もう一度輝けるのか? 本当に、背水の陣となる――。
2017年12月2日、阪神競馬場でチャレンジカップ(チャレンジC/GIII/芝 2000m)が行われる。モンドインテロ、デニムアンドルビー、サトノクロニクル、マキシマムドパリらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
注目の1頭が、再起を期すデニムアンドルビーだ。復活はなるのかどうか、期待できる面と心配な面を探っていこう。
目次
期待・胸を張れる実績
今回のメンバーを見渡すと「重賞か、オープン戦か、わからない」というような構成になっている。
人気になるであろうサトノクロニクルやモンドインテロは重賞勝利がなく、その他のメンバーもG1では実績がない。マキシマムドパリの秋華賞3着、エリザベス女王杯における4着が目立つ程度だ。
その中で、デニムアンドルビーはずば抜けている。ジャパンカップ、宝塚記念での連対を見れば、明らかに格上と言えるだろう。G1で人気に推されたことも何度もある。ゴールドシップと真っ向勝負したレースもあった。
走ってきた大舞台は数多とある。このメンバーなら底力の差を見せても何ら驚けない。
期待・得意の阪神コース
この馬は全3勝中2勝を今回の舞台阪神コースで挙げている。
また、前述の通り宝塚記念や阪神大賞典での大激走もこの舞台だ。最後に坂がありパワーを求められるこのコースは同馬の堅実な末脚にぴたりと嵌っており、復活があるならこのコースになる可能性は十分。
今年の鳴尾記念でもコンマ4秒の差と着順ほど負けておらず、今回はそれ以上も期待できるだろう。
不安・結果が出ない近走
もっとも、近況を見ると20連敗中という状況にある。
ローズステークスを勝った時は6戦3勝だった戦績が、今では26戦3勝だ。9戦連続でG1に出走するなど、厳しいレースが多かったことは確かだ。しかし、昨年の金鯱賞での復帰後も掲示板が一度だけであり、衰えてしまった可能性も否定できない。
追い切りで動きなどは大きく変わってはいないが、牝馬であることもあって燃え尽きていないかどうかは懸念されるところだ。
不安・展開が向かない可能性
この馬はスローペースを得意としている。
追い込み馬にしては珍しい特徴だが、スローで団子の状態から決め手勝負になれば男勝りの末脚を発揮できる。しかし、前が流れる展開になると脚をなし崩しに使ってしまい、差し込めないこともよく見られる。
そして今回のメンバーを見てみると、ジョルジュサンクやプリメラアスールなど前に行きたい馬が多い。しかも、早めにペースを上げて消耗戦に持ち込む、という確かなスタイルを持つマイネルミラノまで居る。
速い流れになる可能性は十分にあり、そうなってしまうと動くに動けず見せ場なし……という結果に終わることも考えられるわけだ。
まとめ
デニムアンドルビーが好走できるかどうかは、展開など外的要因が関係してくるだろう。
簡単に揃う条件ではないが、それらが噛み合い、最後の力を振り絞った時には久々の勝利に届く可能性はある。決戦は土曜日。舞台は彼女が愛してやまない仁川のターフだ。
文=櫻井秀幸