAの芝1600~2000mのレースで勝利したことがある馬のみが勝っている。過去10年のJRAの芝1600~2000mの優勝経験の有無別成績を見ていこう。
優勝経験 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10- 10- 10- 111/141 | 7.1% | 14.2% | 21.3% |
なし | 0- 0- 0- 33/33 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2008年~2017年
ご覧のように優勝経験のある馬しか勝ち馬はいないが、優勝経験がない馬は連対はおろか3着内もゼロという結果になっている。この時期、ましてや全馬本気で権利を取りに来ているであろうフローラSは距離実績必須ということだ。サトノワルキューレは1800mの新馬戦を勝利しているため問題ない。
データ② 脚質
開幕週ということもあり逃げ馬有利に思われるが、優勝経験はなく先行、差しが中心だ。過去10年の脚質別の成績を見ていこう。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 0- 2- 0- 8/10 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
先行 | 4- 4- 4- 21/33 | 12.1% | 24.2% | 36.3% |
差し | 4- 4- 6- 67/81 | 4.9% | 9.8% | 17.2% |
追込 | 2- 0- 0- 49/51 | 3.9% | 3.9% | 3.9% |
集計期間:2008年~2017年
先行馬が圧倒的に有利なことがわかる。差し、追い込みも一応勝ち馬がいるが連対率、複勝率ともに先行馬に比べれば大きく劣っており強くは押せない。先行馬の押し切り、逃げ馬の逃げ残り、最後に差し馬が届かずもという展開が想像されるだろう。現段階ではサトノワルキューレは差し馬であり取りこぼしの可能性は充分考えられる。
データ③ 前走距離
2000mということもあり、前走1800~2000mが好成績をあげている。前走距離別の成績を見ていこう。
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1400m | 0- 0- 0- 6/6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1600m | 1- 1- 2- 37/41 | 2.4% | 4.9% | 9.8% |
1800m | 7- 7- 4- 53/71 | 9.9% | 19.7% | 25.4% |
2000m | 2- 2- 2- 44/50 | 4.0% | 8.0% | 12.0% |
2000m以上 | 0- 0- 2- 3/5 | 0.0% | 0.0% | 40.0% |
集計期間:2008年~2017年
1600m以下は大苦戦、また2200m以上の長距離からの参戦も数は少ないが苦戦している。逆に1800mからの距離延長組が一番成績が良いという結果からも波乱傾向が読み取れる。本番を考えれば2200m以上で勝ち負けしている馬のほうが良いように思うがスタミナだけでなくスピードも必要不可欠ということなのだろう。前走2400mを勝って挑むサトノワルキューレはデータを見れば人気ほど強くは押せない。
まとめ
いかがだっただろうか? フローラSでは人気になることが予想され注目も集まるだろう。しかしデータを見てみると不安要素が多く、人気ほどの信頼度はないと言ってもいい。波乱が多い舞台ということもあり、不安要素の多さから惨敗もありえるのではないだろうか。
サトノワルキューレがこの様々な困難を乗り越えることが出来れば、怪物アーモンドアイを倒すことも夢ではないだろう。そのためにもこの困難を乗り越えられるのか?注目しよう。