2019年3月30日(日本時間3月31日)、UAE・メイダン競馬場でドバイシーマクラシック(GⅠ/芝2400m)が行われる。
日本からはレイデオロ、スワーヴリチャード、シュヴァルグランが出走。果たして彼らは異国の地でGI制覇の快挙を成し遂げることができるのか?
今回は、主に過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの勝ち馬候補を予想していく。
2019年の主役候補は?
国際GⅠに昇格した2002年以降、日本馬は06年ハーツクライ、14年ジェンティルドンナと2勝。ただ、10年にGⅠ3勝(当時)のブエナビスタが2着、13年にGⅠ4勝(当時)のジェンティルドンナが2着、16年に2冠馬ドゥラメンテが2着、昨年もダービー馬レイデオロが4着に敗れるなど勝ち切れないことも多く、日本馬が強いドバイターフと比べると欧州馬が優勢と言える。
昨年優勝したホークビルは、イギリスとドバイに拠点を構えるアップルビー厩舎の所属馬で、ドバイシーマクラシックと同舞台で行われるGⅡ・ドバイシティオブゴールド1着から臨んだ。今年も、同じアップルビー厩舎が送り出し、前走のドバイシティオブゴールドで重賞3勝目を飾ったオールドペルシアンが最有力になる。
続いて有力になるのがマジックワンド。管理するのはアイルランドの名門・オブライエン厩舎で、世界的名手のムーア騎手が手綱を取るのも魅力だ。重賞勝ちは英GⅡ1勝ながら、ヴェルメイユ賞、オペラ賞、前走のペガサスワールドカップターフとGⅠで2着3回の実績がある。牝馬は、過去10年で3勝している。
日本馬に目を向けると、やはり中心となるのはダービー馬レイデオロ。今年初戦となるが、ハーツクライが同じ有馬記念からの参戦で結果を出している。昨年は折り合いを欠いて4着に敗れたが、精神的に成長しており、海外遠征も2度目となる今年は、当時以上のパフォーマンスを期待していいだろう。2014年から5歳馬が5連勝中というデータも追い風になる。
同じ5歳のスワーヴリチャードは初めての海外遠征で、中山記念4着をステップにして臨む。重賞4勝中3勝を左回りで挙げており、左回りに替わるのはプラスと言えそうだ。ただ、昨秋からの3戦はやや精彩を欠く内容。昨年の大阪杯でGⅠ初制覇を飾っており、この時期は合いそうなので、いい頃の調子を取り戻しているかがカギになるだろう。
もう1頭の日本馬シュヴァルグランは、7歳という年齢が気になるところ。過去10年で7歳以上の優勝はなく、2007年のヴェンジェンスオブレインまで遡る必要がある。ただ、同馬は南半球産で、北半球産の馬より生まれが半年遅い。これを度外視すると、GⅠに昇格してから7歳以上の優勝は2004年ポリッシュサマー(7歳、フランス所属)の1例のみ。シュヴァルグランは前走の有馬記念で3着と健在ぶりを示しているものの、5歳の2頭に比べると割り引きは必要だろう。