2018年4月22日、東京競馬場でフローラS(GⅡ/芝2000m)が行われる。オハナ、サトノワルキューレ、ディアジラソル、デュッセルドルフ、ノームコア、レッドベルローズらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
樫の女王決定戦GⅠ・オークスに向けて長きにわたって、この時期に行われている重要なステップレースがフローラSだ(距離が2000mとなったのは1987年から、レース名がフローラSとなったのは2001年から)。
ただし、GⅠ・桜花賞出走馬がオークスで好走することも多く、フローラSの出走馬でオークスを勝った例は過去10年では2010年のサンテミリオンのみとなっている(昨年2017年のフローラS勝馬モズカッチャンはオークスで2着)。
また、オークスで好走できる馬はフローラSでは1着か2着馬に限られる傾向にある。
そのため、昨年までは1着から3着馬にオークスへの優先出走権が与えられていたが、実績のある桜花賞上位馬に優先出走権を譲る形で今年から2着までに優先出走権を与えるようにルール変更が行われた。
配当傾向を過去10年で見てみると、2010年を除き三連単はすべて万馬券、2011年と2014年は100万円を超える配当、昨年も単勝12番人気→10番人気→2番人気の組み合わせで397,370円と高配当になっている。
2018年も従来の傾向通りの荒れた決着となるのか、2010年のように一転して人気サイドの決着となるのか。
開催に際し、競馬TIMES編集部では予想の参考になりそうなデータをいくつかピックアップして紹介する。人気、血統、枠順、ローテーションなど、予想のポイントになりそうなデータとは?
対象データ:2008年~2017年に行われたフローラS
目次
ポイント1 人気薄は消し!
樫の女王決定戦GⅠ・オークスに向けて、桜花賞組が有力視される中で挑戦者を決める意味合いの強いフローラS。やはり、前評判も高く実力を発揮した馬が掲示板を確保することが多く、人気薄を検討の対象とすることは得策と言えない。
人気 | 着別度数 |
---|---|
5-18人気 | 2- 4- 5-124/135 |
人気 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
5-18人気 | 1.5% | 8.1% | 47 | 101 |
集計データを見ると、複勝回収値を中心にそれなりに3着以内に入っているように感じられるかもしれないが、様々な重賞と比較してみた場合に単勝5番人気以下の数字としては芳しくないことから消しと判定していいだろう。
※以降、4番人気以内を対象に集計
ポイント2 父・ロイヤルチャージャー系以外は消し!
次に血統面からポイントを探した場合、父・ロイヤルチャージャー系のみが活躍しているといっても過言ではない。ディープインパクトやハーツクライ、マンハッタンカフェなど現役時代の成績だけでなく種牡馬としても優秀な成績を残しているロイヤルチャージャー系にとって、クラシックで活躍するようなマイルから中距離で特に目立ちフローラSは絶好の舞台と言える。
父系統 | 着別度数 |
---|---|
ロイヤルチャージャー系以外 | 2- 0- 2- 7/ 11 |
父系統 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
ロイヤルチャージャー系以外 | 18.2% | 36.4% | 90 | 74 |
昨年2017年こそ勝利したモズカッチャン、2着ヤマカツグレース共にニアークティック系種牡馬ハービンジャー産駒と珍しく2頭がロイヤルチャージャー系以外となったが、2012年から2014年は3年連続で1着から3着まですべてロイヤルチャージャー系となっている。
ポイント3 ノーザンファーム生産馬は消し!
馬産地について注目をすると、クラシック戦線で中心となる距離になると社台グループが現在の日本競馬界を席巻していて、中小の個人牧場の生産馬が馬券圏内に食い込んでくるのはなかなか難しいが、牡馬に比べると牝馬路線ではその傾向は薄れる。フローラSでは社台グループの中でもノーザンファームの成績が今ひとつと言える。
生産牧場 | 着別度数 |
---|---|
ノーザンファーム | 3- 0- 2- 9/14 |
生産牧場 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
ノーザンファーム | 21.4% | 35.7% | 132 | 82 |
2009年は出走頭数18頭のうち半分9頭がノーザンファームの生産馬となったが、単勝1番人気だった武豊騎手騎乗のミクロコスモスが14着に敗退し、最先着が7着のリュシオルという結果だった。
ポイント4 前走1着以外は消し!
桜花賞組への挑戦者を決める一戦であるフローラSでは3歳限定戦らしく勝ち抜き戦の様相がまだまだ強く、前走も勝利して実力を確実につけてきた馬が結果を残せている。
前走着順 | 着別度数 |
---|---|
1着以外 | 4- 4- 4-15/27 |
前走着順 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
1着以外 | 14.8% | 44.4% | 71 | 83 |
前走2着以下でフローラSでは3着以内に食い込めた12頭中過半数を超える7頭は前走がGⅢ・フラワーCとなっていて、特に重賞以外で2着以下に敗退した馬の活躍が難しいことがわかる。
まとめ 消しデータを取り除くと?
では、ここまで挙げてきた消しデータを取り除くと、どのような成績になるのだろうか?
着別度数 |
---|
2- 2- 1- 1/ 6 |
勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|
33.3% | 83.3% | 138 | 166 |
なんと、好走率は8割超、回収率も150%超を弾き出し極めて優秀な成績となった。
今年はこのデータに該当する馬を軸に添えてみても、いいかもしれない。