牡馬相手に勝てるのか――。
2018年3月31日、メイダン競馬場でドバイシーマクラシック(GⅠ/芝2400m)が行われる。過去に様々な日本馬が挑戦しており、GⅡ時代にはステイゴールドが、2014年にはジェンティルドンナが勝利しており他にも様々な馬達が好走しており日本においても馴染み深いレースとなっている。今年は日本馬が3頭出走する予定であり、しかも3頭ともGⅠホースとなれば強力な海外馬がいても期待が高まることだろう。
今回注目するのは昨年のエリザベス女王杯を制したハービンジャー産駒の牝馬モズカッチャンだ。前走の京都記念ではレイデオロとハナ差の4着と休み明けながら同世代のトップと互角の勝負をして見せ、世代トップクラスの実力を見せ付けた。初の海外とはいえ期待も高まる。
果たしてモズカッチャンは初の海外遠征、更に牡馬相手に勝利を収めることが出来るのか? 過去8年のデータからその可能性に迫っていこう。
目次
データ① 性別
過去8年のデータを見ると牝馬の好走率が非常に高い。性別別の成績を見ていこう。
性別 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
牡・セン馬 | 5- 5- 7- 60/77 | 6.5% | 13.0% | 22.1% |
牝馬 | 3- 3- 1- 7/14 | 21.4% | 42.9% | 50.0% |
集計期間:2010年~2017年
牝馬の成績がずば抜けて高いことがわかるだろう。反対に牡馬のほうは牝馬との力量の差を考えると物足りないと言える。混合、遠征という条件を考えると牝馬を出走させて来る陣営は勝ち負けする自信がある馬を送り込んでくるということなのだろう。そう考えれば納得できる結果であり牝馬を無視することは出来ない。モズカッチャン陣営も自信があるからこその挑戦だろう。
データ② 4角位置取り
メイダン競馬場に開催が変更になってからは4コーナーの位置取りが非常に重要となった。4角の位置取り別の成績を見ていこう。
4角位置取り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
先頭 | 2- 0- 1- 5/8 | 25.0% | 25.0% | 37.5% |
2~5番手 | 5- 6- 3- 18/32 | 15.6% | 34.4% | 43.8% |
6~9番手 | 1- 2- 4- 23/30 | 3.3% | 10.0% | 23.3% |
10番手以下 | 0- 0- 0- 20/20 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2010年~2017年
4角先頭の勝率が一番良い。ただし逃げ馬の全て着外であり、これは全て早め先頭に立った馬の成績である。逃げ、追込などの極端な脚質は切って問題ない。勝つための条件は好位でレースが出来る馬、もしくは早めに動いていける馬である。前走こそ後方からの競馬であったが本来は好位からの競馬を得意としており、更に長く良い脚が使えるハービンジャー産駒ということもあり絶好の舞台なのではないだろうか?
データ③ 系統
過去8年の勝ち馬の父を見るとシングスピール、タイガーヒル、モンジュー、アザムールなどのノーザンダンサー系が4勝をあげており、連対率、複勝率を見てもノーザンダンサー系がトップとなっている。次いで良いのは、ディープインパクト、ハーツクライ、スペシャルウィークなどのサンデーサイレンス系であり、その次はドバウィ、キングカメハメハなどのミスタープロスペクター系の好走率が高い。父にノーザンダンサー系のハービンジャーを持ち、更に母の父にキングカメハメハを持つモズカッチャンは血統的にも非常に魅力的だ。
まとめ
いかがだっただろうか? 今回が初の海外遠征、長距離輸送と不安な面は確かにあるが、全てのデータが揃っていることが非常に好感が持てる。しかも牝馬の好走率がとても高いレースであり、特に血統のバックボーンは非の打ち所がないなど人気とは裏腹に絶大な信用度といっても過言ではなく大仕事が期待出来るだろう。
日本馬3頭による上位独占、そして牝馬であるモズカッチャンが牡馬相手に鮮やかな勝利を収めるのを楽しみに待とうではないか。