今後のダート界の主役となるために――。
2017年12月3日、中京競馬場でチャンピオンズカップ(チャンピオンズC/GI/ダート 1800m)が行われる。国内GI初出走となるロンドンタウンだが、エルムステークスでは今回上位人気となることが予想されるテイエムジンソクを交わしてレコード勝ちしており、国内GI初制覇に期待が集まる。
しかし、ロンドンタウンがチャンピオンズCを制するためには、並み居る強豪を退けなければならない。GI制覇の壁は決して低くないが、これからのダート界を牽引する存在となるためには上位に食い込みたい。
今回はロンドンタウンがチャンピオンズCに臨む上での期待、不安について考察していこう。
目次
期待① 近2走強豪を退けての勝利
ロンドンタウンは2走前のエルムSでダントツ1番人気を背負ったテイエムジンソクを直線で交わして見事優勝している。また、前走コリアCはレースレベルが疑われることもあるが、クリソライトを抑えての勝利は評価できる。
近走の結果から状態が上向き、充実期を迎えていることが分かる。
特にクリソライトを退けて勝ったことはロンドンタウンの国内GI初挑戦に大きな期待が込められる要因だろう。クリソライトは7歳ではあるがまだまだ老け込みと見限るのは時期尚早で、これからもダート界を牽引する1頭である。
その馬相手に先着した勢い、充実ぶりから国内GIでも期待できるだろう。
期待② 平安ステークスで学んだ勝利の方程式
ロンドンタウンは平安Sで勝ち馬から2.1秒差の12着に惨敗した。
この敗因について関係者は、詰めて使ったことの疲労と仕掛けるタイミングが早かったことを挙げている。実際これまでの勝利はほとんどが最速上がりをマークしてのものだ。
エルムSへは放牧によってリフレッシュして臨んだ。直線までじっくり脚を溜めて我慢し、直線からいい脚で前を差し切っての勝利だった。
チャンピオンズC前も放牧を挟んでリフレッシュしており、万全の状態で出走することが期待される。平安Sの負けから学んだ勝利の方程式は重賞2連勝という答えを導き出している。
チャンピオンズCでもこの方程式が通用すれば、国内GI初出走となるロンドンタウンにも優勝の期待が持てるかも知れない。
不安① 海外遠征明けの戦い
ロンドンタウンはエルムSをレコード勝ちし、続いて韓国で行われたコリアカップ(ダート/1800m)も制した。海外帰り、9月以来の出走と不安が生じるローテーションでのチャンピオンズC出走となる。
過去10年間のチャンピオンズC前走別成績に注目してみると、前走にJBCクラシック、武蔵野ステークス、エルムSに出走した馬の好走が目立つ。また近3年の優勝馬は前走でJBC競走に出走していた。
コリアCは2016年に創設された歴史の浅いレースである。昨年優勝したクリソライトがチャンピオンズCに出走していないため、このローテーションで臨む馬は初めてである。海外遠征帰りであることも含めてロンドンタウンの好走率は未知数だ。
海外帰りから以前の走りを再現するのは難しい場合が多く、本レースでは本来の力を遠征帰りに発揮することができるかが大きなカギとなる。
不安② GI馬との厳しい一戦
ダート頂上決戦チャンピオンズCに出走するメンバーには、過去にGIを制した馬や重賞馬が出走する。対戦したことのない相手が多く、既存メンバーに挑む新興勢力の一角という位置取りである。
コリアCやエルムSより出走メンバーが上がっているのは明確であり、そもそも力が足りるのかが不安材料となる。ダート界を引っ張る勢力にどこまで力が通用するか見極めなければならない。
不安③ 苦手とする中京の舞台
ロンドンタウンはこれまでに中京競馬場でダート戦を3度経験している。しかし、はこべら賞(500万下)での5着が最高順位と、中京では結果を残せていない。
また、中京競馬場は左回りコースだが、右回りと左回りの複勝率に着目しても、右回り67%(5-3-0-4/12)、左回り25%(2-0-0-6/8)と、右回りを得意としている可能性がある。
ロンドンタウンがダート界一線級に台頭するには不安材料であるコース適性も克服する必要があるわけだ。
まとめ
チャンピオンズCでは、ダート界を牽引する既存勢力とロンドンタウンを含む新興勢力との力比べとなる。2連勝と波に乗るロンドンタウンにとっても厳しいレースとなることは避けられないが、上位に食い込む可能性は決して低くない。
果たして、勢いのまま上昇するロンドンタウンは、今後のダート界を引っ張る主役として台頭できるのだろうか。ダート界の頂上を決める一戦、チャンピオンズCは、12月3日午後3時30分にスタートが切られる。