前走の末脚は完全復活とみていいのか?
2018年2月18日、東京競馬場でフェブラリーステークス(GI/ダート1600m)が行われる。テイエムジンソク、ゴールドドリーム、ノンコノユメ、サンライズノヴァ、ケイティブレイブらが出走する。
前走の根岸Sで久々の勝利を挙げたノンコノユメ。距離短縮と馬場がハマったような印象もあるが、それ以上に期待できる要素がレース中に見え隠れしていた。
今回、この記事ではノンコノユメが完全復活を果たしたと考えられる3つの要素について書いていきたい。
目次
要素① 自己最速上がりを記録、去勢の弊害も解消
前走の根岸Sが単なるフロックではないのは、上がりタイムを見てもらえればわかりやすい。
デビュー以来9戦連続でそのレースでの上がり最速を記録し、続くチャンピオンズC(3歳時)も上がり2番目で2着、4歳になり次走のフェブラリーSも上がり最速の末脚で惜しくも2着。
その後のかしわ記念と帝王賞は地方交流ということもあり若干前目につけてのレースとなり上がり最速とはいかなかったが、レースぶりに「らしさ」は見られた。
その後、気性面の課題が解消されなかったため陣営は去勢という決断に踏み切る。
これが、当面はアダとなってしまった。
確かに気性的な進歩はみられたが、闘争心を失ったノンコノユメはかつてのような豪脚を使うことが出来なくなり、成績が落ち込んでしまった。
その後、去年のフェブラリーSでも全くらしさのないレース。その後は休養に入ってしまった。
しかし、その休養明けの武蔵野Sでは伸びきれなかったものの一瞬の反応は全盛期を思わせるものがあり、密かに復活の気配が感じ取れた。
陣営の努力が結実したのは前走の根岸S。
展開と距離短縮、馬場の影響も多分にはあるかもしれないが、ダートコースで上がり3F34.2は自己ベストの時計。単純なタイムというよりも、追ってからの反応ガゴールまで続いた辺りに、去勢の影響で失われてしまった闘争心という部分での復活を確信できた。
要素② 気性面での良化がようやく本物に
もちろん、闘争心だけで早い上がりが使えるようになったわけではない。
前走の根岸Sは距離短縮でペースが早くなった部分もあるだろうが、道中リラックスして追走できていた。これがタメの利いた要因でもあるだろう。
元来、去勢をしてもどことなくコントロールの利きづらい気性があった。気を抜いたり集中力を欠くような場面もみられ、それが勝負どころで置かれたりする要因にもなっていただろう。
去勢によって心身のバランスが崩れたものの、それがようやく今になって結実したという印象だ。レース前の気性面の良化という部分では去勢効果もある。
要素③ 内田騎手とは手が合っている
前走の内田騎手の手綱さばきを見るに、今のノンコノユメとは手が合っていそうなのも頼もしい。
テンに置かれやすいタイプなので、ある程度追っつけてリズムを作る内田騎手は闘争心の確保に良い影響を与えているのだろう。前走は初めての1400m・ハイペースでもそれほど置かれずに追走できたのはその証拠だ。
また、東京の長い直線を集中力を切らさずにビッシリと追ってくれることによって、ノンコノユメ元来のポテンシャルである豪脚を引き出してくれたとも見える。
今回も継続騎乗であり、さらに手の内に入れてくれればGⅠの舞台でも期待は高まる。
まとめ
好メンバーが揃った今回のフェブラリーSであるが、完全復活を果たしたノンコノユメの末脚が爆発すれば見劣ることはないだろう。
重要なのはレース前の心身のバランス。のんびりしすぎてもいけないし、テンションが上りすぎても良くないタイプ。当日の気配、そして返し馬での内田騎手との呼吸に注目したい。