ダービー卿CT2018の競馬予想データ分析…5つの注目点から浮上する激走馬とは?

2018年3月31日、中山競馬場でダービー卿CT(GⅢ/芝1600m)が行われる。グレーターロンドン、レッドアンシェル、マルターズアポジー、ソルヴェイグ、ゴールドサーベラス、キャンベルジュニアらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

春のマイル王決定戦GⅠ・安田記念に向けての前哨戦の一つとして1996年から芝1600mで(ハンデ戦となったのは2002年から)行われているレースがダービー卿CTである。

それでも久しくダービー卿CTの次走に安田記念に直行した馬の活躍は見られなかったが、2015年のダービー卿CTの勝馬モーリスは安田記念でも連勝を飾っている。

また、翌年2016年もダービー卿CTで2着だったロゴタイプが安田記念で単勝8番人気と低評価を覆すような逃げで2013年の皐月賞以来のGⅠ勝利を飾っているように近年では安田記念でも結果が出るようになったレースとも言える。

なお、古馬の牡馬も参戦できるマイル戦のハンデ重賞は現在、年間でもダービー卿CT以外には1月の京都金杯、7月の中京記念、9月の京成杯オータムハンデのGⅢ3レースしか行われていない。

配当傾向を過去10回で見てみると、ハンデ戦ということもあり毎年万馬券となっていて特に2008年には単勝4番人気→9番人気→16番人気の組み合わせで3連単1,001,530円と100万馬券の大荒れになった。

2018年も従来の傾向通りの荒れた決着となるのか、一転して人気サイドの決着となるのか。

今回は中山競馬場で行われた2007年以降のダービー卿CTの結果を元としてデータ分析するが、特に過去の穴馬の共通項から激走馬を探っていく(2011年は阪神競馬場で行われたため対象外)。


目次

過去10回の該当馬(2007年以降・単勝6番人気以下で3着以内)

着順馬名
20153インパルスヒーロー
20142カオスモス
20143インプロヴァイズ
20122オセアニアボス
20123ネオサクセス
20101ショウワモダン
20092マイネルファルケ
20093マヤノライジン
20082ドラゴンウェルズ
20083ダンスフォーウィン
20071ピカレスクコート
20072コイウタ
20073マイネルハーティー

注目点① 人気薄を狙うなら人気に関係なく検討を!

該当馬のリストを見てもわかるように、過去10年で馬券圏内に入った延べ30頭のうち単勝6番人気以下が13頭と4割を超えるように高配当を裏付ける結果となっていて積極的に人気薄を狙うことも考えなければならない。

ただし、過去10回の内、昨年2017年のように1頭もリストアップされていない年もある。

また、人気別に見ると、過去10回で単勝1番人気2勝、2番人気0勝、3番人気1勝と上記人気馬の成績がことごとくふるわないことがわかるが、今回の該当馬を見ると、単勝30倍以下の極端な人気薄を狙うのが得策ではないこともわかる。

人気別集計 ダービー卿CT 過去10回

人気着別度数勝率複勝率
1番人気2- 2- 0- 6/ 1020.0%40.0%
2番人気0- 0- 3- 7/ 100.0%30.0%
3番人気1- 0- 0- 9/ 1010.0%10.0%
4番人気2- 3- 0- 5/ 1020.0%50.0%
5番人気3- 0- 1- 6/ 1030.0%40.0%
6番人気0- 0- 0- 10/ 100.0%0.0%
7番人気2- 1- 1- 6/ 1020.0%40.0%
8番人気0- 0- 1- 9/ 100.0%10.0%
9番人気0- 3- 1- 6/ 100.0%40.0%
10番人気0- 1- 0- 9/ 100.0%10.0%
11番人気0- 0- 1- 9/ 100.0%10.0%
12番人気0- 0- 1- 9/ 100.0%10.0%
13番人気0- 0- 0- 10/ 100.0%0.0%
14番人気0- 0- 0- 10/ 100.0%0.0%
15番人気0- 0- 0- 10/ 100.0%0.0%
16番人気0- 0- 1- 7/ 80.0%12.5%

集計期間:2007年 ~ 2017年

馬名人気単勝オッズ
2015インパルスヒーロー924.4
2014カオスモス924.5
2014インプロヴァイズ822.1
2012オセアニアボス1016.9
2012ネオサクセス713.4
2010ショウワモダン716.6
2009マイネルファルケ711.6
2009マヤノライジン1220.9
2008ドラゴンウェルズ918.6
2008ダンスフォーウィン1680.5
2007ピカレスクコート715.7
2007コイウタ928.3
2007マイネルハーティー1133.4

注目点② 父・ロイヤルチャージャー系かネイティブダンサー系に注目

過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った13頭中11頭がロイヤルチャージャー系かネイティブダンサー系種牡馬となっている。

現在の日本競馬でディープインパクトやステイゴールド、オルフェーヴルに代表されるように現在の日本種牡馬界の王道とも言えるロイヤルチャージャー系の成績は、クラシックで活躍するようなマイルから中距離で特に際立っている。

また、ネイティブダンサー系の代表種牡馬はキングカメハメハで、本来競馬場・距離問わず比較的成績を残す万能型でありダービー卿CTでも人気がなくても注意が必要だ。

種牡馬系統別集計 ダービー卿CT 過去10回

種牡馬系統着別度数勝率複勝率
ロイヤルチャージャー系7- 6- 6-70/897.9%21.3%
ネイティヴダンサー系1- 2- 2-19/244.2%20.8%
ニアークティック系1- 2- 1-25/293.4%13.8%
ナスルーラ系1- 0- 1-13/156.7%13.3%
その他のエクリプス系0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%

集計期間:2007年 ~ 2017年
ソート:着別度数順

馬名父系統種牡馬
インパルスヒーローニアークティック系クロフネ
カオスモスネイティヴダンサー系マイネルラヴ
インプロヴァイズネイティヴダンサー系ウォーエンブレム
オセアニアボスロイヤルチャージャー系Red Ransom
ネオサクセスロイヤルチャージャー系ネオユニヴァース
ショウワモダンナスルーラ系エアジハード
マイネルファルケロイヤルチャージャー系ムタファーウエク
マヤノライジンロイヤルチャージャー系マヤノトップガン
ドラゴンウェルズロイヤルチャージャー系Dynaformer
ダンスフォーウィンロイヤルチャージャー系ダンスインザダーク
ピカレスクコートネイティヴダンサー系ジェイドロバリー
コイウタロイヤルチャージャー系フジキセキ
マイネルハーティーネイティヴダンサー系マイネルラヴ

注目点③ 前走は中山か阪神で出走

今回の該当馬13頭すべてが前走は中山競馬場か阪神競馬場で出走していた。

レース間隔だったり、中山競馬場とのコース適性を調教師など関係者が考慮・調整して出走した結果が、人気に関係なく着順に反映されていることがわかる。

前走場所別集計 ダービー卿CT 過去10回

前走場所着別度数勝率複勝率
札幌0- 0- 0- 0/ 0
函館0- 0- 0- 0/ 0
福島0- 0- 0- 2/ 20.0%0.0%
新潟0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%
東京1- 1- 0- 22/ 244.2%8.3%
中山4- 8- 9- 49/ 705.7%30.0%
中京0- 0- 0- 4/ 40.0%0.0%
京都1- 0- 0- 13/ 147.1%7.1%
阪神4- 1- 0- 31/ 3611.1%13.9%
小倉0- 0- 0- 5/ 50.0%0.0%
地方0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%
海外0- 0- 1- 0/ 10.0%100.0%

集計期間:2007年 ~ 2017年

馬名前走場所
インパルスヒーロー中山
カオスモス中山
インプロヴァイズ中山
オセアニアボス阪神
ネオサクセス中山
ショウワモダン中山
マイネルファルケ中山
マヤノライジン中山
ドラゴンウェルズ中山
ダンスフォーウィン中山
ピカレスクコート阪神
コイウタ中山
マイネルハーティー中山

注目点④ 前走は中団か後方脚質馬が活躍!

過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った13頭中11頭が前走で中団か後方からのレースをしていた。

中山競馬場芝1600mのコースはスタートしてすぐコーナーがあることから難しいコースとしても知られ、騎手の駆け引きも重要な要素となり逃げ先行馬を見ながらレースを進めることができる中団・後方馬がダービー卿CTでは好走できている。

前走脚質別集計 ダービー卿CT 過去10回

前走脚質着別度数勝率複勝率
逃げ0- 1- 0- 6/ 70.0%14.3%
先行1- 4- 2- 34/ 412.4%17.1%
中団7- 3- 5- 48/ 6311.1%23.8%
後方2- 2- 2- 35/ 414.9%14.6%
マクリ0- 0- 0- 3/ 30.0%0.0%

集計期間:2007年 ~ 2017年

馬名前走脚質
インパルスヒーロー中団
カオスモス先行
インプロヴァイズ中団
オセアニアボス後方
ネオサクセス中団
ショウワモダン中団
マイネルファルケ逃げ
マヤノライジン中団
ドラゴンウェルズ中団
ダンスフォーウィン後方
ピカレスクコート中団
コイウタ中団
マイネルハーティー後方

注目点⑤ 前走もマイル戦

今回の該当馬13頭中10頭が前走でもマイル戦を使われている。

マイル前後の距離から挑戦する馬も多い中で、他馬との比較で人気を落としていてもマイル適性のある馬が活躍できていることがわかる。

前走距離別集計 ダービー卿CT 過去10回

前走平地距離着別度数勝率複勝率
1000m0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%
1200m0- 1- 0- 5/ 60.0%16.7%
1400m3- 1- 0- 16/ 2015.0%20.0%
1600m6- 7- 6- 67/ 867.0%22.1%
1800m1- 1- 3- 25/ 303.3%16.7%
2000m0- 0- 1- 10/ 110.0%9.1%
2100m0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%
2200m0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%
2400m0- 0- 0- 0/ 0
3000m0- 0- 0- 1/ 10.0%0.0%

集計期間:2007年 ~ 2017年

馬名前走距離
インパルスヒーロー1600
カオスモス1600
インプロヴァイズ1600
オセアニアボス1400
ネオサクセス1800
ショウワモダン1600
マイネルファルケ1600
マヤノライジン1600
ドラゴンウェルズ1200
ダンスフォーウィン1600
ピカレスクコート1600
コイウタ1600
マイネルハーティー1600

まとめ

ここまでの5つの注目点から、人気薄で激走する可能性のある馬を選定すると次の2頭が該当する。

アデイインザライフ
ダイワリベラル

なお、本原稿は特別登録の段階で執筆しているが、今年のダービー卿CTの登録頭数は21頭となっていて収得賞金の関係で出走できない馬も多いので注意が必要だ。

後は予想時点での単勝人気やオッズも確認の上、検討を加えていくのも、面白いのではないだろうか。

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