ドバイワールドカップ2018の競馬予想分析…現役最強外国馬牝馬への4つの期待

2018年3月31日、ドバイのメイダン競馬場でドバイワールドカップ(GI/ダート2000m)が行われる。ウエストコースト、タリスマニック、ムブタヒージ、サンダースノー、アウォーディー、フォーエバーアンブライドルドらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

アメリカの6歳牝馬フォーエバーアンブライドルドは、パーソナルエンスンS、ブリーダーズCディスタフとダートGⅠを連勝中。今回も勝てば牝馬として史上初のドバイワールドC制覇となるが、その可能性は十分にありそうだ。その期待値に迫っていく。


目次

期待① アメリカの現役No.1牝馬

父がアンブライルズソング、母がレモンズフォーエバー、全姉がアンブライドルドフォーエバー……。フォーエバーアンブライドルドという馬名は、何とも安易に付けられたような印象を受けるが、その実力は本物だ。

3歳時のケンタッキーオークスは11着と歯が立たなかったが、徐々に力を付けて同年11月に重賞ウイナーの仲間入りを果たすと、4歳となって4月のアップルブラッサムH(ダート1700m)でGⅠ初制覇。ベルデームS(ダート1800m)でGⅠタイトルをもう1つで重ねて臨んだ同年のブリーダーズCディスタフ(ダート1800m)では、ビホルダー(GⅠ11勝)、ソングバード(GⅠ9勝)という歴史的名牝2頭に次ぐ3着に入った。

5歳シーズンの昨年はさらにパワーアップし、8月のパーソナルエンスンS(ダート1800m)では、GⅠ10勝目を狙った前述のソングバードを最後方から差し切って優勝。前年の雪辱を期して臨んだブリーダーズCディスタフでは、前走と一転して直線入り口で先頭に立つ積極的なレースぶりを見せると、同年のケンタッキーオークスからGⅠ3連勝中だったエイブルタスマンの追撃を寄せ付けず、GⅠ4勝目を飾った。

アメリカの年度代表馬を決めるエクリプス賞の最優秀ダート古牝馬に輝き、その実力はアメリカの現役牝馬でNo.1。アメリカでNo.1ということはすなわち、ダートの世界No.1牝馬と言えるだろう。

国際レーティングは119ポンド。セックスアローワンスで牝馬は4ポンド加算されるため123ポンドとなり、出走馬の中で124ポンドのウエストコーストに次ぐ高い数値を与えられている。牡馬との対戦は初めてになるが、今までに戦ってきた相手を考えれば、牡馬相手に格負けすることはなさそうだ。

期待② 好調を維持

今回は、ブリーダーズCディスタフ以来4か月ぶりになるが、もともと鉄砲が利くタイプ。左前肢球節の骨片除去手術を経て7か月ぶりだった昨年6月のフルールドリスH(米GⅡ、ダート1800m)も何なく快勝したように、休み明けはマイナスにならない。

3月15日にアメリカ・フェアグラウンズ競馬場のダートコースで4F59.6秒の一番時計をマークしたように、依然好調を維持しているとみていい。

期待③ ミスタープロスペクターのクロス

ドバイワールドCはミスタープロスペクター系が圧倒的に強い。昨年の1着アロゲート、2着ガンランナーはともにミスタープロスペクター系で、2015年2着、2016年1着のカリフォルニアクロームも母の父がミスタープロスペクター系。ダートでの施行に戻った2015年から、連対馬6頭は全て父が母の父がミスタープロスペクター系なのだ。

さらに、過去3年の優勝馬はいずれもミスタープロスペクターのクロスを持っていた(2015年プリンスビショップは4×4、2016年カリフォルニアクロームは4×3、2017年アロゲートは4×4)。今年、同じようにミスタープロスペクターのクロスを持っているのがフォーエバーアンブライドルド。しかも、父がアンブライドルズソングで4×4のクロスという点は、アロゲートと全く同じだ。

母レモンズフォーエバーはケンタッキーオークスの優勝馬で、全姉アンブライドルドフォーエバーもGⅠ馬。世界中の強豪が集まった今回のメンバーに入っても、底力は全く引けを取らない。

期待④ 鞍上は世界的名手

騎乗するマイク・スミス騎手は、通算5000勝以上を挙げ、既にアメリカ競馬の殿堂入りを果たしている世界的な名手。ゼニヤッタ、アゼリ、スカイビューティー、ホーリーブル、スキップアウェイ、オーサムアゲインなど幾多の名馬に騎乗し、数多くのビッグレースを制している。ドバイワールドCも昨年、アロゲートで制覇。アンブライドルズソングの主戦も務めた。

加えて、今回最有力視されているウエストコーストのGⅠ2勝時でともに手綱を取っていた。最大のライバルを熟知している点は、何とも頼もしい。昨年のブリーダーズCクラシックでアロゲートに騎乗するためにウエストコーストの鞍上をカステリャーノ騎手に譲ったが、今回はフォーエバーアンブライドルドを自ら選択して臨む。

まとめ

今年のドバイワールドCは、戦績でも下馬評でもウエストコーストが頭ひとつ抜けた存在と言える。そんな中、ペガサスワールドCでウエストコーストに逆転不可能とも思える決定的な差をつけられたガンナヴェラ、ダート初挑戦となるタリスマニック、アメリカの一線級との対戦歴がないノースアメリカといった他の人気馬より、フォーエバーアンブライドルドは大きな可能性を秘めている。

おすすめの記事